- 2018年3月31日刊行
- A5判, 272頁
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目次
- まえがき(編者) [7]
- 1 はじめに [7]
- 2 「社会的紐帯」を再考する [8]
- 3 本書の構成 [10]
- 第I部 社会的紐帯への視座
- 第一章 政治の余白としての社会的紐帯――ルソーにおける憐憫(淵田仁) [19]
- 1 問題設定 [20]
- 2 不完全な憐憫 [23]
- 3 同一化としての憐憫 [27]
- 4 同一化の条件 [31]
- 5 何者でもない者の憐憫 [35]
- 第二章 集団の病理から考える社会的紐帯――フロイトとラカンの集団心理学(松本卓也) [45]
- はじめに――精神分析の二つの時代 [46]
- 1 集団形成の病理と論理 [50]
- 根源的暴力とそれを秩序づける〈父〉――フロイトの戦争論、ラカンの犯罪論 [50]
- 〈父〉の不在とその病理――レイシズムを論じるフロイトとラカン [55]
- 2 集団心理学から社会的紐帯の理論へ [62]
- ディスクールとは社会的紐帯である [62]
- 主人のディスクール [63]
- 大学のディスクール [64]
- ヒステリー者のディスクール [65]
- 分析家のディスクール [66]
- 資本主義のディスクール [66]
- おわりに――新たな主人の到来としての現代 [68]
- 第一章 政治の余白としての社会的紐帯――ルソーにおける憐憫(淵田仁) [19]
- 第II部 社会的紐帯のポリティクス
- 第三章 ポスト・ネイションの政治的紐帯のために(山本圭) [77]
- はじめに [78]
- 1 紐帯とネイションの罠 [80]
- 2 ヘゲモニー論と精神分析理論 [82]
- 3 民主主義と享楽の論理――ラクラウ=ヘグルンド論争をめぐって [86]
- 4 ポピュリズムと政治的紐帯 [90]
- おわりに [95]
- 第四章 〈政治的なもの〉から〈社会的なもの〉へ?――〈政治的なもの〉の政治理論に何が可能か(乙部延剛) [101]
- はじめに [102]
- 1 「政治的なもの」とは何だったのか? [104]
- 2 「政治的なもの」の退潮と「社会的なもの」の隆盛 [108]
- 3 「政治的なもの」は「社会的なもの」を語ることができるか? [110]
- 4 「政治的なもの」再考 [113]
- 5 「政治的なもの」のどのような理論が今後可能か? [116]
- おわりに [120]
- 第五章 友愛の政治と来るべき民衆――ドゥルーズとデモクラシー(大久保歩) [125]
- はじめに――ドゥルーズとデモクラシー [126]
- 1 友の社会――哲学の誕生とデモクラシー [128]
- 2 デモクラシーの恥辱――資本主義とオピニオン [133]
- 3 マイノリティと不在の民衆 [139]
- 4 来るべき民衆に向けて――芸術と哲学の使命 [144]
- おわりに――社会的紐帯の可能性 [148]
- 第三章 ポスト・ネイションの政治的紐帯のために(山本圭) [77]
- 第III部 社会的紐帯の未来
- 第六章 特異性の方へ、特異性を発って――ガタリとナンシー(柿並良佑) [161]
- 序 [162]
- 1 〈共通〉と〈特異〉のキアスム――主体から主体化へ [165]
- 2 〈個体化〉と〈特異化〉――あるいは「化」ではなく [171]
- 3 主体・特異・存在論 [176]
- おわりに [180]
- 第七章 外でつながること――ハーバーマスの精神分析論とエスの抵抗(比嘉徹徳) [201]
- はじめに [202]
- 1 「自己反省」としての精神分析 [204]
- 1-1 公共的コミュニケーションからの疎外 [204]
- 1-2 日常言語による統合(外部の消去 その1) [208]
- 1-3 非同一性の喪失(外部の消去 その2) [211]
- 2 エスと「死の欲動」 [214]
- 2-1 翻訳の二重化、分析の「振り子」運動 [214]
- 2-2 エスの抵抗/つながることへの抵抗 [217]
- おわりに――シンボリックな統合からエスの紐帯へ [220]
- 第八章 社会的紐帯と「不可能性」(信友建志) [229]
- はじめに――社会的紐帯からディスクールへ [230]
- 1 ラカンの術語とその導入の背景の確認 [232]
- 1-1 《他者》からディスクールへ [232]
- 1-2 ディスクールにおける「不可能性」と「不能性」 [234]
- 2 不可能と不能 [237]
- 2-1 「精神分析の大きな秘密」 [237]
- 2-2 不能の《他者》と記章insigne [239]
- 2-3 不可能な《他者》 [243]
- 2-4 不能と不可能の関係 [244]
- 3 対象aの浮上とその二面性 [246]
- 3-1 「部分対象」――不能から不可能への移行の代償としての対象a [247]
- 3-2 「失われた対象」――不能の《他者》の残余としての対象a [249]
- 4 「分析家のディスクール」による社会的紐帯へ向けて [250]
- 4-1 不能の復権? [251]
- 4-2 不能と不可能の交錯 [254]
- 4-3 精神分析の新たな倫理と「新しいシニフィアン」 [255]
- 5 グループなき紐帯と「最悪宇宙」 [259]
- 第六章 特異性の方へ、特異性を発って――ガタリとナンシー(柿並良佑) [161]
- あとがき(編者) [267]