- MINERVA 人文・社会科学叢書 236
- 2020年3月30日刊行
- A5判, 312頁
- 出版社ページ
目次
- はしがき
- 図表一覧
- 序章 独裁の崩壊を理論化する
- 1 問題の所在――政治体制論と体制変動論の橋梁を築く
- 2 研究の目的――個人支配体制を研究する意義
- 3 本書の構成とリサーチ・デザイン
- 第I部 政治体制と体制変動の理論
- 第1章 個人支配体制とは何か
- 1 先行研究
- 2 個人支配体制を再考する
- 3 まとめ――個人支配体制の定義
- 第2章 体制変動の分析視角
- 1 個人支配体制の誕生
- 2 体制の持続――クライアンテリズムによる体制維持
- 3 体制崩壊の過程
- 4 アクター
- 5 社会経済構造の変動とクライアンテリズム
- 6 まとめ――個人支配体制の体制変動を読み解くために
- 第3章 個人支配体制の分析枠組み
- 1 体制危機の類型
- 2 軍部への懐柔戦略
- 3 政党による懐柔戦略――社会と政党エリートへ
- 4 理論仮説
- 5 個人支配体制の類型化と事例選択
- 6 資料と方法
- 7 まとめ――本書の分析視角と対象事例
- 第1章 個人支配体制とは何か
- 第II部 個人支配体制の体制変動に関する事例比較
- 第4章 競争的権威主義型個人支配体制――反対派の政治参加を認めた独裁者
- 1 フィリピン――マルコスとピープル・パワー
- 2 インドネシア――スハルトとゴルカル主導の民主化
- 3 比較分析
- 第5章 疑似競争的権威主義型個人支配体制――反対派と協定した独裁者
- 1 ニカラグア――ソモサ王朝とサンディニスタ革命
- 2 パラグアイ――ストロエスネルと軍事クーデタ
- 3 比較分析
- 第6章 一党制型個人支配体制――反対派の政治参加を認めない独裁者
- 1 ルーマニア――チャウシェスクとルーマニア革命
- 2 スペイン――フランコの死とエリート主導の民主化
- 3 朝鮮民主主義人民共和国――金正日と金正恩の体制維持
- 4 イラン――モハンマド・レザー・シャーとイラン革命
- 5 比較分析
- 第7章 無党制型個人支配体制――サウジアラビアを事例として
- 1 誕生の概要
- 2 サウード家と軍部――懐柔資源としての軍
- 3 サウード家と社会――王族による分節化されたネットワーク
- 4 体制維持の現状
- 5 理論的な追試
- 第4章 競争的権威主義型個人支配体制――反対派の政治参加を認めた独裁者
- 終章 独裁が揺らぐとき
- 1 仮説検証――体制崩壊の成否と型式を分かつもの
- 2 パトロン=クライアントネットワークの構築から崩壊までの過程
- 3 結論――クライアンテリズムはいかにして独裁の脆弱性を規定するか
- 4 本研究の限界と今後の研究課題――クライアンテリズム研究の難しさ
- 参考文献
- 人名索引
- 事項索引