坂口安紀『ベネズエラ――溶解する民主主義、破綻する経済』(中央公論新社、2021年) 中公選書 115 2021年1月8日刊行 四六判, 304頁 出版社ページ 目次 プロローグ 第1章 チャベスと「ボリバル革命」 第2章 チャベスなきチャビスモ、マドゥロ政権 第3章 革命の主人公たち 第4章 ボリバル革命と民主主義 第5章 国家経済の衰亡 第6章 石油大国の凋落 第7章 社会開発の幻想 第8章 国際社会のなかのチャビスモ エピローグ
岡山裕『アメリカの政党政治――建国から250年の軌跡』(中央公論新社、2020年) 中公新書 2611 2020年10月21日刊行 新書判, 288頁 出版社ページ 目次 はしがき [i] 序章 政治を緩やかに覆うアメリカの政党 [3] 第1章 反政党の時代――アメリカ革命~一八二〇年代 [31] 1 党派対立の原点――合衆国憲法制定をめぐって [31] 2 始動する党派政治――連邦派と共和派の争い [40] 3 共和派の一党支配――「好感情の時代」の内部対立 [50] 第2章 政党政治の本格化――ジャクソン政権期~再建期 [59] 1 全国規模の二大政党制へ――民主党・ホイッグ党の登場 [59] 2 「政党の時代」の始まり――社会生活に浸透する二大政党 [70] 3 奴隷制をめぐる南北対立――民主・共和の二大政党制へ [80] 第3章 現代社会への適応――南北戦争後~一九三〇年代 [97] 1 戦後秩序の模索――二大政党の拮抗と第三党からの挑戦 [97] 2 革新主義の政治――二大政党の「公式の制度」化 [110] 3 現代政党政治の到来とニューディール [122] 第4章 リベラル優位の時代――戦後~一九七〇年代 1 多様性を抱える二大政党の競争と協調 [137] 2 転換期の一九六〇年代――ケネディ~ニクソン政権期 [148] 3 イデオロギー的分極化の始まり [160] 第5章 分極化の時代――一九八〇年代~オバマ政権期 [179] 1 攻勢を強める保守派――分極化の顕在化と拡大 [179] 2 「決められない政治」への道 [191] 3 まとまりない二大政党の対決政治 [210] 終章 アメリカ政治は多数決主義に向かうのか [223] あとがき [246] 参考文献 [263] 付録 連邦議会の政党・党派別議席分布/大統領の所属政党・党派、1789~2019年 [268]
末近浩太『中東政治入門』(筑摩書房、2020年) ちくま新書 1514 2020年9月7日刊行 新書判, 336頁 出版社ページ 目次 第1章 国家――なぜ中東諸国は生まれたのか 第2章 独裁――なぜ民主化が進まないのか 第3章 紛争――なぜ戦争や内戦が起こるのか 第4章 石油――なぜ経済発展がうまくいかないのか 第5章 宗教――なぜ世俗化が進まないのか 終章 国際政治のなかの中東政治
外山文子『タイ民主化と憲法改革――立憲主義は民主主義を救ったか』(京都大学学術出版会、2020年) 地域研究叢書 39 2020年1月20日刊行 392頁 出版社ページ 目次 プロローグ 民主主義への不信感は民主主義の限界なのか? 序章 タイ民主化を問う意義 1 なぜ今,民主化が問われるのか 2 理論的視座――立憲主義への再注目と政治の司法化 3 立憲主義と民主主義:タイ公法学者の論争 第1部 1990年代以降の憲法改革:契機と意図 第1章 二つの憲法――1997年憲法と2007年憲法 1 タイ民主化と憲法の歴史――1932年立憲革命から1991年クーデタ 2 憲法改革の起点――争点の変化 3 1997年“人民”憲法制定の背景と理念 4 2006年クーデタと2007年憲法制定 5 1997年憲法と2007年憲法――民主化と非民主化? 第2章 政治改革運動再考――タイ「立憲主義」とは何か 1 アモーンの「立憲主義」 2 民主主義発展委員会の構想 3 1997年憲法起草委員会 4 2007年憲法起草委員会 5 大衆への恐怖と憲法擁護規定 第2部 憲法改革と民選権力 第3章 憲法改革と執政権――タイ憲法における“国の基本政策方針”の政治的意味 1 タイ国内における「国の基本政策方針」に関する議論 2 タイ憲法における「国の基本政策方針」の変遷 3 内閣(執政権)への影響―施政方針演説の変化 4 タイ憲法「国の基本政策方針」の特徴 5 民主主義を抑え込むタイ立憲主義 第4章 憲法改革と立法権――抑え込まれるタイ立法権 選挙制度改革の分析 1 1991年憲法の改正:選挙制度改革の始まり 2 1997年憲法・2007年憲法による選挙制度改革 3 1998年政党法・2007年政党法の特徴 4 1998年選挙法と2007年選挙法の特徴 5 選挙制度改革がもたらした結果 6 政党と選挙を破壊する法改正 第3部 憲法改革と非民選権力 第5章 憲法改革と汚職取締り――汚職の創造:法規定と政治家批判 1 汚職の法的定義の変遷 2 汚職取締り状況と問題点――資産負債虚偽報告 3 汚職取締り状況と問題点――利益相反 4 汚職の「可能性」による取締り 第6章 憲法改革と司法権――憲法裁判所と憲法に基づく独立機関の制度的問題 1 機関設立の経緯と制度改正 2 1997年憲法――独立機関パッケージの登場 3 2007年憲法――独立機関パッケージの強化・拡大 4 憲法裁判所・独立機関に対する検査 5 憲法裁判所・独立機関による取締り 6 裁定の中立性・公正性 7 独立機関パッケージと「法による独裁」 第7章 憲法改革と「非民選」立法権――2007年憲法と上院 その新たなる使命 1 上院議員の人選制度 2 上院議員選挙および任命の結果分析 3 上院の権限の変化 4 憲法改正をめぐる争い 5 憲法裁判所判決と2014年クーデタ 終章 タイ民主化と憲法改革 1 タイ国民に与えた影響 2 二つの憲法への評価とタックシン 3 タイ民主主義と国王 4 得をしたのは誰か 5 タイ「立憲主義」「法の支配」の民主化への影響 エピローグ 2017年憲法を巡る攻防とタイ民主化の未来 1 新憲法起草の目的 2 二つの憲法草案の比較 3 国民投票とワチラーロンコーン国王による修正指示 あとがき 初出一覧 参考文献
小泉悠『「帝国」ロシアの地政学――「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(東京堂出版、2019年) 2019年6月25日刊行 四六判, 292頁 出版社ページ 受賞 サントリー学芸賞 2019年 社会・風俗部門 目次 はじめに――交錯するロシアの東西 第1章 「ロシア」とはどこまでか――ソ連崩壊後のロシアをめぐる地政学 第2章 「主権」と「勢力圏」――ロシアの秩序観 第3章 「占領」の風景――グルジアとバルト三国 第4章 ロシアの「勢力圏」とウクライナ危機 第5章 砂漠の赤い星――中東におけるロシアの復活 第6章 北方領土をめぐる日米中露の四角形 第7章 新たな地政的正面 北極 おわりに――巨人の見る夢
増原綾子/鈴木絢女/片岡樹/宮脇聡史/古屋博子『はじめての東南アジア政治』(有斐閣、2018年) 有斐閣ストゥディア 2018年11月28日刊行 A5判並製, 324頁 出版社ページ 目次 第1部 各国政治史 第1章 国民国家以前の東南アジア 第2章 マレーシア,シンガポール,ブルネイ 第3章 フィリピン 第4章 インドネシア,東ティモール 第5章 タイ 第6章 ミャンマー 第7章 ベトナム,ラオス,カンボジア 第2部 比較政治 第8章 国民国家建設 第9章 政治体制と体制変動 第10章 成長・分配 第11章 模索する民主主義 第3部 国際政治 第12章 国際関係の中の東南アジア 第13章 地域統合とASEAN 第14章 国境を越える人々 終章 日本と東南アジア
清水一史/田村慶子/横山豪志(編)『東南アジア現代政治入門』改訂版(ミネルヴァ書房、2018年) 2018年4月30日刊行 A5版, 330頁 出版社ページ 初版(2011年3月) 目次 改訂版へのはしがき 序章 東南アジアを学ぶあなたへ(田村慶子) 1 欧米の植民地支配以前の東南アジア 2 近代国民国家の建設 コラム 知っているようで知らない? 東南アジアの人々の名前 第1章 インドネシア――「多様性の中の統一」を目指して(横山豪志) 1独立への道のり 2 議会制民主主義期 3 指導される民主主義期 4 新秩序期 5 改革の時代 コラム 地震大国インドネシアの復興支援活動 第2章 マレーシア――「民族の政治」に基づく民主主義(篠崎香織) 1 マレーシア政治の特徴 2 民族別政党の形成 3 「民族の政治」の拡大と行き詰まり 4 「民族の政治」の仕切り直し 5 「民族の政治」とアイデンティティー 6 「ポリティカル・ツナミ」 7 「民族の政治」の行方 コラム 「もう1つのマレーシア」とヤスミン・アフマド監督作品 第3章 フィリピン――「争われる民主主義」の挑戦(日下渉) 1 植民地主義下の国家建設と国民形成 2 エリート支配の確立と動揺 3 豊かさを模索する政治の試練 4 市民と家父長のナショナリズム 5 「争われる民主主義」の挑戦 コラム 都市貧困層の視点から見たフィリピン政治 第4章 シンガポール――「超管理国家」の繁栄とジレンマ(田村慶子) 1 ラッフルズによる建設と植民地支配の「遺産」 2 突然の独立へ 3 新たなる国民国家の創造 4 進まない民主化 5 シンガポールは何処へ コラム 活発化するNGO活動 第5章 タイ――「国王を元首とする民主主義」国家(永井史男) 1 タイ政治をどう理解するか 2 「官僚政体」下のタイ政治 3 タイ政治の多元化 4 アジア経済危機後のタイ政治 コラム 地方分権と社会福祉 第6章 ベトナム――社会主義国家の生きる道(遠藤聡) 1 国民国家建設の過程 2 「戦争の国」から「平和な国」へ 3 ベトナムの社会主義 4 現代ベトナムにおける展望と課題 コラム 投票率99%の民主主義 第7章 ラオス――成熟する人民革命党支配(山田紀彦) 1 独立闘争とラオス人民民主共和国の誕生 2 戦後復興と国家の土台作り 3 進む経済開発 4 人民革命党による体制維持戦略 コラム 村長選挙の実態 第8章 カンボジア――内戦の傷痕,復興の明暗(笹川秀夫) 1 独立への道程 2 サンクム時代(シハヌーク時代)のカンボジア 3 内戦と民主カンプチアによる圧政 4 新王国の成立と復興・開発 コラム アンコール遺跡の観光開発をめぐる政治 第9章 ミャンマー――人間関係で動く政治のジレンマ(伊野憲治) 1 ミャンマーの独立とアウンサン 2 ネーウィン体制下のミャンマー 3 民主化運動と軍政の再登場 コラム 人々にとってのアウンサンスーチー 第10章 ブルネイ――現代における絶対君主制国家の安定と改革(金子芳樹) 1 国家形成の過程――伝統的統治と西欧型制度の狭間で 2 政治体制と権力構造――国王(スルタン)専制の基盤 3 安定を支える国家・社会関係 4 政治改革のかすかな兆し――「上からのレフォルマシ」 5 急がれる経済改革,進まない民主化 コラム 現代に生きる「王様の中の王様」はジーンズ姿で国内行脚 第11章 東ティモール――21世紀最初の独立国家(山田満) 1 独立獲得までの闘争史 2 フレテリン主導の国家建設 3 グスマン連立政権の政策 4 「紛争から繁栄へ」――開発重視に移行する東ティモール コラム 東ティモールの3人の政治指導者とポルトガル語公用語化問題 第12章 ASEAN――世界政治経済の構造変化と地域協力の深化(清水一史) 1 ASEANの設立と協力の過程 2 冷戦構造の変化とアジア経済危機 3 ASEAN共同体への道 4 世界金融危機後の変化とASEAN 5 2015年末のAEC創設と新たな目標「AEC2025」 6 ASEANの課題 コラム ASEAN憲章とASEANのアイデンティティー あとがき 東南アジア関連年表 索 引
仙石学 (編) 『脱新自由主義の時代? ――新しい政治経済秩序の模索』(京都大学学術出版会、2017年) 地域研究のフロンティア 6 2017年4月12日刊行 202頁 出版社ページ 目次 はしがき 序章 「ネオリベラリズム」の後にくるもの(仙石学) Ⅰ なぜいま再び「ネオリベラリズム」なのか——経済の選択と政治の選択 Ⅱ 新興民主主義諸国における「ネオリベラリズム」後の「ネオリベラリズム」? Ⅲ 本書の構成 第1章 「ポストネオリベラル」期の年金制度? ——東欧諸国における多柱型年金制度の再改革(仙石学) Ⅰ 東欧諸国における年金制度の再改編——「ポスト」ネオリベラル型の年金制度? Ⅱ 第2次年金制度改編の背景と方向性 Ⅲ 基金型年金制度とリベラル系政党の対応 Ⅳ 「ポストネオリベラリズム期」における混迷? 第2章 危機意識に支えられるエストニアの「ネオリベラリズム」(小森宏美) Ⅰ 依然として「ネオリベラリズム」なのか? Ⅱ 改革党の躍進とその全盛期 Ⅲ エストニア政治の不安的な側面 Ⅳ 限られた選択肢の中での安定 第3章 ネオリベラリズムと社会的投資——チェコ共和国における家族政策,教育政策改革への影響とその限界(中田瑞穂) Ⅰ ネオリベラリズム,社会的投資戦略に基づく社会改革の試みと限界 Ⅱ チェコの家族政策・教育政策 Ⅲ EUのリスボン戦略とOECD Ⅳ EU加盟以降の改革の試みと政党間対立 Ⅴ ハイブリッドレジームにおける歴史の呪縛 第4章 スペイン・ポルトガルにおける新自由主義の「奇妙な不死」——民主化と欧州化の政策遺産とその変容(横田正顕) Ⅰ 新自由主義の強靭性 Ⅱ 政党間競争のダイナミクス Ⅲ 新自由主義的欧州の中のスペイン・ポルトガル Ⅳ 危機の政治的帰結 Ⅴ 新自由主義の「再埋め込み」? 第5章 ラテンアメリカ穏健左派支持における経済投票——ウルグアイの拡大戦線の事例(出岡直也) Ⅰ 「ポストネオリベラル」期ラテンアメリカにおけるネオリベラル的政策の連続・逆転を決めるものとしての経済投票? Ⅱ ウルグアイの事例の意味 Ⅲ ウルグアイにおける左派政権成立・維持の経緯,および,説明されるべき選挙結果 Ⅳ 拡大戦線票に関連する先行研究からの考察 Ⅴ 2001年と2008年のサーベイ・データによる拡大戦線票の分析 Ⅵ 結論と含意 第6章 ポスト新自由主義期ラテンアメリカの「右旋回」——ペルーとホンジュラスの事例から(村上勇介) Ⅰ ポスト新自由主義段階にあるラテンアメリカ Ⅱ ペルーの「急進左派」勢力の台頭と政権の軌跡 Ⅲ 「右旋回」の構造的背景 Ⅳ ホンジュラスの事例 Ⅴ ポスト新自由主義期の「右旋回」の構造的な背景 索引
清水一史/田村慶子/横山豪志(編)『東南アジア現代政治入門』(ミネルヴァ書房、2011年) コメントを残す 2011年3月1日刊行 出版社ページ 改訂版(2018年4月) 目次 序章 東南アジアを学ぶあなたへ(田村慶子) 第1章 インドネシア――「多様性の中の統一」を目指して(横山豪志) 第2章 マレーシア――「民族の政治」に基づく民主主義(篠崎香織) 第3章 フィリピン――「争われる民主主義」の挑戦(日下渉) 第4章 シンガポール――「超管理国家」の繁栄とジレンマ(田村慶子) 第5章 タ イ――「国王を元首とする民主主義」国家(永井史男) 第6章 ベトナム――社会主義国家の生きる道(遠藤聡) 第7章 ラオス――成熟する人民革命党支配(山田紀彦) 第8章 カンボジア――内戦の傷痕、復興の明暗(笹川秀夫) 第9章 ミャンマー――人間関係で動く政治のジレンマ(伊野憲治) 第10章 東ティモール――21世紀最初の独立国家(山田満) 第11章 ASEAN――世界政治経済の構造変化と地域協力の深化(清水一史)