- 2017年3月30日刊行
- A5判, 392頁
- 出版社ページ
目次
- はしがき
- 序章 国際規範とグローバル・ガバナンスの複合的発展過程(西谷真規子)
- 1 グローバル・ガバナンスの複合性
- 2 理論的背景
- 3 本書の特徴――基本概念と研究課題
- 4 各章の概要
- 第I部 規範形成・伝播の複合過程
- 第1章 「企業と人権」をめぐる多中心的なガバナンスの試み――ステークホルダー間の知識共有と人権デュー・ディリジェンス規範の形成(山田高敬)
- 1 企業と人権
- 2 多国籍企業に対する国際的な規制の歴史
- 3 ラギー・フレームワークおよび指導原則の特徴と意義
- 4 異なるレベルのガバナンスへの影響
- 5 規範的脚本の形成に貢献した要因
- 6 分断的かつ対立的な多中心的ガバナンスを超えて
- 第2章 武器貿易条約に見る規範の競合と並存――規範をめぐる合意形成の力学(石垣友明)
- 1 武器貿易条約の特徴と検討の意義
- 2 通常兵器の移転規制に関する国際ルールの発展
- 3 ATTに内包された主要な規範群と各国の立場
- 4 ATT交渉における規範群の競合・並存と合意形成のプロセス
- 5 分析――ATT成立に際しての規範群の取捨選択
- 6 規範成立のダイナミズムと実施をめぐる課題
- 第3章 紛争予防規範と平和構築規範の複合と交錯――国連におけるマルチステークホルダー・プロセスの生成過程を例として(庄司真理子)
- 1 冷戦後の紛争予防・平和構築規範
- 2 国連規範の視座とMSP
- 3 21世紀初頭における紛争予防概念の進展
- 4 2005年世界サミット期の平和構築と紛争予防
- 5 潘基文事務総長第1期の紛争予防と平和構築
- 6 潘事務総長第2期の平和構築と紛争予防
- 7 MSPと紛争予防・平和構築規範
- 第4章 日本の「抑制された再軍備」の形成過程――規範の競合という観点から(杉田米行)
- 1 規範の競合と「抑制された再軍備」
- 2 日本再軍備に関する学説と本章の位置づけ
- 3 民主主義
- 4 経済的規範――自由主義的資本主義体制の確立
- 5 朝鮮戦争の影響
- 6 日米経済協力の幻想
- 7 「抑制された再軍備」
- 第5章 グローバル開発ガバナンスの実現――UNDCFとGPEDC間の調整をめぐって(大平剛)
- 1 新興国の台頭と変容する開発援助分野の様相
- 2 レジームの萌芽となる2つのフォーラムの競合
- 3 2つのフォーラムについての理論的考察
- 4 対抗レジーム回避のための東アジア3カ国の役割
- 第1章 「企業と人権」をめぐる多中心的なガバナンスの試み――ステークホルダー間の知識共有と人権デュー・ディリジェンス規範の形成(山田高敬)
- 第II部 規範履行の複合過程
- 第6章 多中心的ガバナンスにおけるオーケストレーション――腐敗防止規範をめぐる国際機関の役割(西谷真規子)
- 1 多中心的グローバル・ガバナンスにおける規範発展の課題
- 2 オーケストレーション――非強制的で間接的なガバナンス様式
- 3 多中心的ガバナンス下のオーケストレーション・モデル
- 4 腐敗防止グローバル・ガバナンスの特徴と課題
- 5 UNODCによるオーケストレーションの条件
- 6 UNODCによる腐敗防止オーケストレーション
- 7 規範の履行促進のための国際機関の役割
- 第7章 内面化という虚構――国際規範の法制度化と実効性(小川裕子)
- 1 内面化への疑義
- 2 内面化の非妥当性
- 3 実効性を生む制度進化
- 4 制度進化の政治過程
- 5 実効性の増大に向けて
- 第8章 規範媒介者としてのNGO――アドボカシー・ポリティクスの理論と実践(高橋良輔)
- 1 「政治」としてのアドボカシー
- 2 国境を越える公共圏の虚と実
- 3 国内政治との再節合
- 4 日本における政府―NGO関係の史的展開
- 5 援助規範と国益の相克
- 6 グレート・ディヴァイドを越えて
- 第9章 規範パワーEU持続性――政治の意思を支える制度の反復的実践(臼井陽一郎)
- 1 規範パワー論と国際規範研究の密な関係
- 2 規範パワーとは――EUのアイデンティティをつかむ
- 3 EUの政治とは――2つのEUとユーロリーガリズム
- 4 EUの対外行動――一見“変わらない”規範志向性
- 5 イデオロギー批判へ
- 第6章 多中心的ガバナンスにおけるオーケストレーション――腐敗防止規範をめぐる国際機関の役割(西谷真規子)
- あとがき
- 人名索引
- 事項索引