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梅澤佑介『市民の義務としての〈反乱〉――イギリス政治思想史におけるシティズンシップ論の系譜』(慶應義塾大学出版会、2020年)

目次

  • 序章 「歴史の終わり」? ――市民に投与された催眠剤 [1]
  • 第一章 忠実な臣民と知的愛国者――T・H・グリーンの「抵抗の義務」論 [25]
    • 第一節 ヴィクトリア時代の思想状況 [25]
    • 第二節 T・H・グリーンと新たな問題 [36]
  • 第二章 自己統治のパラドックスを超えて――バーナード・ボザンケの「実在意志」論 [73]
    • 第一節 自己統治のパラドックス [78]
    • 第二節 実在意志論 [91]
    • 第三節 シティズンシップと政治参加 [103]
  • 第三章 調和へと進歩する歴史――L・T・ホブハウスの形而上学的国家論批判 [121]
    • 第一節 自由主義的社会主義 [126]
    • 第二節 形而上学的国家論批判 [135]
    • 第三節 客観主義的権利論と進歩の形而上学 [147]
  • 第四章 思慮なき服従と反乱の義務――ハロルド・ラスキの多元的国家論 [167]
    • 第一節 国家主権論批判 [172]
    • 第二節 自由論の哲学的前提とペシミスティックな権力観 [185]
    • 第三節 調整権威としての国家 [211]
  • 第五章 階級なき社会を目指して――ハロルド・ラスキの唯物史観批判 [231]
    • 第一節 多元的国家論の自己批判 [235]
    • 第二節 三〇年代における多元的国家論の位置づけ [243]
    • 第三節 マルクス主義受容と「思慮なき服従」論の展開 [247]
    • 第四節 唯物史観批判とユートピア批判 [260]
  • 第六章 自発性を計画する――ハロルド・ラスキの「計画民主主義」論 [271]
    • 第一節 同意による革命 [275]
    • 第二節 計画民主主義 [283]
  • 終章 シティズンシップの終わるとき [303]
  • あとがき [315]
  • 参考文献一覧 [7]
  • 事項索引
  • 人名索引

板倉孝信『ポスト財政=軍事国家としての近代英国』(晃洋書房、2020年)

目次

  • 序章 財政=軍事国家としての近世英国の黄昏
    • 第1節 国債から増税へ―戦費調達手段の転換
    • 第2節 反革命戦争期の戦時財政に対する評価
    • 第3節 納税者視点に基づく財政請願運動への注目
    • 第4節 反革命戦争期の請願運動の分析手法
  • 第I部 18・19世紀の転換期における財政請願運動の変化
    • 第1章 請願者としての「アッパーミドル」の範囲規定
      • 第1節 「アッパーミドル」に関する前提
      • 第2節 「アッパーミドル」の定義の揺らぎ
      • 第3節 世紀転換期における請願運動の傾向
      • 第4節 下位ジェントリと「アッパーミドル」
      • 第5節 上位商業利益と「アッパーミドル」
      • 第6節 「アッパーミドル」外部の上下階層
      • 第7節 「アッパーミドル」に関する総括
    • 第2章 反革命戦争期の財政請願運動の階層・地域的拡大
      • 第1節 請願参加の階層・地域に関する前提
      • 第2節 財政請願運動への参加階層の変化
      • 第3節 参加階層に関する新聞史料の傾向
      • 第4節 階層的拡大による所得税論争への影響
      • 第5節 財政請願運動への参加地域の変化
      • 第6節 参加地域に関する新聞史料の傾向
      • 第7節 地域的拡大による所得税論争への影響
      • 第8節 階層・地域的拡大に関する総括
    • 第3章 反革命戦争前後における財政請願運動の比較
      • 第1節 請願運動の比較分析に関する前提
      • 第2節 議会審議における請願紹介の傾向分析
      • 第3節 請願紹介の事例提示(反革命戦争前)
      • 第4節 請願紹介の事例提示(所得税廃止論争)
      • 第5節 請願紹介の事例提示(反革命戦争後)
      • 第6節 請願運動に関する地方都市での動向
      • 第7節 請願運動の比較分析に関する総括
  • 第II部 反革命戦争期における財政請願運動の発展過程
    • 第4章 国債発行への依存と請願運動の停滞(戦争前期)
      • 第1節 英国の国際・国内環境(戦争前期)
      • 第2節 請願集会の事例検討(戦争前期)
      • 第3節 請願文書の事例検討(戦争前期)
      • 第4節 請願紹介の事例検討(戦争前期)
      • 第5節 財政請願運動の評価(戦争前期)
    • 第5章 戦時所得税の導入と請願運動の拡大(戦争中期)
      • 第1節 英国の国際・国内環境(戦争中期)
      • 第2節 請願集会の事例検討(戦争中期)
      • 第3節 請願文書の事例検討(戦争中期)
      • 第4節 請願紹介の事例検討(戦争中期)
      • 第5節 財政請願運動の評価(戦争中期)
    • 第6章 戦時増税の定着と請願運動の進化(戦争後期)
      • 第1節 英国の国際・国内環境(戦争後期)
      • 第2節 請願集会の事例検討(戦争後期)
      • 第3節 請願文書の事例検討(戦争後期)
      • 第4節 請願紹介の事例検討(戦争後期)
      • 第5節 財政請願運動の評価(戦争後期)
  • 第III部 所得税廃止論争における財政請願運動の展開
    • 第7章 1815年と1816年の所得税廃止論争の比較
      • 第1節 1815年論争と1816年論争の前提
      • 第2節 論争の時期・地域的展開(1815年)
      • 第3節 論争の党派・政策的展開(1815年)
      • 第4節 所得税単年度延長の実現(1815年)
      • 第5節 論争の時期・地域的展開(1816年)
      • 第6節 論争の党派・政策的展開(1816年)
      • 第7節 所得税平時恒久化の挫折(1816年)
      • 第8節 1815年論争と1816年論争の比較
    • 第8章 所得税廃止運動と麦芽税廃止運動の相互協力
      • 第1節 両税廃止運動に関する前提
      • 第2節 農業利益による戦後減税運動の着手
      • 第3節 野党による両税廃止運動の融合
      • 第4節 与党による両税廃止運動の分離
      • 第5節 麦芽税延長断念による与党巻き返し
      • 第6節 野党による財政改革要求の継続
      • 第7節 両税廃止運動に関する総括
    • 第9章 所得税査定帳簿の分析から見た納税者の不満
      • 第1節 所得税査定帳簿分析に関する前提
      • 第2節 小ピット型所得税の帳簿分析(1799~1801年)
      • 第3節 アディントン型所得税の帳簿分析(1803~05年)
      • 第4節 ペティ型所得税の帳簿分析(1806~15年)
      • 第5節 所得税査定帳簿分析に関する総括
  • 終章 ポスト財政=軍事国家としての近代英国の黎明
    • 第1節 戦時請願運動の発展と戦後への影響
    • 第2節 減税要求による小さな政府への転換
    • 第3節 新たな課題――財政=外交ジレンマの発生

高橋直樹/松尾秀哉/吉田徹 (編) 『現代政治のリーダーシップーー危機を生き抜いた8人の政治家』(岩波書店、2019年)

目次

  • 序 政治リーダーの質の低下とその解毒剤(高橋直樹)
  • 第1部 個性を発揮した政治リーダー
    • 第1章 ジョン・メージャーの矛盾――イデオロギー政治のなかのプラグマティスト(若松邦弘)
    • 第2章 ドイツ統一とコール――政治変動への対応による逆境の克服(安井宏樹)
    • 第3章 フェルホフスタットの政治的リーダーシップ――なぜ異質なリーダーが登場したのか(松尾秀哉)
    • 第4章 ヨーロッパの辺境から世界の中心に――アイルランド・ヴァラッカーの野心・個性・多様性の政治(小舘尚文)
  • 第2部 状況を生きる政治リーダー
    • 第5章 トニー・ブレア――稀代の政治家の盛衰(今井貴子)
    • 第6章 ミッテラン大統領とドイツ統一――「歴史と地理」からなるヨーロッパ
    • エリツィン大統領の機会主義――なぜロシアは「ショック療法」を実施したのか
    • メキシコ銀行総裁ロドリーゴ・ゴメス――中央銀行のソーシャル・キャピタル、一九五二‐一九七〇年
  • 危機の時代のリーダーシップ研究

水島治郎/君塚直隆 (編) 『現代世界の陛下たち――デモクラシーと王室・皇室』(ミネルヴァ書房、2018年)

現代世界の陛下たち:デモクラシーと王室・皇室

目次

  • はじめに
  • 序章 現代世界の王室(君塚直隆)
    • 1 現代世界の陛下たち
    • 2 20世紀に消えていった王室
    • 3 21世紀の王室の運命
  • 第1章 女王陛下とイギリス王室――地上最後の王様?(君塚直隆)
    • 1 千年の歴史をせおって
    • 2 ジョージ五世の遺訓
    • 3 リリベットの登場と帝国の再編
    • 4 21世紀のイギリス王室
  • 第2章 スペイン政治と王室――安定装置としての君主制(細田晴子)
    • 1 不安定な君主制
    • 2 不安定な共和制・君主制か、安定した独裁制か
    • 3 安定した独裁制と後継者——なぜフランコは君主制を選択したのか?
    • 4 民主化移行——フランコ体制の後継者からデモクラシーの国王へ
    • 5 21世紀のスペイン王室——カリスマ国王から大衆化した王室へ
  • 第3章 オランダにおける王室の展開――時代の流れに沿って(水島治郎)
    • 1 デモクラシーと共存する王制
    • 2 女王の世紀
    • 3 三人の「殿下」たち
    • 4 21世紀に生きる王室
  • 第4章 ベルギー国王とデモクラシーの紆余曲折――君主を戴く共和国(松尾秀哉)
    • 1 国王の「一時的な退位」!?
    • 2 ベルギーとは
    • 3 ベルギー政治と国王の紆余曲折
    • 4 転換点 クビになったレオポルド三世
    • 5 分裂危機の時代の国王
    • 6 最後に――テロの時代の国王
  • 第5章 「国の父」を亡くしたタイ――民衆の敬愛はいかに培われたか(櫻田智恵)
    • 1 「ラーマ九世の時代に生まれた」誇り
    • 2 「国王が政治の上にいる民主主義」?
    • 3 実は演出家? プーミポン国王のメディア戦略
    • 4 王位継承と政治的駆け引き
  • 第6章 デモクラシーと「国体」は両立するか?――戦後日本のデモクラシーと天皇制(原 武史)
    • 1 敗戦と昭和天皇
    • 2 昭和天皇と高松宮の憲法認識
    • 3 昭和天皇の退位問題
    • 4 秩父宮と皇太后節子
    • 5 デモクラシーと「国体」の両立
    • 6 「詔書」と「おことば」
    • 7 天皇は「人間」になり得るか――結びに代えて
  • 第7章 デモクラシーと君主制(宇野重規)
    • 1 生き残った君主制
    • 2 君主制とデモクラシーは矛盾するか――制度論的考察
    • 3 王・貴族・民衆の複雑な関係
    • 4 フランス革命の衝撃
    • 5 王室を飼いならす?――W・バジョットの王室論
    • 6 デモクラシーと君主制は両立するか
  • おわりに
  • 人名・事項索引
  • コラム
    • 1 王冠をかけた恋
    • 2ロイヤル・ウェディングの起源
    • 3 本家はどちら?
    • 4 多才な北欧の君主たち
    • 5 日蘭皇室・王室の絆——マキシマ妃は雅子妃の「ロールモデル」?
    • 6ロマノフの亡霊?
    • 7 帝国の幻影
    • 8 巨人の国の大きな王様
    • 9 タイの神器
    • 10 五年ごとの国王陛下?
    • 11 両陛下が「意思」を示すとき——戦没者慰霊と被災地見舞い
    • 12 王女プリンセスたちの活躍
    • 13 アラブ世界の王妃の新たなスタイル

今井貴子『政権交代の政治力学――イギリス労働党の軌跡 1994-2010』(東京大学出版会、2018年)

政権交代の政治力学: イギリス労働党の軌跡 1994-2010

目次

  • 序章 政権交代にどうアプローチするか
  • 第1章 ネオ・リベラリズム時代のイギリス政治
  • 第2章 ブレア党首の誕生
  • 第3章 ブレア労働党の党内革命と右旋回
  • 第4章 総選挙マニフェストの形成過程
  • 第5章 労働党政権の制約と裁量
  • 第6章 労働党政権の功罪
  • 終章 政権交代の光と影

笠京子『官僚制改革の条件――新制度論による日英比較』(勁草書房、2017年)

官僚制改革の条件: 新制度論による日英比較

目次

  • はじめに
  • 第1章 分析枠組み
    • 1 新制度論
    • 2 5つの仮説
    • 3 英国との比較研究
  • 第2章 フルトン報告と第一臨調意見
    • 1 官僚制改革とNPM改革
    • 2 フルトン報告
    • 3 第一臨調意見
    • 4 まとめ
  • 第3章 英国の官僚制改革
    • 1 官僚制の決定制度と管轄権
    • 2 組織改革
    • 3 管理改革
    • 4 人事改革
    • 5 議会の行政統制強化
    • 6 まとめ
  • 第4章 日本の官僚制改革
    • 1 官僚制の決定制度と管轄権
    • 2 第一臨調後のうごき
    • 3 第二次橋本政権の官僚制改革
    • 4 組織改革
    • 5 管理改革
    • 6 人事改革
    • 7 まとめ
  • 第5章 事例研究
    • 1 英国―エージェンシー制度の創設
    • 2 日本―国家公務員制度改革基本法
    • 3 比較
  • 第6章 仮説の検証
    • 1 外因性ショックとしての経済危機
    • 2 取引費用仮説
    • 3 PSBs仮説
    • 4 政治行政制度仮説
    • 5 正統化仮説
    • 6 アイデア競合仮説
    • 7 まとめ
  • 終章 日本に何が必要か
    • 1 官僚制改革の条件
    • 2 官僚制改革の難しさ
    • 3 今後の課題
  • おわりに
  • 事項索引
  • 人名索引

田中拓道『福祉政治史――格差に抗するデモクラシー』(勁草書房、2017年)

福祉政治史: 格差に抗するデモクラシー

目次

  • まえがき
  • 序章 福祉国家をどうとらえるか
    • 1 日本の現状
    • 2 先進国の現状
    • 3 本書の目的
    • 4 福祉国家の理論
    • 5 本書の流れ
  • 第I部 戦後レジームの形成と分岐
    • 第1章 福祉国家の前史
      • 1 福祉国家に至る三段階
      • 2 資本主義の変容──一九世紀から二○世紀前半まで
    • 第2章 自由主義レジームの形成──イギリス、アメリカ
      • 1 戦後レジームの基礎──ブレトンウッズ体制とフォーディズム
      • 2 イギリス──普遍主義から選別主義へ
      • 3 アメリカ──最低所得保障への限定
      • 4 自由主義レジームの形成要因
    • 第3章 保守主義レジームの形成─フランス、ドイツ
      • 1 フランス──連帯の制度化
      • 2 ドイツ──補完性と社会的市場経済
      • 3 保守主義レジームの形成要因
    • 第4章 半周辺国の戦後レジーム──スウェーデン、日本
      • 1 スウェーデン──社会民主主義レジーム
      • 2 日本──比較のなかの戦後レジーム
    • 小括 第Ⅰ部のまとめ
  • 第II部 戦後レジームの再編
    • 第5章 福祉国家再編の政治
      • 1 一九七〇年代の転換
      • 2 福祉国家へのインパクト
      • 3 福祉国家再編をとらえる視点
    • 第6章 新自由主義的改革──アメリカ、イギリス
      • 1 自由主義レジームの改革条件
      • 2 アメリカ──金融主導型レジームへの道
      • 3 イギリス──新自由主義から第三の道へ
      • 4 自由主義レジームの改革と現状
    • 第7章 社会民主主義の刷新──スウェーデン
      • 1 社会民主主義レジームの改革条件
      • 2 穏健党の新自由主義
      • 3 社会民主党の支持層再編
      • 4 穏健党の新戦略
      • 5 社会民主主義レジームの改革と現状
    • 第8章 保守主義レジームの分岐──ドイツ、フランス
      • 1 保守主義レジームの改革条件
      • 2 ドイツ──ワークフェアと新しい連帯
      • 3 フランス──自由選択
      • 4 保守主義レジームの改革と現状
    • 第9章 分断された社会──日本
      • 1 日本型レジームの改革条件
      • 2 「日本型福祉社会」の展開
      • 3 「日本型福祉社会」の破綻
      • 4 「政治改革」の時代
      • 5 日本型レジームの改革と現状
  • 第III部 課題と展望
    • 第10章 グローバル化と不平等
      • 1 グローバル化は格差を拡大させるか
      • 2 格差への対応の違いをもたらす要因
      • 3 インサイダー/アウトサイダーの分断
    • 第11章 新しいリスクへの対応
      • 1 労働社会のゆくえ
      • 2 少子化への対応
  • 終章 日本の選択肢
    • 1 本書の概要
    • 2 福祉国家はどこに向かっているか
    • 3 日本の選択肢
  • 文献
  • 索引