月別アーカイブ: 2018年12月

日本選挙学会 (編) 『選挙研究』34巻2号(木鐸社、2018年)

選挙研究 第34巻第2号(2018年)―日本選挙学会年報

目次

  • 岡田浩「はじめに」
  • 特集1: 小選挙区比例代表並立制・再考
    • 品田裕「1990年以降の総選挙における選挙公約」 [5-17]
    • 森結城「小選挙区比例代表並立制と政党競合の展開」 [18-32]
  • 特集2: 政党と立法過程
    • 奥健太郎「事前審査制の導入と自民党政調会の拡大――『衆議院公報』の分析を通じて」 [33-46]
    • 石間英雄「政党内政策組織と強い上院――日豪の事前審査に関する比較研究」 [47-57]
    • 朴志善「大統領制における与党事前審査――韓国の「高位党政協議」を事例に」 [58-71]
  • 投稿論文
    • 劉凌「テレビ報道への接触と投票意図の変化――2010年参院選における報道内容と有権者の分析を通して」 [72-87]
    • 豊田紳「独裁国家における中下級エリートの「ゲーミング」としての選挙不正」 [88-100]
  • 書評
    • 石上泰州「曽我健悟著 『現代日本の官僚制』 笠京子著 『官僚制改革の条件:新制度論による日英比較』」
    • 富崎隆「今井貴子著 『政権交代の政治力学:イギリス労働党の軌跡1994-2010』 高安健将著 『議院内閣制ー変貌する英国モデル』」 [104-107]
    • 湯淺懇道「大西裕編著『選挙ガバナンスの実態 世界編』 大西裕編著『選挙ガバナンスの実態 日本編』」
    • 松本正生「小林善彰編著『代議制民主主義の計量分析』」
    • 中北浩爾「笹部真理子著『「自民党型政治」の形成・確率・展開ー分権的組織と県連の多様性』」
    • 木村高宏「池田謙一編著『「日本人」は変化しているのかー価値観・ソーシャルネットワーク・民主主義』」 [114-116]
  • 最近の選挙結果
  • 日本選挙学会賞要綱・2017年度受賞者・講評
  • 2018年度日本選挙学会 総会・研究会日程
  • 日本選挙学会会則・規程・役員・資料
  • 日本選挙学会年報『選挙研究』執筆要領・論文投稿要領・論文執筆の手引
  • 英文要約
  • 執筆者一覧・編集後記

エルネスト・ラクラウ『ポピュリズムの理性』(澤里岳史/河村一郎訳、明石書店、2018年)

ポピュリズムの理性

  • 原著: Ernesto Laclau, On Populist Reason (Verso, 2005)
  • 2018年12月20日刊行
  • 出版社ページ

目次

  • 序文
  • 第I部 大衆への侮蔑
    • 第1章 ポピュリズム――多義性と逆説
      • ポピュリズムに関する文献の袋小路
      • 代替アプローチを求めて
    • 第2章 ル・ボン――暗示と歪曲された表象
    • 第3章 暗示、模倣、同一化
      • 暴徒と社会の解体
      • 催眠術と犯罪学
      • タルドとマクドゥーガル
      • フロイトによる突破
      • 結論――出発点に向かって
  • 第II部 「人民」を構築する
    • 第4章 「人民」、空虚の言説的産出
      • 存在論に関する幾つかの瞥見
      • 要求と人民アイデンティティ
      • 等価性の冒険
      • 敵対、差異、代表
      • 「人民」の内的構造化
      • 名指しと情動
      • ポピュリズム
      • 補論――なぜ幾つかの要求を「民主的」と呼ぶのか?
    • 第5章 浮遊するシニフィアン、社会的異質性
      • 浮遊すること――シニフィアンの劫罰ないしは運命か?
      • 異質性が登場する
    • 第6章 ポピュリズム、代表、民主主義
      • 代表の二つの相貌
      • 民主主義と人民アイデンティティ
  • 第III部 ポピュリズムの諸形態
    • 第7章 ポピュリズムの遍歴譚
    • 第8章 「人民」の構築にとっての障碍と限界
      • オマハ綱領から一八九六年選挙での敗北へ
      • アタテュルクの六本の矢
      • ペロンの帰還
  • 結論
    • ジジェク――火星人を待ちながら
    • ハートとネグリ――神は与え給う
    • ランシエール――人民の再発見
  • 解説――『ポピュリズムの理性』に寄せて(山本圭)
  • 訳者あとがき
  • 索引

浅古泰史『ゲーム理論で考える政治学――フォーマルモデル入門』(有斐閣、2018年)

ゲーム理論で考える政治学 -- フォーマルモデル入門

目次

  • Introduction ゲーム理論という視点
  • Part I:選挙と政治
    • chapter1 低投票率――人々が投票するのはなぜか
    • chapter2 選挙競争――誰の意見が政治に反映されるのか
    • chapter3 汚職――政治家の汚職を減らせるか
    • chapter4 連立政権――政党間協力は野合か
  • Part II:情報と政治
    • chapter5 政治家の資質――良い政治家を選抜できるか
    • chapter6 選挙運動――選挙費用は公費で賄うべきか
    • chapter7 メディア――報道の自由は確保されているか
    • chapter8 脱官僚――政治家が政策決定をするべきか
  • Part III:世界と政治
    • chapter9 政治体制――なぜ独裁者は邪悪に走るのか
    • chapter10 民主化――なぜ民主主義に移行するのか
    • chapter11 戦争――なぜ戦争が起こるのか
    • chapter12 平和――戦争を避けることはできるのか

善教将大『維新支持の分析―― ポピュリズムか、有権者の合理性か』(有斐閣、 2018年)

維新支持の分析 -- ポピュリズムか,有権者の合理性か

  • 2018年12月20日刊行
  • A5判上製,  272頁
  • 出版社ページ
  • 書評
    • 市島宗典・評(『公共選択』72号、166-168頁、2019年)
    • 善教将大「自著を語る」(『書斎の窓』667号、25-29頁、2020年1月)

目次

  • 序章 課題としての維新支持研究
  • 第1部 問いと仮説
    • 第1章 維新をめぐる2つの謎
    • 第2章 維新政治のパズルを解く
  • 第2部 維新支持と投票行動
    • 第3章 維新支持とポピュリズム
    • 第4章 なぜ維新は支持されるのか:維新RFSEによる検証
    • 第5章 維新ラベルと投票選択:コンジョイント実験による検証
  • 第3部 特別区設置住民投票
    • 第6章 都構想知識の分析
    • 第7章 投票用紙は投票行動を変えるのか:投票用紙フレーミング実験による検証
    • 第8章 特別区設置住民投票下の投票行動
  • 終章 我々は民主主義を信頼できるのか
  • 補論A 批判的志向性は反対を促すか:サーベイ実験による検証
  • 補論B 都民ファーストの躍進とポピュリズム

野口雅弘『忖度と官僚制の政治学』(青土社、2018年)

忖度と官僚制の政治学

目次

  • 序章 今日の文脈
  • I 文書主義
    • 第一章 官僚制と文書――バルザック・ウェーバー・グレーバー
      • 1 バルザックの風刺
      • 2 ウェーバーとパーソナルな権力の排除
      • 3 グレーバーとペイパーワークの権力
      • 4 文書主義のアポリア
  • II 「決められない政治」とカリスマ
    • 第二章 脱官僚と決定の負荷――政治的ロマン主義をめぐる考察
      • 1 民主党政権
      • 2 官僚制批判のロマン主義的ルーツとその問題
      • 3 官僚制批判と信条倫理の親和性
      • 4 友愛と「決断の留保」
      • 5 「反動」の前に
    • 第三章 「決められない政治」についての考察――カール・シュミット『政治的ロマン主義』への注釈
      • 1 「決められない政治」
      • 2 ロマン主義と浮遊する自己
      • 3 自由主義批判
      • 4 ウェーバーの影
      • 5 シュミットの立場
      • 6 「決めてほしい」願望とカリスマへの期待のなかで
    • 第四章 カリスマと官僚制――マックス・ウェーバーの政治理論へのイントロダクション
      • 1 サッチャー以降
      • 2 価値の多元性と支配のレジティマシー
      • 3 官僚制化の文脈
      • 4 カリスマの来歴
      • 5 政治の忌避とカリスマの変容
  • III 合理性とアイヒマン
    • 第五章 合理性と悪
      • 1 悪としての非合理性――「戦後啓蒙」
      • 2 「悪の陳腐さ」――ハンナ・アーレント
      • 3 悪としての「閉じること」――マックス・ウェーバーの合理性論
    • 第六章 フォン・トロッタの映画『ハンナ・アーレント』――ドイツの文脈
      • 1 一九六三年
      • 2 フォン・トロッタ監督の眼差し
      • 3 ドイツの政治的地図におけるアーレント
      • 4 「傘なしに雨風にさらされるように」
    • 第七章 五〇年後の『エルサレムのアイヒマン』――ベッティーナ・シュタングネトとアイヒマン研究の現在
      • 1 エルサレム以前のアイヒマン
      • 2 問われるアイヒマン評価
      • 3 シュタングネトの立場
      • 4 タバコの煙のように
  • IV 動員と「なんちゃらファースト」
    • 第八章 テクノクラシーと参加の変容
      • 1 時代性と意味の変容
      • 2 参加と動員
      • 3 六〇年代後半における市民参加の文脈
      • 4 一九九〇年代以降の文脈の変化
      • 5 「よそ者」の参加
    • 第九章 「なんちゃらファースト」と悪
      • 1 「なんちゃらファースト」の二つの問題
      • 2 マックス・ウェーバーの合理性論と悪の問題
      • 3 大塚久雄と「前期的資本」
  • V キャッチ・オール・パーティと忖度
    • 第一〇章 官邸主導のテクノクラシー――キルヒハイマーの「キャッチ・オール・パーティ」再論
      • 1 二〇一四年一二月総選挙
      • 2 シュミットの『合法性と正当性』
      • 3 キルヒハイマーによるもうひとつの「合法性とレジティマシー」
      • 4 「レジティマシーの危機」と官僚制の支配――キルヒハイマーからハーバーマスへ
      • 5 官僚なきテクノクラートの政権
      • 6 政党政治のために
    • 第一一章 忖度の政治学――アカウンタビリティの陥穽
      • 1 アカウンタビリティと行政の側の事情
      • 2 官僚の責任と政治化の責任
      • 3 「忖度」の広がり
  • 終章 中立的なものこそ政治的である
  • あとがき
  • 参考文献
  • 索引