タグ別アーカイブ: 政治思想史

都築勉『おのがデモンに聞け――小野塚・吉野・南原・丸山・京極の政治学』(吉田書店、2021年)

目次

  • 序章 一九世紀から二〇世紀への転換
    • 1 大学アカデミズムの誕生
      • 唯一の大学
      • 帝国大学令
      • 帝国大学のドイツ化
      • 人材確保の困難
      • 『法学の誕生』
      • 大学アカデミズムの成立――国語学の場合
      • 比較対照軸としての夏目漱石
      • 「新聞屋」漱石の出発
      • 大学アカデミズムの成立――京都学派の哲学
      • 大学アカデミズムの成立――経済学の場合
      • 明治日本と帝国日本
    • 2 東京帝国大学の政治学
      • 前史
      • 小野塚喜平次
      • 小野塚以後の政治学
  • 第1章 小野塚喜平次または研究者精神の形成
    • 先行研究
    • 「政治学ノ系統」
    • 「政治教育ト政治学」
    • 小野塚が見たヨーロッパ
    • 「七博士事件」と「戸水事件」
    • 『政治学大綱』
    • 矢部貞治の『政治学』
    • 堀豊彦の『政治学原論』
    • 蠟山政道
    • 丸山眞男、岡義達、佐々木毅
    • 小野塚のヨーロッパ各国史研究――時代的背景
    • 英仏独の比較研究
    • ブライスの『近世衆民政』書評
    • 昭和初年の総長時代
  • 第2章 吉野作造または行為者精神の形成
    • 本書のアプローチ
    • 『支那革命小史』
    • 留学生の支援
    • 吉野の言論活動
    • 吉野の政治原論
    • 吉野の民本主義論
    • 歴代内閣論(一)――大隈・寺内・原
    • 浪人会との対決
    • 歴代内閣論(二)――高橋内閣から加藤高明内閣まで
    • 朝日新聞退社の経緯
    • 無産政党論
    • 歴代内閣論(三)――「憲政の常道」期
    • 明治文化研究
    • 吉野作造の戦い
  • 第3章 南原繁または教育者精神の形成
    • 政治思想史と政治哲学
    • 政治的価値の固有性――「価値並行」論
    • 自由主義批判
    • 「理想国家」と「神の国」
    • 『フィヒテの政治哲学』
    • 『政治理論史』
    • 『政治哲学序説』
    • 南原の日本国憲法論
    • 全面講和論
    • 人間南原
    • 教育者南原
  • 第4章 丸山眞男または創設者精神の形成
    • 南原と丸山
    • 徂徠学の位置づけ
    • 『矢部貞治日記』
    • 丸山の召集
    • 国民主義の思想
    • 「超国家主義の論理と心理」
    • 日本ファシズム論
    • 学問論
    • 平和論
    • 一九五〇年代後半の転換
  • 第5章 京極純一または観察者精神の形成
    • 丸山と京極
    • 神島二郎『近代日本の精神構造』
    • 『現代日本の政治過程』
    • 植村正久研究
    • 理論模型
    • 「世相の解説」
    • 『日本の政治』
  • 終章 政治学の一〇〇年
    • 東大の政治学
    • 二〇世紀の百年
    • 日本国憲法の政治学
    • 総長職と大学の管理運営
    • 二一世紀の政治学

田中拓道『リベラルとは何か――17世紀の自由主義から現代日本まで』(中央公論新社、2020年)

目次

  • はじめに [i]
  • 第1章 自由放任主義からリベラルへ [3]
    • 1 リベラルをどうとらえるか [3]
    • 2 近代の自由主義 [7]
    • 3 リベラルの登場 [14]
    • 4 リベラル・コンセンサス [25]
  • 第2章 新自由主義vs.文化的リベラル [35]
    • 1 1970年代の転換 [35]
    • 2 新自由主義の挑戦 [39]
    • 3 文化的リベラルの登場と限界 [52]
  • 第3章 グローバル化とワークフェア競争国家 [69]
    • 1 「新しい社会的リスク」と社会の二分化 [69]
    • 2 ワークフェア競争国家の定着 [82]
  • 第4章 現代リベラルの可能性 [91]
    • 1 ロールズによる思想的刷新 [92]
    • 2 担い手の変容 [108]
    • 3 現代リベラルの政策パッケージ [115]
  • 第5章 排外主義ポピュリズムの挑戦 [129]
    • 1 排外主義ポピュリズムの台頭と変容 [129]
    • 2 リベラルのジレンマ [136]
    • 3 リベラルは排外主義に対抗できるか [142]
  • 第6章 日本のリベラル――日本のリベラルをどうとらえるか [153]
    • 1 戦前・戦後の自由と自由主義 [156]
    • 2 リベラルの揺籃と保守回帰 [163]
    • 3 グローバル化とリベラルの挫折 [172]
  • 終章 リベラルのゆくえ [189]
  • おわりに [196]
  • 参考文献 [208]

権左武志『現代民主主義 思想と歴史』(講談社、2020年)

  • 講談社選書メチエ 740
  • 2020年12月11日刊行
  • 四六判, 296頁
  • 出版社ページ

目次

  • はじめに
  • 序章 民主主義のパラドクス
  • 第1章 近代民主主義とナショナリズムの誕生
    • 第1節 フランス革命とルソー、シィエスの思想
    • 第2節 ドイツ・ナショナリズムとフィヒテの思想
  • 第2章 自由主義者の民主主義批判とナショナリズムの発展
    • 第1節 民主主義革命とトクヴィル、ミルの思想
    • 第2節 ナショナリズムの統一運動と民族自決権の思想
  • 第3章 民主主義観の転換とナショナリズムの暴走
    • 第1節 第二帝政期ドイツとヴェーバーの思想
    • 第2節 ワイマール期ドイツとカール・シュミットの思想
    • 第3節 民族自決権の適用とその帰結
  • 第4章 民主主義の再検討とナショナリズムの封じ込め
    • 第1節 全体主義批判と民主主義論の再構築
    • 第2節 民族自決権の受容と回帰
  • 結び 冷戦終結後の民主主義とナショナリズム
  • あとがき

宇野重規『民主主義とは何か』(講談社、2020年)

目次

  • はじめに [3]
  • 序 民主主義の危機 [17]
  • 第一章 民主主義の「誕生」 [35]
    • 1 なぜ古代ギリシアか [36]
    • 2 アテナイ民主主義の発展 [52]
    • 3 民主主義の批判者たち [68]
  • 第二章 ヨーロッパへの「継承」 [83]
    • 1 西欧における議会制 [84]
    • 2 アメリカ独立の両義性 [97]
    • 3 フランス革命とルソー [111]
  • 第三章 自由主義との「結合」 [127]
    • 1 民主主義と自由主義 [128]
    • 2 トクヴィルの「デモクラシー」 [141]
    • 3 ミルと代議制民主主義 [156]
  • 第四章 民主主義の「実現」 [173]
    • 1 人民投票的民主主義と独裁 [174]
    • 2 エリート民主主義と多元主義 [189]
    • 3 参加と平等の回復を目指して [205]
  • 終章 日本の民主主義 [219]
    • 1 民主主義の成立へ [220]
    • 2 戦後民主主義の行方 [231]
  • 結び 民主主義の未来 [243]
  • おわりに [267]
  • 参考文献 [275]

ヘレナ・ ローゼンブラット『リベラリズム 失われた歴史と現在』(三牧聖子ほか訳、青土社、2020年)

  • 2020年7月22日刊行
  • A5判, 391頁
  • 原著: Helena Rosenblatt, The Lost History of Liberalism: From Ancient Rome to the Twenty-First Century (Princeton University Press, 2018)
  • 訳者: 三牧聖子/川上洋平/古田拓也/長野晃
  • 出版社ページ
  • 書評
    • 石川健治・評(『朝日新聞』2020年10月31日)

目次

  • 日本語版への序文
  • イントロダクション
  • 第一章 リベラルであるとはどんな意味か——キケロからラファイエットまで 
    • 共和主義という出発点——精神的・市民的な理念
    • 中世での再編成 キリスト教化されたリベラル
    • ルネサンスのリベラルアーツ
    • 贈与の政治
    • プロテスタントによる発展
    • アメリカ例外主義とリベラルの伝統
    • トマス・ホッブズとジョン・ロック——それぞれのリベラル
    • 啓蒙主義時代のリベラル
    • 啓蒙主義時代に起きた変化
    • 自由主義神学とリベラルなキリスト教
    • 政治的性質を帯びたリベラルさ
    • リベラルな勅許からリベラルな国制へ
    • アメリカ、世界でもっともリベラルな国
  • 第二章 フランス革命とリベラリズムの起源 一七八九― 一八三〇年 
    • バンジャマン・コンスタンとスタール夫人のリベラルな原理
    • ナポレオン登場
    • リベラルな党派とリベラリズムの誕生
    • 理論化されたリベラリズム
    • 反動に立ち向かうリベラリズム
    • リベラルな反乱主義
    • リベラルな経済的原理
    • リベラルな排除
  • 第三章 リベラリズム、デモクラシー、現れ始めた社会問題 一八三〇― 四八年 
    • リベラルな政府の保守化
    • デモクラシーについてのリベラルたちの見解
    • リベラルと反乱、再び
    • 「社会問題」に直面するリベラル
    • 自由放任とリベラリズム
    • 政府の数々の不可欠な役割
    • 植民地についてのリベラルの見解
    • リベラルの宗教との闘い
    • リベラルな宗教に対する社会主義者の批判
  • 第四章 「徳性」という問い
    • 一八四八年の瓦解
    • 社会主義に対するリベラル派の闘い
    • 退潮と反動
    • ピウス九世
    • 利己主義の問題
    • ブリテンの自由党の発展
    • 自由放任 対 教養
    • 家族の役割
    • 人類教(The Religion of Humanity)
  • 第五章 カエサリズムとリベラル・デモクラシー——ナポレオン三世、リンカン、グラッドストンおよびビスマルク 
    • ナポレオン三世とカエサリズム
    • エイブラハム・リンカンと彼の世界中のリベラル仲間
    • 自由共和党
    • グラッドストン、リベラルの偶像
    • ビスマルク、リベラリズムの墓掘人
  • 第六章 教育を世俗化するための闘い
    • フランスの何がうまくいっていないのか
    • リベラルな公立学校制度
    • 全米リベラル連盟、自由思想および自由恋愛
    • 教皇の逆襲
  • 第七章 二つのリベラリズム——新旧
    • 再想像される国家の役割
    • リベラル・ソーシャリズム
    • 道徳的な生活様式
    • リベラルな優生学
    • 一九世紀の終わりのフェミニズムとリベラリズム
  • 第八章 リベラリズムはアメリカ的信条となった
    • リベラルな帝国
    • アングロサクソン神話の人種化
    • アングロサクソンからアングロアメリカのリベラルな帝国へ
    • 政府介入の問題
  • エピローグ
  • 謝辞
  • 訳者解説——「リベラル」なリベラリズムの再生に向けて
  • 訳者あとがき
  • 原著・日本語訳対応表
  • 索引

蔭山宏『カール・シュミット――ナチスと例外状況の政治学』(中央公論新社、2020年)

目次

  • まえがき――尊敬すべき敵の「魅力」 [i]
  • 序章 シュミットの生涯 [3]
  • 第1章 政治学の基礎概念としての「例外」と「政治的なもの」――『政治神学』『政治的なものの概念』 [17]
  • 第2章 近代的市民の批判――『現代議会主義の精神史的地位』『政治的ロマン主義』 [57]
  • 第3章 ワイマール共和国の崩壊とナチス体制の成立――『独裁』『憲法論』『合法性と正統性』 [105]
  • 第4章 ナチス時代の栄光と失墜――『国家・運動・民族』から『陸と海と』へ [153]
  • 第5章 第二次大戦後における隠遁と復権 [195]
  • 終章 シュミットの思想と学問 [241]
  • あとがき [257]
  • シュミット文献目録 [270]

梅澤佑介『市民の義務としての〈反乱〉――イギリス政治思想史におけるシティズンシップ論の系譜』(慶應義塾大学出版会、2020年)

目次

  • 序章 「歴史の終わり」? ――市民に投与された催眠剤 [1]
  • 第一章 忠実な臣民と知的愛国者――T・H・グリーンの「抵抗の義務」論 [25]
    • 第一節 ヴィクトリア時代の思想状況 [25]
    • 第二節 T・H・グリーンと新たな問題 [36]
  • 第二章 自己統治のパラドックスを超えて――バーナード・ボザンケの「実在意志」論 [73]
    • 第一節 自己統治のパラドックス [78]
    • 第二節 実在意志論 [91]
    • 第三節 シティズンシップと政治参加 [103]
  • 第三章 調和へと進歩する歴史――L・T・ホブハウスの形而上学的国家論批判 [121]
    • 第一節 自由主義的社会主義 [126]
    • 第二節 形而上学的国家論批判 [135]
    • 第三節 客観主義的権利論と進歩の形而上学 [147]
  • 第四章 思慮なき服従と反乱の義務――ハロルド・ラスキの多元的国家論 [167]
    • 第一節 国家主権論批判 [172]
    • 第二節 自由論の哲学的前提とペシミスティックな権力観 [185]
    • 第三節 調整権威としての国家 [211]
  • 第五章 階級なき社会を目指して――ハロルド・ラスキの唯物史観批判 [231]
    • 第一節 多元的国家論の自己批判 [235]
    • 第二節 三〇年代における多元的国家論の位置づけ [243]
    • 第三節 マルクス主義受容と「思慮なき服従」論の展開 [247]
    • 第四節 唯物史観批判とユートピア批判 [260]
  • 第六章 自発性を計画する――ハロルド・ラスキの「計画民主主義」論 [271]
    • 第一節 同意による革命 [275]
    • 第二節 計画民主主義 [283]
  • 終章 シティズンシップの終わるとき [303]
  • あとがき [315]
  • 参考文献一覧 [7]
  • 事項索引
  • 人名索引

野口雅弘『マックス・ウェーバー――近代と格闘した思想家』(中央公論新社、2020年)

目次

  • 第1章 政治家の父とユグノーの家系の母――ファミリーヒストリー
  • 第2章 修学時代――法学とパラサイト
  • 第3章 自己分析としてのプロテスタンティズム研究――病気と方法論と資本主義
  • 第4章 戦争と革命――暴力装置とプロパガンダと「官僚の独裁」
  • 第5章 世界宗教を比較する――音楽社会学とオリエンタリズム
  • 第6章 反動の予言――ウェーバーとナチズム
  • 終章 マックス・ウェーバーの日本――「ヨーロッパ近代」のロスト・イン・トランスレーション

今野元『マックス・ヴェーバー――主体的人間の悲喜劇』(岩波書店、2020年)

目次

  • はじめに――「闘争」の政治学
  • 第一章 主体的人間への成長 一八六四‐一八九二年
    • 1 絶頂の西洋・勃興するドイツでの誕生
    • 2 自由主義政治家の家庭での生活
    • 3 プロテスタント世界での知的冒険
    • 4 学校での精神的・身体的成長
    • 5 プロイセン軍での鍛錬
  • 第二章 社会ダーウィニズムへの傾倒 一八九二-一九〇四年
    • 1 法学博士号・教授資格の取得
    • 2 ドイツ東部農業論からポーランド人労働者排除論へ
    • 3 法学から経済学への重心移動
    • 4 フライブルク講演『国民国家と経済政策』
    • 5 ハイデルベルクでの変調と教職からの早期引退
  • 第三章 ドイツ社会への苛立ち 一九〇四-一九一四年
    • 1 アメリカ旅行でのドイツ人意識の強化
    • 2 禁欲的プロテスタンティズムの分析
    • 3 人種論への更なる興味
    • 4 「市民層の封建化」批判
    • 5 「官僚制」批判
    • 6 学問のあり方をめぐる論争
    • 7 ロシア自由主義派への愛憎
    • 8 西洋近代から見た普遍史の展望
    • 9 「ハイデルベルクのミュトス」と相次ぐ紛争
  • 第四章 ドイツの名誉のための闘い 一九一四-一九二〇年
    • 1 世界大戦とドイツ文化の自己保存
    • 2 戦争遂行のための内政改革構想
    • 3 ドイツの道義的糾弾への抗議
    • 4 国民国家再建のための共和国制構想
    • 5 ミュンヒェンでの一瞬の輝き
  • 終章 マックス・ヴェーバーとアドルフ・ヒトラー
  • おわりに ヴェーバー研究の伝記論的転回
  • 主要文献一覧
  • 図版出典一覧
  • マックス・ヴェーバー略年譜

コンスタン『近代人の自由と古代人の自由 征服の精神と簒奪 他一篇』(堤林剣/堤林恵訳、岩波書店、2020年)

目次

  • 凡例 [3]
  • 近代人の自由と古代人の自由 [13]
  • 征服の精神と簒奪 [53]
  • 第一部 征服の精神について [63]
  • 第二部 簒奪について [129]
  • 人類の改善可能性について [301]
  • 訳註 [331]
  • 訳者解説 [355]