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重田園江『隔たりと政治――統治と連帯の思想』(青土社、2018年)

隔たりと政治――統治と連帯の思想――

目次

  • はじめに
  • I 隔たりと統治
    • 第I部について
    • 第一章 監視と処罰の変貌
      • はじめに/監視と処罰の断絶という様相/ゼロ・トレランスと割れ窓理論/割れ窓理論とコミュニティパトロール/環境犯罪学と犯罪の「機会性」/厳罰化と被害者重視の犯罪政策/おわりに
    • 第二章 リスクを細分化する社会
      • はじめに/社会的リスク/社会に固有のリアリティ/多様化した社会における連帯/社会保険制度の理念/ゴルドンと多様性の統計学/リスクを細分化する社会/リベラルな保険制度における「個人」
    • 第三章 市場化する統治と市場に抗する統治
      • はじめに/現在の位置/自由主義への不信/フーコーの統治性論/ポランニーの市場社会論/おわりに
    • 第四章 大学改革における統治性――官僚制と市場のレトリックをめぐって
      • はじめに/大学改革における「経済の論理」/これは大学の「ネオリベ」改革なのか/「市場の論理」とはなにか/大学間競争/規律と専制/責任の不在――ポスドクの就職難と法科大学院/失敗した改革――天下り不祥事とネイチャーによる国際評価/おわりに
    • 第五章 政治と行政について――「官邸」と「官僚」
      • はじめに/官僚の不祥事/「政治主導」の弊害/「政治」と「行政」/法学における「政治」の場/執政権力と官僚
  • II 隔たりと連帯
    • 第II部について
    • 第六章 「隔たり」について
    • 第七章 なぜ社会保険に入らなくてはいけないの?
      • 誰でも損はしたくない/社会保険は損得の問題なの?/働く場での相互扶助の起源――コンフレリィ/労災の責任は誰に?/個人の選択の自由とは?
    • 第八章 協同組合というプロジェクト
      • 協同組合の歴史についての思い込み/新自由主義的な語りの起源/新自由主義における個人と消費/一九世紀前半の産業世界の無秩序/協同組合という組織化への試み/会社か協同組合か
    • 第九章 現代社会における排除と分断
      • 戦後日本における思想史研究の役割分担/文化へのシフトと政治思想/八〇年代以降の社会批判の諸言説/新自由主義の統治――排除対包摂/現在――分断対連帯/連帯のイメージ――「異なるもの」と「同士」/政治思想の未来
    • 第一〇章 連帯の哲学
      • 切り裂かれた無知のヴェール?/社会連帯思想/ロールズの『正義論』/社会的な視点と連帯
  • III 隔たりと政治
    • 第III部について
    • 第一一章 ナウシカとニヒリズム
    • 第一二章 暴力・テロル・情念――『革命について』に見る近代
      • 情念の近代/「同情‐憐れみ」の政治/絶対の善とテロルの嵐/映画『タクシードライバー』/現代思想が向かうべき問い
    • 第一三章 なぜ政治思想を研究するのか
      •  なぜにいまさら読んでいるの?/考える葦って誰のこと?/イエスとロベスピエールのあいだ?/政治思想を研究するとは?
    • 第一四章 天空の城、リヴァイアサン
    • 第一五章 『リヴァイアサン』の想像力
  • ブックガイド
  • おわりに
  • 索引

千田航『フランスにおける雇用と子育ての「自由選択」――家族政策の福祉政治』(ミネルヴァ書房、2018年)

フランスにおける雇用と子育ての「自由選択」:家族政策の福祉政治 (シリーズ・現代の福祉国家)

  • シリーズ・現代の福祉国家 14
  • 2018年9月10日刊行
  • A5版, 292頁
  • 出版社ページ

目次

  • はしがき
  • 図表一覧/略語一覧
  • 序章 福祉国家の新たな鍵――困難に立ち向かう家族政策と「自由選択」
    • 1 不安定な社会の家族政策
    • 2 大陸ヨーロッパの転換と家族政策
    • 3 日本の方向性を占う家族政策
    • 4 家族政策の合意形成に向けて
  • 第1章 「自由選択」は何をもたらすのか――対立を超えた福祉政治の可能性
    • 1 「自由選択」とは何か
    • 2 「自由選択」と福祉国家の再編
    • 3 フランス家族政策の「自由選択」
    • 4 合意可能な一致点としての「自由選択」
  • 第2章 「自由選択」の見取り図――ライフスタイル選択の政治
    • 1 福祉国家・ジェンダー・家族政策
    • 2 社会的投資と仕事と家庭の調和
    • 3 家族政策の政策目的集合
    • 4 家族政策の発展と変容
  • 第3章 「自由選択」への助走――フランス家族政策の成立と安定
    • 1 2階建ての現金給付とライフスタイル選択
    • 2 普遍主義的現金給付の成立
    • 3 家族政策の「黄金時代」
    • 4 家族主義からの脱却
  • 第4章 「自由選択」の発展と再編――2階建て現金給付の確立
    • 1 少子化と財政問題
    • 2 「自由選択」の付加
    • 3 「自由選択」アイディアの登場と頓挫
    • 4 真の「自由選択」に向けて乳幼児受け入れ給付
    • 5 2階建て現金給付と「自由選択」
  • 第5章 認定保育ママと働く女性への「自由選択」
    • 1 サービス給付と認定保育ママ
    • 2 認定保育ママの成立とその影響
    • 3 保育所増設の限界と認定保育ママの活用
    • 4 認定保育ママと「仕事と家庭の調和」の結合
    • 5 「自由選択」の基盤としての認定保育ママ
  • 終章 「自由選択」の意義と課題
    • 1 フランス家族政策の発展と再編
    • 2 「自由選択」の意義
    • 3 「自由選択」の課題
    • 4 フランスの「自由選択」
  • 参考文献
  • あとがき
  • 巻末資料
  • 索引

田中拓道『福祉政治史――格差に抗するデモクラシー』(勁草書房、2017年)

福祉政治史: 格差に抗するデモクラシー

目次

  • まえがき
  • 序章 福祉国家をどうとらえるか
    • 1 日本の現状
    • 2 先進国の現状
    • 3 本書の目的
    • 4 福祉国家の理論
    • 5 本書の流れ
  • 第I部 戦後レジームの形成と分岐
    • 第1章 福祉国家の前史
      • 1 福祉国家に至る三段階
      • 2 資本主義の変容──一九世紀から二○世紀前半まで
    • 第2章 自由主義レジームの形成──イギリス、アメリカ
      • 1 戦後レジームの基礎──ブレトンウッズ体制とフォーディズム
      • 2 イギリス──普遍主義から選別主義へ
      • 3 アメリカ──最低所得保障への限定
      • 4 自由主義レジームの形成要因
    • 第3章 保守主義レジームの形成─フランス、ドイツ
      • 1 フランス──連帯の制度化
      • 2 ドイツ──補完性と社会的市場経済
      • 3 保守主義レジームの形成要因
    • 第4章 半周辺国の戦後レジーム──スウェーデン、日本
      • 1 スウェーデン──社会民主主義レジーム
      • 2 日本──比較のなかの戦後レジーム
    • 小括 第Ⅰ部のまとめ
  • 第II部 戦後レジームの再編
    • 第5章 福祉国家再編の政治
      • 1 一九七〇年代の転換
      • 2 福祉国家へのインパクト
      • 3 福祉国家再編をとらえる視点
    • 第6章 新自由主義的改革──アメリカ、イギリス
      • 1 自由主義レジームの改革条件
      • 2 アメリカ──金融主導型レジームへの道
      • 3 イギリス──新自由主義から第三の道へ
      • 4 自由主義レジームの改革と現状
    • 第7章 社会民主主義の刷新──スウェーデン
      • 1 社会民主主義レジームの改革条件
      • 2 穏健党の新自由主義
      • 3 社会民主党の支持層再編
      • 4 穏健党の新戦略
      • 5 社会民主主義レジームの改革と現状
    • 第8章 保守主義レジームの分岐──ドイツ、フランス
      • 1 保守主義レジームの改革条件
      • 2 ドイツ──ワークフェアと新しい連帯
      • 3 フランス──自由選択
      • 4 保守主義レジームの改革と現状
    • 第9章 分断された社会──日本
      • 1 日本型レジームの改革条件
      • 2 「日本型福祉社会」の展開
      • 3 「日本型福祉社会」の破綻
      • 4 「政治改革」の時代
      • 5 日本型レジームの改革と現状
  • 第III部 課題と展望
    • 第10章 グローバル化と不平等
      • 1 グローバル化は格差を拡大させるか
      • 2 格差への対応の違いをもたらす要因
      • 3 インサイダー/アウトサイダーの分断
    • 第11章 新しいリスクへの対応
      • 1 労働社会のゆくえ
      • 2 少子化への対応
  • 終章 日本の選択肢
    • 1 本書の概要
    • 2 福祉国家はどこに向かっているか
    • 3 日本の選択肢
  • 文献
  • 索引

北山俊哉『福祉国家の制度発展と地方政府――国民健康保険の政治学』有斐閣