タグ別アーカイブ: 政治理論

田中拓道『リベラルとは何か――17世紀の自由主義から現代日本まで』(中央公論新社、2020年)

目次

  • はじめに [i]
  • 第1章 自由放任主義からリベラルへ [3]
    • 1 リベラルをどうとらえるか [3]
    • 2 近代の自由主義 [7]
    • 3 リベラルの登場 [14]
    • 4 リベラル・コンセンサス [25]
  • 第2章 新自由主義vs.文化的リベラル [35]
    • 1 1970年代の転換 [35]
    • 2 新自由主義の挑戦 [39]
    • 3 文化的リベラルの登場と限界 [52]
  • 第3章 グローバル化とワークフェア競争国家 [69]
    • 1 「新しい社会的リスク」と社会の二分化 [69]
    • 2 ワークフェア競争国家の定着 [82]
  • 第4章 現代リベラルの可能性 [91]
    • 1 ロールズによる思想的刷新 [92]
    • 2 担い手の変容 [108]
    • 3 現代リベラルの政策パッケージ [115]
  • 第5章 排外主義ポピュリズムの挑戦 [129]
    • 1 排外主義ポピュリズムの台頭と変容 [129]
    • 2 リベラルのジレンマ [136]
    • 3 リベラルは排外主義に対抗できるか [142]
  • 第6章 日本のリベラル――日本のリベラルをどうとらえるか [153]
    • 1 戦前・戦後の自由と自由主義 [156]
    • 2 リベラルの揺籃と保守回帰 [163]
    • 3 グローバル化とリベラルの挫折 [172]
  • 終章 リベラルのゆくえ [189]
  • おわりに [196]
  • 参考文献 [208]

田村哲樹/加藤哲理 (編) 『ハーバーマスを読む』(ナカニシヤ出版、2020年)

目次

  • 第I部 ハーバーマスの思想
    • 第1章 討議の政治理論(日暮雅夫)
    • 第2章 公共圏と民主主義(田畑真一)
    • 第3章 法理論と憲法(毛利透)
    • 第4章 労働と福祉国家(田中拓道)
    • 第5章 宗教(木部尚志)
    • 第6章 美学(加藤哲理)
  • 第II部 ハーバーマスと対抗思想
    • 第7章 ハーバーマスとリベラリズム(齋藤純一)
    • 第8章 ハーバーマスと社会システム理論(小山裕)
    • 第9章 ハーバーマスとポストモダン(仲正昌樹)
    • 第10章 ハーバーマスとフェミニズム(田村哲樹)
    • 第11章 ハーバーマスと「政治的なもの」(大竹弘二)
    • 第12章 ハーバーマスと批判理論(入谷秀一)

飯田文雄 (編) 『多文化主義の政治学』(法政大学出版局、2020年)

目次

  • 第I部 多文化主義の政治理論
    • 第1章 リベラルな多文化主義の形成と展開(飯田文雄)
    • 第2章 多文化主義とデモクラシー(早川誠)
  • 第II部 現代多文化主義の形成と展開
    • 第3章 アメリカの多文化主義と社会福祉政策(西山隆行)
    • 第4章 ベルギーの多文化政策と移民問題 (津田由美子)
    • 第5章 フランスにおけるムスリムの平等――カラー・ブラインドな「差別との闘い」と信教の自由の保障」(浪岡新太郎)
  • 第III部 現代多文化主義の拡大と進化
    • 第6章 オーストリアとドイツにおける国家とムスリム――社団的統合対リベラリズム(網谷龍介)
    • 第7章 ロシア多民族連邦制と「多文化主義」――帝国と民族自決のあとで(渋谷謙次郎)
    • 第8章 ボスニアにおける多民族主義と民族主義(月村太郎)
  • あとがき
  • 索引

ピエール・ロザンヴァロン『良き統治――大統領制化する民主主義』(古城毅ほか訳、みすず書房、2020年)

  • 2020年3月16日刊行
  • 四六判, 456頁
  • 原著: Pierre Rosanvallon, Le bon gouvernement (Seuil, 2015)
  • 訳者: 古城毅/赤羽悠/安藤裕介/稲永祐介/永見瑞木/中村督
  • 出版社ページ

目次

  • 「良き統治」とは何か(宇野重規) [i]
  • 序 新しい民主主義への移行 [3]
  • I 執行権――その問題含みの歴史
    • 1 法の聖別と執行権の格下げ [31]
    • 2 非人格性の崇拝とその変容 [42]
    • 3 執行権の復権の時代 [59]
    • 4 二つの誘惑 [78]
  • II 民主主義の大統領制化
    • 1 先駆的な経験――1848年とワイマール共和国 [99]
    • 2 ドゴール的例外から大統領制化の普及へ [121]
    • 3 不可避的かつ問題含みの点 [138]
    • 4 非自由主義の規制 [151]
  • III 被治者のものとなる民主主義
    • 1 被治者と統治者の関係 [167]
    • 2 理解可能性 [193]
    • 3 統治責任 [228]
    • 4 応答性 [253]
  • IV 信頼に基づく民主主義
    • 1 良き統治者の諸相 [279]
    • 2 真実を語ること [299]
    • 3 高潔さ [324]
  • 結論 第二段階の民主主義革命 [349]
  • 訳者あとがき(古城毅) [359]
  • 原註
  • 索引

西山真司『信頼の政治理論』(名古屋大学出版会、2019年)

目次

  • はじめに
  • 凡例
  • 序章 予備的考察
    • 第1節 政治学における信頼論の現状と課題
      • 1 信頼論の学際性と政治学
      • 2 既存の枠組みを「補完」するもの?
      • 3 政治学の有意性と規範的な政策論
    • 第2節 1960年代の政治文化論
      • 1 アーモンドによる政治理論としての政治文化論
      • 2 政治文化論と信頼論の連続性と差異
    • 第3節 本書における政治理論の地位
      • 1 科学としての政治学をめぐる論争——フライヴァーグとレイテンの事例
      • 2 世界観としての政治理論
      • 3 政治理論における妥当性の問題
    • 第4節 本書における分析の進め方
  • 第I部 政治文化論の再検討
    • 第1章 学説史上の政治文化論とその問題構成
      • 第1節 政治文化論における問題構成の原基的な形態
        • 1 トクヴィルの習俗論
        • 2 バンフィールドのエートス論
      • 第2節 60年代型政治文化論の背景としての行動論政治学
      • 第3節 比較政治学の確立期における機能主義および文化論的アプローチ
    • 第2章 初期・中期パーソンズの社会理論と文化概念
      • 第1節 パーソンズ理論の基本的モティーフ——主意主義的行為の理論へ
      • 第2節 中期パーソンズの社会理論——構造‐機能主義的システム理論と文化概念
        • 1 主意主義的行為の理論からシステム理論へ
        • 2 構造‐機能主義
        • 3 分析カテゴリーとしての文化概念と「中期」パーソンズ理論の性質
    • 第3章 政治文化論の成立と衰退
      • 第1節 60年代型政治文化論の成立過程
        • 1 政治文化概念の誕生——「比較政治システム」(1956年)論文
        • 2 機能主義的政治システム論——「比較政治に向けた機能主義アプローチ」(1960年)
        • 3 政治文化論研究の金字塔——アーモンドとヴァーバによる『市民文化』(1963年)
      • 第2節 60年代型政治文化論の衰退と理論的性格
    • 第4章 新たな理論構築に向けた内在的契機と展望
      • 第1節 「意味」としての政治文化
        • 1 政治文化論における分岐と接合——合理的選択理論と解釈主義
        • 2 『市民文化』以降のアーモンド学派
        • 3 パーソンズ理論における「意味」と文化
      • 第2節 権力としての政治文化
    • 小括 第I部の意義と第II部での課題
  • 第II部 信頼論の問題構成と理論的基礎
    • 第5章 信頼論における問題構成の形成とその背景
      • 第1節 パットナムの『民主主義を機能させる』
      • 第2節 学説史のなかのパットナム
        • 1 『民主主義を機能させる』の方法論上の性格
        • 2 政治文化論から信頼論へ—— トクヴィル的な伝統の再解釈
      • 第3節 パットナムへの批判と国家/市民社会論
        • 1 パットナムの信頼論における “国家の不在”
        • 2 国家/市民社会論という問題構成の性質
    • 第6章 信頼論の理論的基礎とその展開
      • 第1節 ソーシャル・キャピタル概念
        • 1 ソーシャル・キャピタル概念以前の『民主主義を機能させる』
        • 2 コールマンのソーシャル・キャピタル論
        • 3 ソーシャル・キャピタル論の構成要素
      • 第2節 1990年代以降の信頼論の諸形態
        • 1 対人間での信頼について
        • 2 信頼と信任の相互規定的な性質について
        • 3 ソーシャル・キャピタルが政治のあり方を左右する
        • 4 ソーシャル・キャピタルが経済成長を可能にする
        • 5 国家・制度に対する信任について
        • 6 政治制度への信任が経済成長を可能にする
        • 7 政治制度が対人間での信頼を可能にする
      • 第3節 ロスステインの信頼論と政治理論上の課題
        • 1 福祉国家と対人間での信頼
        • 2 パットナム批判と信頼を政治学的に説明すること
        • 3 「集合的記憶」——合理主義と文化主義のあいだ
        • 4 ロスステインにおける政治理論上の課題
    • 小括 第II部の結論と第III部に向けて
  • 第III部 信頼研究のためのあらたな政治理論
    • 第7章 理論的基礎に関するオルタナティヴ
      • 第1節 政治学内部でのあらたな潮流
        • 1 国家/市民社会論から日常性の政治へ
        • 2 制度論の変化と構成主義
      • 第2節 「意味」の系譜①——現象学的社会理論
        • 1 現象学的社会学とその特徴
        • 2 現象学的社会理論から信頼論への知見
      • 第3節 「意味」の系譜②——エスノメソドロジー
        • 1 現象学的社会理論からエスノメソドロジーへ
        • 2 エスノメソドロジーの方針
        • 3 エスノメソドロジーへの批判と応答
      • 第4節 日常言語学派と心の哲学
        • 1 ライルによる心身二元論への批判
        • 2 心の哲学と経験的な研究への指針
        • 3 社会科学研究における概念分析の地位――ウィンチを中心に
    • 第8章 問題構成の再定式化
      • 第1節 第I部および第II部からの検討課題の引き継ぎ
        • 1 第I部からの検討課題
        • 2 第II部からの検討課題
      • 第2節 政治学における信頼論の展望と応用例
        • 1 ルーマン理論の利用について
        • 2 エスノグラフィーと政治学
        • 3 『支配のあいまいさ』
  • 終章 本書のまとめと意義
  • あとがき
  • 参考文献
  • 図表一覧
  • 索引

ヤシャ・モンク『民主主義を救え!』(吉田徹訳、岩波書店、2019年)

  • 2019年8月28日刊行
  • 四六判, 372頁
  • 原著: Yascha Mounk, The People vs. Democracy: Why Our Freedom Is in Danger and How to Save It (Harvard University Press, 2018)
  • 出版社ページ
  • 書評

目次

  • 日本語版に寄せて [v]
  • 序章 失われていく幻想 [1]
  • 第1部 リベラル・デモクラシーの危機 [25]
    • 第1章 権利なきデモクラシー [31]
    • 第2章 デモクラシーなき権利 [57]
    • 第3章 民主主義の瓦解 [103]
  • 第2部 起源 [137]
    • 第4章 ソーシャルメディア [141]
    • 第5章 経済の停滞 [157]
    • 第6章 アイデンティティ [167]
  • 第3部 何をなすべきか [189]
    • 第7章 ナショナリズムを飼いならす [201]
    • 第8章 経済を立て直す [225]
    • 第9章 市民的徳を刷新する [247]
  • 最終章 信念のために戦うこと [265]
  • 訳者あとがき [279]
  • 原注
  • 人名索引

古田拓也「政治思想史と政治理論――クェンティン・スキナーの自由論をめぐって」

  • 『思想』1143号(2019年7月号)、23-42頁
  • 2019年6月25日発行
  • 出版社ページ

目次

  • I はじめに [23]
  • II 第一期(八〇年代から九〇年代前半) [26]
  • III 第二期(九〇年代後半から二〇〇〇年代前半) [28]
  • IV 第三期(イラク戦争後) [30]
  • V 方法論と政治観の変化 [34]
  • VI おわりに [38]

シャンタル・ムフ『左派ポピュリズムのために』(山本圭/塩田潤訳、明石書店、2019年)

左派ポピュリズムのために

  • 原著: Chantal Mouffe, For a Left Populism (Verso, 2018)
  • 2019年1月31日刊行
  • 出版社ページ

目次

  • 序論
  • 1 ポピュリスト・モーメント
  • 2 サッチャリズムの教訓
  • 3 民主主義を根源化すること
  • 4 人民の構築
  • 結論
  • 付録
  • 謝辞
  • 原注
  • 訳注
  • 訳者解題
  • 索引

エルネスト・ラクラウ『ポピュリズムの理性』(澤里岳史/河村一郎訳、明石書店、2018年)

ポピュリズムの理性

  • 原著: Ernesto Laclau, On Populist Reason (Verso, 2005)
  • 2018年12月20日刊行
  • 出版社ページ

目次

  • 序文
  • 第I部 大衆への侮蔑
    • 第1章 ポピュリズム――多義性と逆説
      • ポピュリズムに関する文献の袋小路
      • 代替アプローチを求めて
    • 第2章 ル・ボン――暗示と歪曲された表象
    • 第3章 暗示、模倣、同一化
      • 暴徒と社会の解体
      • 催眠術と犯罪学
      • タルドとマクドゥーガル
      • フロイトによる突破
      • 結論――出発点に向かって
  • 第II部 「人民」を構築する
    • 第4章 「人民」、空虚の言説的産出
      • 存在論に関する幾つかの瞥見
      • 要求と人民アイデンティティ
      • 等価性の冒険
      • 敵対、差異、代表
      • 「人民」の内的構造化
      • 名指しと情動
      • ポピュリズム
      • 補論――なぜ幾つかの要求を「民主的」と呼ぶのか?
    • 第5章 浮遊するシニフィアン、社会的異質性
      • 浮遊すること――シニフィアンの劫罰ないしは運命か?
      • 異質性が登場する
    • 第6章 ポピュリズム、代表、民主主義
      • 代表の二つの相貌
      • 民主主義と人民アイデンティティ
  • 第III部 ポピュリズムの諸形態
    • 第7章 ポピュリズムの遍歴譚
    • 第8章 「人民」の構築にとっての障碍と限界
      • オマハ綱領から一八九六年選挙での敗北へ
      • アタテュルクの六本の矢
      • ペロンの帰還
  • 結論
    • ジジェク――火星人を待ちながら
    • ハートとネグリ――神は与え給う
    • ランシエール――人民の再発見
  • 解説――『ポピュリズムの理性』に寄せて(山本圭)
  • 訳者あとがき
  • 索引

辻康夫「後期近代におけるコミュニティ再建――多文化主義の政策実践の一側面」

  • 『北大法学論集』第69巻第4号、262-234頁
  • 2018年11月30日発行
  • HUSCAP

目次

  • 本稿の目的 [262]
  • 1. 後期近代におけるアイデンティティ形成の困難 [263]
  • 2. 移民集団の社会統合 [257]
  • 3. 先住民の社会病理との戦い [252]
    • (1)自殺防止と文化復興 [249]
    • (2)飲酒・暴力に対処するコミュニティ再建 [247]
    • (3)犯罪者更生における文化の利用 [245]
    • (4)精神疾患への医療処置 [241]
  • 4. 伝統の再解釈と混交・融合 [239]