辻康夫「後期近代におけるコミュニティ再建――多文化主義の政策実践の一側面」 『北大法学論集』第69巻第4号、262-234頁 2018年11月30日発行 HUSCAP 目次 本稿の目的 [262] 1. 後期近代におけるアイデンティティ形成の困難 [263] 2. 移民集団の社会統合 [257] 3. 先住民の社会病理との戦い [252] (1)自殺防止と文化復興 [249] (2)飲酒・暴力に対処するコミュニティ再建 [247] (3)犯罪者更生における文化の利用 [245] (4)精神疾患への医療処置 [241] 4. 伝統の再解釈と混交・融合 [239]
増原綾子/鈴木絢女/片岡樹/宮脇聡史/古屋博子『はじめての東南アジア政治』(有斐閣、2018年) 有斐閣ストゥディア 2018年11月28日刊行 A5判並製, 324頁 出版社ページ 目次 第1部 各国政治史 第1章 国民国家以前の東南アジア 第2章 マレーシア,シンガポール,ブルネイ 第3章 フィリピン 第4章 インドネシア,東ティモール 第5章 タイ 第6章 ミャンマー 第7章 ベトナム,ラオス,カンボジア 第2部 比較政治 第8章 国民国家建設 第9章 政治体制と体制変動 第10章 成長・分配 第11章 模索する民主主義 第3部 国際政治 第12章 国際関係の中の東南アジア 第13章 地域統合とASEAN 第14章 国境を越える人々 終章 日本と東南アジア
重田園江『隔たりと政治――統治と連帯の思想』(青土社、2018年) 2018年11月22日刊行 出版社ページ 目次 はじめに I 隔たりと統治 第I部について 第一章 監視と処罰の変貌 はじめに/監視と処罰の断絶という様相/ゼロ・トレランスと割れ窓理論/割れ窓理論とコミュニティパトロール/環境犯罪学と犯罪の「機会性」/厳罰化と被害者重視の犯罪政策/おわりに 第二章 リスクを細分化する社会 はじめに/社会的リスク/社会に固有のリアリティ/多様化した社会における連帯/社会保険制度の理念/ゴルドンと多様性の統計学/リスクを細分化する社会/リベラルな保険制度における「個人」 第三章 市場化する統治と市場に抗する統治 はじめに/現在の位置/自由主義への不信/フーコーの統治性論/ポランニーの市場社会論/おわりに 第四章 大学改革における統治性――官僚制と市場のレトリックをめぐって はじめに/大学改革における「経済の論理」/これは大学の「ネオリベ」改革なのか/「市場の論理」とはなにか/大学間競争/規律と専制/責任の不在――ポスドクの就職難と法科大学院/失敗した改革――天下り不祥事とネイチャーによる国際評価/おわりに 第五章 政治と行政について――「官邸」と「官僚」 はじめに/官僚の不祥事/「政治主導」の弊害/「政治」と「行政」/法学における「政治」の場/執政権力と官僚 II 隔たりと連帯 第II部について 第六章 「隔たり」について 第七章 なぜ社会保険に入らなくてはいけないの? 誰でも損はしたくない/社会保険は損得の問題なの?/働く場での相互扶助の起源――コンフレリィ/労災の責任は誰に?/個人の選択の自由とは? 第八章 協同組合というプロジェクト 協同組合の歴史についての思い込み/新自由主義的な語りの起源/新自由主義における個人と消費/一九世紀前半の産業世界の無秩序/協同組合という組織化への試み/会社か協同組合か 第九章 現代社会における排除と分断 戦後日本における思想史研究の役割分担/文化へのシフトと政治思想/八〇年代以降の社会批判の諸言説/新自由主義の統治――排除対包摂/現在――分断対連帯/連帯のイメージ――「異なるもの」と「同士」/政治思想の未来 第一〇章 連帯の哲学 切り裂かれた無知のヴェール?/社会連帯思想/ロールズの『正義論』/社会的な視点と連帯 III 隔たりと政治 第III部について 第一一章 ナウシカとニヒリズム 第一二章 暴力・テロル・情念――『革命について』に見る近代 情念の近代/「同情‐憐れみ」の政治/絶対の善とテロルの嵐/映画『タクシードライバー』/現代思想が向かうべき問い 第一三章 なぜ政治思想を研究するのか なぜにいまさら読んでいるの?/考える葦って誰のこと?/イエスとロベスピエールのあいだ?/政治思想を研究するとは? 第一四章 天空の城、リヴァイアサン 第一五章 『リヴァイアサン』の想像力 ブックガイド おわりに 索引
大山礼子『政治を再建する、いくつかの方法――政治制度から考える』(日本経済新聞社、2018年) 2018年11月16日刊行 四六判, 234頁 出版社ページ 目次 第1章 首相は大統領より強い? 第2章 国会審議は無意味? 第3章 無能な議員が多すぎる? 第4章 選挙が政治をダメにする? 第5章 権力をチェックするのは誰?
重田園江『統治の抗争史――フーコー講義1978-79』(勁草書房、2018年) 2018年11月16日刊行 A5判, 576頁 出版社ページ 目次 はじめに――本書はどのような著作なのか 序章 統治性研究を位置づける 一 統治の出現経緯をたどる 二 一九七八年、七九年講義 三 統治性をめぐるこれまでの研究 第I部 国家理性 第一章 統治、統治術、君主鑑 一 統治=人の導き 二 司牧と近代の統治との異同 三 君主鑑におけるエコノミー 四 法と統治の対比 五 統治の対象としての「物事」 第二章 国家理性(一)――国家理性とマキャヴェリ 一 国家理性という発明品 二 国家理性研究の現状 三 フーコーの議論の特徴 四 国家理性とマキャヴェリ 五 国家理性論における国家の保守 第三章 国家理性(二)――クーデタと反乱 一 ノーデのクーデタ 二 ベイコンの反乱 三 ベイコンとマキャヴェリの相違 四 ホッブズの自然状態と内戦について 五 フーコーの国家理性論の特徴 第四章 「ウェストファリア的秩序」 一 諸国家の競合 二 「ウェストファリア神話」 三 フーコーにおける「ヨーロッパの均衡」 四 フーコーとタック 五 力から成る世界 第五章 ポリス論 一 ポリス論とポリス研究の国際比較 二 仏独ポリス/ポリツァイ研究 三 フーコーの視点の特徴 四 フーコーのポリス論――ポリスとはなにか 五 ポリスが生み出す対象 第II部 人口 第六章 ポリス、都市、都市計画 一 ポリスの特権的な場としての都市 二 都市像の変遷と都市計画urbanisme 三 ル・メートル『首都論』 四 人工都市リシュリュー 五 ナントの改革プラン 第七章 病と衛生 一 都市の不衛生 二 癩とペスト(一)――癩 三 癩とペスト(二)――ペスト 四 天然痘と接種 第八章 人口の誕生をめぐって(一) 一 人口をめぐる議論へのアプローチ 二 接種は正当化されるか 三 なぜ死亡表が重要か 四 『死亡表』をめぐる論争 五 人口学のはじまり 第九章 人口の誕生をめぐって(二) 一 古代近代論争 二 人口という語 三 人口と社会 四 『人口論』の知 五 人口学の誕生 六 人口の衝撃 七 ヒトという種 第一〇章 確率・統計と人口 一 統計学とは 二 確率のはじまり 三 パスカルの賭け 四 終身年金、生命保険、死亡表 五 社会の統計学的概念化 補章 ベルヌイ─ダランベール問題の迷宮 一 問題の所在 二 惑星軌道は神の摂理か 三 聖ペテルブルクのパラドクス 四 接種の判断基準 五 ダランベールの数学観と確率 第III部 エコノミー 第一一章 食糧難と穀物ポリス 一 環境と人口 二 食糧難 三 穀物という主題 四 穀物ポリス 第一二章 穀物自由化論 一 自由化をめぐる攻防 二 アベイユの自由化論 三 フランス初期経済学と商業の自由 四 グルネーサークル 五 チュルゴー対ネッケル 第一三章 フーコーによる自由主義の解釈 一 人民対人口 二 人口の自然性(一)――重商主義 三 人口の自然性(二)――フィジオクラット 四 人口の自然性(三)――欲望の組み込み 五 真理の場としての市場 第一四章 ホモ・エコノミクス 一 ホモ・エコノミクスの思想史 二 情念の政治経済学 三 究極の根拠としての利益 四 見えざる手と統治の限界 五 コンディヤックとエルヴェシウス 六 ベンサム 第一五章 統治とエコノミー 一 公的なものと私的なもの 二 統治の語義の変遷 三 エコノミーの語義の変遷(一)――全き家 四 エコノミーの語義の変遷(二)――『ヌーヴェルエロイーズ』 五 エコノミー概念の錯綜 六 ルソーのエコノミーポリティーク 第一六章 市民社会 一 統治性と市民社会 二 古代から近世へ――政治社会としての市民社会 三 ヒュームとルソーにおける市民社会と文明 四 ファーガスン『市民社会史』 五 フーコーにおける市民社会と統治 おわりに――哲学と歴史について あとがき 図版出典一覧 参考文献索引