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西谷真規子/山田高敬 (編) 『新時代のグローバル・ガバナンス論――制度・過程・行為主体』(ミネルヴァ書房、2021年)

目次

  • はしがき
  • 序章 現代グローバル・ガバナンスの特徴――多主体性,多争点性,多層性,多中心性(西谷真規子)
    • 1 グローバル・ガバナンス論の系譜
    • 2 ウェストファリア体制の変容と現代グローバル・ガバナンスの課題
    • 3 本書の構成
  • 第I部 行為主体
    • 第1章 国際機構――グローバル・ガバナンスの担い手?(山田哲也)
      • 1 国際社会と国際機構
      • 2 国際機構の特徴
      • 3 国際機構の正統性問題
      • 4 国際機構を通じた規範形成
      • 5 国際機構を問う意義
    • 第2章 地域機構――グローバル・ガバナンスとの関係性をめぐる3つのイメージ(渡邉智明)
      • 1 地域機構とグローバル・ガバナンス
      • 2 加盟国の利益集合体としての地域機構
      • 3 グローバル・ガバナンスの担い手としての地域機構
      • 4 規範に関わるエージェントとしての地域機構
      • 5 グローバル・ガバナンスの「深化」と地域機構の可能性
    • 第3章 専門家――知識と政治の相克(山田高敬)
      • 1 国際政治と知識
      • 2 グローバル・ガバナンスの基盤としての知識
      • 3 知識共同体の役割
      • 4 気候変動問題における知識共同体の役割
      • 5 知識共同体論の今後の展開に向けて
    • 第4章 NGO・社会運動――「下から」のグローバル・ガバナンスを目指して(上村雄彦)
      • 1 NGOの定義,起源,種類とその台頭
      • 2 分析枠組
      • 3 パートナーシップ型アプローチ――気候変動の事例
      • 4 パートナーシップ型アプローチ――対人地雷の例
      • 5 社会運動型アプローチ
      • 6 NGOがグローバル・ガバナンスに与える影響と今後
    • 第5章 企業――グローバル化の中の企業行動の光と影(梅田徹)
      • 1 企業とは何か
      • 2 多国籍企業の論点
      • 3 多国籍企業の行動規制の動き
      • 4 多国籍企業とガバナンス・ギャップ
  • 第II部 制度と過程
    • 第6章 国際レジーム論の系譜――統合から分散へ(山田高敬)
      • 1 国際政治学と国際レジーム論
      • 2 国際レジームと国際秩序
      • 3 多国間主義の危機とプライベート・レジームの台頭
      • 4 グローバル・イシューの多面性とレジーム・コンプレックスの台頭
      • 5 国際レジームの今後の展開
    • 第7章 国際関係の法化,ソフト・ロー,プライベート・スタンダード――ガバナンス手段の多様化(内記香子)
      • 1 国際関係の法化
      • 2 国際関係とソフト・ロー研究
      • 3 国際関係におけるプライベート・スタンダードの拡散
      • 4 ガバナンス手段の多様化の時代
    • 第8章 ガバナンス・モード――グローバル・ガバナンスの変容(西谷真規子)
      • 1 国家性,包摂性,委譲性による分類
      • 2 直接性/間接性とハード/ソフトな手法による分類
      • 3 間接的ガバナンスにおける能力と統制の緊張関係
      • 4 多中心的ガバナンス
      • 5 「機構」から「機能」へ,フォーマルからインフォーマルへ
    • 第9章 ネットワーク――ネットワーク化したガバナンスの特徴と課題(西谷真規子)
      • 1 ネットワークの定義と類型
      • 2 ネットワークの対外関係とネットワーク内政治過程
      • 3 グローバル・ガバナンスにおけるネットワークの課題
    • 第10章 ガバナンスの正統性――正統化の政治と動態(西谷真規子)
      • 1 グローバル・ガバナンスの正統性問題
      • 2 正統性の動態
      • 3 グローバル・ガバナーの正統性
  • 第III部 グローバル・ガバナンスの現状
    • 第11章 国際開発――新興国の台頭とガバナンス構造の変動(小川裕子)
      • 1 「ポスト貧困削減ガバナンス」の胎動
      • 2 ガバナンス境界の消滅――DAC
      • 3 新ガバナンスの誕生? ――AIIB
      • 4 ガバナンスの複合化――SDGs
      • 5 国際開発ガバナンスの構造変動
    • 第12章 人権(労働者,女性,子ども)――人権規範の浸透と多中心化・多争点化するガバナンス(赤星聖)
      • 1 グローバル・ガバナンスと人権
      • 2 人権ガバナンスの近年の展開――労働者,女性,子ども
      • 3 人身取引をめぐるガバナンス――労働者・女性・子どもを横断するイシュー
      • 4 実効性のある人権ガバナンスのために
    • 第13章 移民・難民――複雑化する移動とガバナンスの変化(中山裕美)
      • 1 人の移動を扱うガバナンスの起源
      • 2 複合的な難民ガバナンスへの発展
      • 3 重層化する移民ガバナンス
      • 4 曖昧化する「難民」と「移民」の境界と岐路を迎えたガバナンスの行方
    • 第14章 腐敗防止――多中心化と大衆化(西谷真規子)
      • 1 腐敗防止グローバル・ガバナンスの特徴
      • 2 多層的レジーム複合体
      • 3 ネットワーク化したガバナンスによる調和化と複合化
      • 4 大衆化と周縁化
      • 5 腐敗防止ガバナンスの課題
    • 第15章 保健医療――保健ガバナンスの構造と課題(詫摩佳代)
      • 1 保健ガバナンスとは何か
      • 2 保健ガバナンスの牽引役としてのWHO
      • 3 多様な保健課題とアクターの協調・競合
      • 4 国際保健からグローバル・ヘルスへ
      • 5 保健ガバナンスの課題
    • 第16章 知的財産権の保護――模倣防止と利用促進の狭間で揺れる国際社会(西村もも子)
      • 1 プロ・パテント,アンチ・パテント,そしてその後
      • 2 アンチ・パテントの台頭とその影響
      • 3 知的財産権をめぐるガバナンスの現状
    • 第17章 企業の社会的責任――ステークホルダーの拡大と協働が進めるサステナビリティ対応(藤井敏彦)
      • 1 企業の社会的責任(CSR)論をめぐる構造変化
      • 2 環境
      • 3 人権サプライチェーンとマルチステークホルダー苦情処理
      • 4 金融の役割の増大
      • 5 グローバル・ガバナンスの変化とCSR
    • 第18章 グローバル・タックスーー地球規模課題解決のための革新的構想(上村雄彦)
      • 1 グローバル・タックスとは何か
      • 2 第1の柱――世界の税務当局による課税に関する情報の共有
      • 3 第2の柱――国境を越えた革新的な課税の実施
      • 4 業界と所管省庁の抵抗
      • 5 グローバル・タックス実現に向けての最大の課題
    • 第19章 貿易――問題の多様化と利害の交錯(鈴木一敏)
      • 1 貿易分野におけるガバナンスの変化
      • 2 問題領域の拡大と複合性
      • 3 貿易ガバナンスの現在と今後
    • 第20章 気候変動――経済・安全保障を巻き込むグローバルな課題(石垣友明)
      • 1 国連気候変動枠組条約と京都議定書の概要
      • 2 パリ協定の概要
      • 3 気候変動問題と他の規範との関係
      • 4 ルール形成に関与する幅広いアクターとその特徴
    • 第21章 天然資源(森林,水産資源)――複合的ガバナンスの取り組み(阪口功)
      • 1 森林と水産資源の現状
      • 2 財の性質から見た森林と水産資源の管理
      • 3 森林と水産資源のレジーム・コンプレックスの形成
      • 4 プライベート・レジームによる資源管理の推進
      • 5 途上国時代の複合的ガバナンスの課題
    • 第22章 海洋――変貌する公海自由原則と領域的アプローチ(都留康子)
      • 1 生命の源としての海
      • 2 国連海洋法条約と領域的アプローチ
      • 3 海洋環境の保護と海洋法
      • 4 新たな実施協定BBNJ交渉の動向と課題
      • 5 海洋ガバナンスの今後の課題
    • 第23章 軍縮・不拡散および戦略物資規制――理念とパワーバランスが交錯するルール(石垣友明)
      • 1 国連の下での軍縮・不拡散の基本的な枠組み
      • 2 核軍縮・WMDの不拡散に関する主な枠組み
      • 3 通常兵器の規制をめぐる国際的な議論
      • 4 様々なアクターの関与した複層的なルール形成の特徴
    • 第24章 サイバースペース――深刻化するセキュリティと決定力を欠くガバナンス(土屋大洋)
      • 1 拡大するサイバースペース
      • 2 1990年代以前の牧歌的な時代
      • 3 2000年代の政治的な論争の時代
      • 4 2010年代以降の安全保障上の懸念が高まる時代
      • 5 決定力を欠くガバナンス
  • 人名索引
  • 事項索引

スティーヴン・D. クラズナー (編) 『国際レジーム』(河野勝監訳、勁草書房、2020年)

  • 2020年10月30日刊行
  • A5判, 480頁
  • 原著: Stephen D. Krasner ed. International Regimes (Cornell University Press, 1983)
  • 出版社ページ

目次

  • ポリティカル・サイエンス・クラシックス 刊行にあたって
  • 日本語版への序文
  • 第I部 概説
    • 第1章 構造的原因とレジームの結果:媒介変数としてのレジーム(スティーヴン・D. クラズナー)
      • 1.レジームとレジーム変化の定義
      • 2.レジームは重要か?
      • 3.レジームの発展の説明
      • 4.結論
    • 第2章 言葉は人を傷つける:レジームについて誰が誰に何を語ったか(アーンスト・B. ハース)
      • 1.レジーム研究の知的設定
      • 2.レジームと有機的メタファー
      • 3.レジームと機械的メタファー
      • 4.進化論的シンセシス?
  • 第II部 グロチウス主義の見方
    • 第3章 国際レジーム:帰納的分析からの教訓(ドナルド・J. プッチャーラ/レイモンド・F. ホプキンス)
      • 1.比較研究にとって重要なレジームの区別
      • 2.植民地主義レジーム,1870~1914年
      • 3.食糧レジーム,1949~1980年
      • 4.結論
    • 第4章 レジームのダイナミクス:国際レジームの出現と崩壊(オラン・R. ヤング)
      • 1.人間が作り出した産物としてのレジーム
      • 2.レジームの形成
      • 3.レジームの変容
      • 4.結論
  • 第III部 構造主義の見方
    • 第5章 調整と協力:アナーキーな世界におけるレジーム(アーサー・A. スタイン)
      • 1.アナーキーとレジーム
      • 2.協力と調整
      • 3.レジームと利害
      • 4.結論
    • 第6章 国際レジームに対する需要(ロバート・O. コヘイン)
      • 1.システム制約-選択分析:長所と限界
      • 2.国際レジームの文脈と機能
      • 3.国際レジームの需要理論の諸要素
      • 4.国際レジームにおける情報,公開性,およびコミュニケーション
      • 5.不確実性への対処:保険としてのレジーム
      • 6.結論
  • 第IV部 事例
    • 第7章 安全保障レジーム(ロバート・ジャーヴィス)
      • 1.なぜ安全保障は異なるのか
      • 2.安全保障レジームの形成条件
      • 3.安全保障レジームとしてのヨーロッパ協調
      • 4.勢力均衡
      • 5.戦後の安全保障
      • 6.結論
    • 第8章 国際レジーム,取引,そして変化:戦後経済秩序に埋め込まれた自由主義(ジョン・ジェラルド・ラギー)
      • 1.国際的権威の構造
      • 2.埋め込まれた自由主義という妥協
      • 3.補完的な取引の流れ
      • 4.規範支配型変化
      • 5.歪み,矛盾,そして展望
    • 第9章 貿易のトランスフォーメーション:レジーム変化の源泉と効果(チャールズ・リプソン)
      • 1.今日の貿易レジームはどれほど自由主義的か
      • 2.レジーム変化の説明
      • 3.貿易レジームのインパクト
      • 4.結論
    • 第10章 GATTと貿易障壁規制:レジームのダイナミクスと機能(ジョック・A. フィンレイソン/マーク・W. ザッカー)
      • 1.レジームのダイナミクス:枠組みとプログラムの進化
      • 2.GATTレジームの機能
    • 第11章 国際収支のファイナンシング:レジームの進化(ベンジャミン・J. コーエン)
      • 1.ファイナンシングの役割
      • 2.ブレトンウッズ体制
      • 3.レジームの進化
      • 4.レジームと行動の関係
      • 5.レジームの管轄区域
  • 第V部 反対と賛成,それぞれの結論
    • 第12章 気をつけろ,ドラゴンがいるぞ!:レジーム分析への批判(スーザン・ストレンジ)
      • 1.レジーム概念に関する5つの批判
      • 2.より良い代替案の概要
    • 第13章 レジームとリアリズムの限界:自律変数としてのレジーム(スティーヴン・D. クラズナー)
      • 1.リアリズムの2つの見方:ビリヤードボールと構造プレート
      • 2.レジームの自律性:ラグとフィードバック
      • 3.結論
  • 監訳者あとがき
  • 索引
  • 著者・訳者紹介

板倉孝信『ポスト財政=軍事国家としての近代英国』(晃洋書房、2020年)

目次

  • 序章 財政=軍事国家としての近世英国の黄昏
    • 第1節 国債から増税へ―戦費調達手段の転換
    • 第2節 反革命戦争期の戦時財政に対する評価
    • 第3節 納税者視点に基づく財政請願運動への注目
    • 第4節 反革命戦争期の請願運動の分析手法
  • 第I部 18・19世紀の転換期における財政請願運動の変化
    • 第1章 請願者としての「アッパーミドル」の範囲規定
      • 第1節 「アッパーミドル」に関する前提
      • 第2節 「アッパーミドル」の定義の揺らぎ
      • 第3節 世紀転換期における請願運動の傾向
      • 第4節 下位ジェントリと「アッパーミドル」
      • 第5節 上位商業利益と「アッパーミドル」
      • 第6節 「アッパーミドル」外部の上下階層
      • 第7節 「アッパーミドル」に関する総括
    • 第2章 反革命戦争期の財政請願運動の階層・地域的拡大
      • 第1節 請願参加の階層・地域に関する前提
      • 第2節 財政請願運動への参加階層の変化
      • 第3節 参加階層に関する新聞史料の傾向
      • 第4節 階層的拡大による所得税論争への影響
      • 第5節 財政請願運動への参加地域の変化
      • 第6節 参加地域に関する新聞史料の傾向
      • 第7節 地域的拡大による所得税論争への影響
      • 第8節 階層・地域的拡大に関する総括
    • 第3章 反革命戦争前後における財政請願運動の比較
      • 第1節 請願運動の比較分析に関する前提
      • 第2節 議会審議における請願紹介の傾向分析
      • 第3節 請願紹介の事例提示(反革命戦争前)
      • 第4節 請願紹介の事例提示(所得税廃止論争)
      • 第5節 請願紹介の事例提示(反革命戦争後)
      • 第6節 請願運動に関する地方都市での動向
      • 第7節 請願運動の比較分析に関する総括
  • 第II部 反革命戦争期における財政請願運動の発展過程
    • 第4章 国債発行への依存と請願運動の停滞(戦争前期)
      • 第1節 英国の国際・国内環境(戦争前期)
      • 第2節 請願集会の事例検討(戦争前期)
      • 第3節 請願文書の事例検討(戦争前期)
      • 第4節 請願紹介の事例検討(戦争前期)
      • 第5節 財政請願運動の評価(戦争前期)
    • 第5章 戦時所得税の導入と請願運動の拡大(戦争中期)
      • 第1節 英国の国際・国内環境(戦争中期)
      • 第2節 請願集会の事例検討(戦争中期)
      • 第3節 請願文書の事例検討(戦争中期)
      • 第4節 請願紹介の事例検討(戦争中期)
      • 第5節 財政請願運動の評価(戦争中期)
    • 第6章 戦時増税の定着と請願運動の進化(戦争後期)
      • 第1節 英国の国際・国内環境(戦争後期)
      • 第2節 請願集会の事例検討(戦争後期)
      • 第3節 請願文書の事例検討(戦争後期)
      • 第4節 請願紹介の事例検討(戦争後期)
      • 第5節 財政請願運動の評価(戦争後期)
  • 第III部 所得税廃止論争における財政請願運動の展開
    • 第7章 1815年と1816年の所得税廃止論争の比較
      • 第1節 1815年論争と1816年論争の前提
      • 第2節 論争の時期・地域的展開(1815年)
      • 第3節 論争の党派・政策的展開(1815年)
      • 第4節 所得税単年度延長の実現(1815年)
      • 第5節 論争の時期・地域的展開(1816年)
      • 第6節 論争の党派・政策的展開(1816年)
      • 第7節 所得税平時恒久化の挫折(1816年)
      • 第8節 1815年論争と1816年論争の比較
    • 第8章 所得税廃止運動と麦芽税廃止運動の相互協力
      • 第1節 両税廃止運動に関する前提
      • 第2節 農業利益による戦後減税運動の着手
      • 第3節 野党による両税廃止運動の融合
      • 第4節 与党による両税廃止運動の分離
      • 第5節 麦芽税延長断念による与党巻き返し
      • 第6節 野党による財政改革要求の継続
      • 第7節 両税廃止運動に関する総括
    • 第9章 所得税査定帳簿の分析から見た納税者の不満
      • 第1節 所得税査定帳簿分析に関する前提
      • 第2節 小ピット型所得税の帳簿分析(1799~1801年)
      • 第3節 アディントン型所得税の帳簿分析(1803~05年)
      • 第4節 ペティ型所得税の帳簿分析(1806~15年)
      • 第5節 所得税査定帳簿分析に関する総括
  • 終章 ポスト財政=軍事国家としての近代英国の黎明
    • 第1節 戦時請願運動の発展と戦後への影響
    • 第2節 減税要求による小さな政府への転換
    • 第3節 新たな課題――財政=外交ジレンマの発生

政所大輔『保護する責任――変容する主権と人道の国際規範』(勁草書房、2020年)

目次

  • 序章 規範としての保護する責任
    • 1 問題の所在
    • 2 先行研究の検討と本書の目的
    • 3 本書の意義と構成
  • 第1章 規範の動態をめぐる国際政治
    • 1 国際関係論における規範
    • 2 規範の複合性と変化
    • 3 規範の動態の説明枠組み
  • 第2章 保護する責任はどのようにして誕生したのか
    • 1 革命的な事件と社会通念の変化――規範的環境の醸成
    • 2 規範起業家としてのICISSと規範的アイディアの作成
    • 3 ICISS最終報告書の検討
  • 第3章 保護する責任はなぜ国連で取り上げられるようになったのか
    • 1 カナダ政府による説得活動とその失敗
    • 2 国連改革をめぐる動きと国連事務総長の戦略
    • 3 2005年世界サミット成果文書への文言挿入をめぐる交渉
  • 第4章 保護する責任は国連においてどのように主流化してきたのか
    • 1 保護する責任に対する加盟国の反発
    • 2 国連総会テーマ別討論の開催と総会決議の採択
    • 3 保護する責任の諸側面に関する事務総長報告と非公式相互対話
    • 4 新たな総会決議の模索と総会公式討論
  • 第5章 保護する責任はどのように実施されつつあるのか
    • 1 保護する責任の三つの柱――国家の責任,国際支援,適時かつ断固とした対応
    • 2 リビア危機への適用
    • 3 シリア危機と国際社会の対応――保護する責任の実施可能な範囲
    • 4 安保理決議と保護する責任
  • 終章 国際政治のなかの保護する責任
    • 1 理論的な発見と示唆
    • 2 今後の課題と展望
  • 参考文献
  • インタビュー・リスト
  • あとがき
  • 事項索引
  • 人名索引

小泉悠『「帝国」ロシアの地政学――「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(東京堂出版、2019年)

目次

  • はじめに――交錯するロシアの東西
  • 第1章 「ロシア」とはどこまでか――ソ連崩壊後のロシアをめぐる地政学
  • 第2章 「主権」と「勢力圏」――ロシアの秩序観
  • 第3章 「占領」の風景――グルジアとバルト三国
  • 第4章 ロシアの「勢力圏」とウクライナ危機
  • 第5章 砂漠の赤い星――中東におけるロシアの復活
  • 第6章 北方領土をめぐる日米中露の四角形
  • 第7章 新たな地政的正面 北極
  • おわりに――巨人の見る夢

遠藤誠治「「失敗国家」と世界秩序――スーザン・ウッドワード『失敗国家のイデオロギー』を中心に」

目次

  • 1.はじめに――問題の所在 [502]
  • 2.冷戦後の安全保障観の転換:「失敗国家」概念の背景 [497]
  • 3.ウッドワードと「失敗国家のイデオロギー」 [493]
  • 4.介入失敗のメカニズム [488]
  • 5.「失敗国家」と国際秩序 [485]

岩井奉信/岩崎正洋 (編) 『日本政治とカウンター・デモクラシー』(勁草書房、2017年)

日本政治とカウンター・デモクラシー

目次

  • はしがき
  • 序章 現代日本における議会制民主主義の限界(岩井奉信)
    • 1.岐路に立つ議会制民主主義
    • 2.日本型議会の構図
    • 3.時間をめぐるかけ引き
    • 4.党議拘束と与党審査
    • 5.安倍政権と官邸主導
    • 6.今後の展望
  • 第1部 現代日本の政治過程
    • 第1章 原発をめぐる3.11以後の政治過程(松浦淳介)
      • 1.福島第一原発事故の発生とその政治的影響
      • 2.政治的環境と政策決定の「場」
      • 3.エネルギー基本計画の改定過程
      • 4.原子力規制組織の改編過程
      • 5.政権交代と原子力政策の継続性
    • 第2章 安保法制をめぐる政治過程(木下健)
      • 1.安保法制の国会審議
      • 2.立法過程とコミュニケーション戦略
      • 3.分析枠組み
      • 4.野党質疑の差異
      • 5.与党主導による決着
    • 第3章 沖縄基地問題をめぐる政治過程(杉浦功一)
      • 1.沖縄の米軍基地問題と民主主義
      • 2.沖縄基地問題をめぐる政治過程の見取り図
      • 3.沖縄の米軍基地問題の起源
      • 4.普天間飛行場移設問題の始まりと混迷
      • 5.21世紀初めの沖縄米軍基地問題の展開
      • 6.政権交代による「県外移設」の模索から「オール沖縄」へ
      • 7.沖縄の基地問題の政治過程の特色と民主主義への示唆
    • 第4章 憲法改正をめぐる政治過程(柳瀬昇)
      • 1.日本国憲法の制定と55年体制の確立
      • 2.55年体制下での展開と二つの憲法調査会
      • 3.国民投票法の制定と新世紀の憲法論議
      • 4.主な憲法改正の論点
      • 5.憲法改正問題の本質
  • 第2部 カウンター・デモクラシーの諸側面
    • 第5章 カウンター・デモクラシーの世界的潮流――代議制民主主義の補完か,民主主義そのものの危機か?(山本達也)
      • 1.カウンター・デモクラシーの世界的な広がり
      • 2.カウンター・デモクラシーにおけるソーシャルメディアの役割
      • 3.ポピュリズムの興隆を促す政治・経済状況
      • 4.民主主義の脱定着論と民主主義の不況論
      • 5.インターネットが民主主義に与える負の影響とその改善の試み
      • 6.カウンター・デモクラシーをめぐる今後の展望
    • 第6章 日本におけるカウンター・デモクラシーの展開(浅井直哉)
      • 1.カウンター・デモクラシーの広がり
      • 2.第一期:反原発デモの噴出
      • 3.第二期:反原発の抗議行動から原発再稼働反対の抗議行動へ
      • 4.第三期:特定秘密保護法から平和安全法制へ
      • 5.特異な集団としてのSEALDs
      • 6.カウンター・デモクラシーの共通点
    • 第7章 カウンター・デモクラシーの担い手(岡田陽介)
      • 1.カウンター・デモクラシーと政治参加
      • 2.カウンター・デモクラシーとフリー・ライド
      • 3.データの概要
      • 4.政治参加の手段と規定要因(有権者調査)
      • 5.大学生調査による分析
      • 6.カウンター・デモクラシーの傍観者と当事者
    • 第8章 カウンター・デモクラシーと主権者教育(松田憲忠)
      • 1.デモクラシーをめぐる二つのベクトル
      • 2.主権者教育の焦点
      • 3.カウンター・デモクラシーの含意
      • 4.主権者教育への期待
      • 5.カウンター・デモクラシーの行方
  • 終章 デモクラシーとカウンター・デモクラシーの間(岩崎正洋)
    • 1.民主主義の揺らぎ
    • 2.カウンター・デモクラシー論
    • 3.日本のカウンター・デモクラシー
    • 4.カウンター・デモクラシーの行方
  • 人名索引
  • 事項索引
  • 執筆者紹介

『論究ジュリスト』21号(2017年春号)

論究ジュリスト(2017年春号)No.21「特集 テロと非常事態を考える」 (ジュリスト増刊)

目次

  • 【特集】テロと非常事態を考える
    • 非常事態とは何か──憲法学による捉え方(高田篤)
    • 非常事態の法理(小島慎司)
    • 戦争権限──予防国家における戦争,自衛,そして立憲主義(大林啓吾)
    • 「統治行為」諸論の批判的考察(愛敬浩二)
    • テロと戦う論理と倫理(松元雅和)
    • フランスにおけるテロ対策と緊急事態「法」の現況(奥村公輔)
    • ドイツのテロ対策・予防のための法制度──「憲法の枠内」か安全の優先か(井上典之)
    • イギリスにおけるテロ対策法制と人権──多層的人権保障システムへの新たな挑戦(江島晶子)
    • オバマ政権下のテロ対策(長谷部恭男)
    • 韓国におけるテロ対策立法(國分典子)
    • イラク戦争とは何だったのか──ヨーロッパから見て(遠藤乾)
    • イラク戦争とは何だったのか──アメリカから見て(中山俊宏)
    • 非常事態に備える憲法改正は必要か(高見勝利)
  • 【新連載】
    • 現代訴訟の論点と法理論の検討(道垣内弘人/朝倉佳秀/ほか)
  • 【連載】
    • 菅野和夫先生に聴く(菅野和夫/岩村正彦/荒木尚志)
    • 私の三冊(大石眞)

日本国際政治学会 (編) 『国際政治 188 国際政治研究の先端14』(有斐閣、2017年)

国際政治研究の先端14 (『国際政治』)

目次

  • 冷戦の変容と日米関係 一九七三-一九七五年――米国による対日関係の再定義(長史隆)
  • 一九三〇年ハーグ国際法典編纂会議における『妻の国籍』問題と日本――『国際法の進歩』と『帝国の利益』(高橋力也)
  • ベトナム戦争をめぐる米比関係――非対称同盟と『力のパラドックス』(玉置敦彦)
  • 総合安全保障の受容――安全保障概念の拡散と『総合安全保障会議』設置構想(山口航)
  • 中華民国の『アジア反共同盟』構想――アジア冷戦変容下の集団安全保障政策(米多)
  • 『日米防衛協力のための指針』策定以前における日米防衛協力の実態(板山真弓)
  • 防衛計画の大綱における基盤的防衛力構想の採用 一九七四-一九七六年――防衛課の『常備すべき防衛力』構想を巡る攻防(真田尚剛)
  • 書評論文3本
  • 書評2本

竹中治堅 (編) 『二つの政権交代――政策は変わったのか』(勁草書房、2017年)

二つの政権交代: 政策は変わったのか

目次

  • 序章 政権交代は何を変えたのか(竹中治堅)
    • 1 はじめに──本書の目的
    • 2 どのように時期を区分するか
    • 3 政策形成過程で注目する点
    • 4 八事例を選択した理由
    • 5 おわりに──各章への導入として
  • 第1章 農業政策──政権交代がもたらす非連続的な米政策(濱本真輔)
    • 1 はじめに
    • 2 米政策の政策手段
    • 3 政権交代の可能性に揺れた米政策
    • 4 民主党政権下の非連続的な過程と政策
    • 5 決定過程の集権化と構造政策の加速
    • 6 おわりに
  • 第2章 電力システム改革──電力自由化をめぐる政治過程(上川龍之進)
    • 1 はじめに
    • 2 自民党・公明党政権下での電力自由化の停滞
    • 3 民主党政権下での電力システム改革論議の進展
    • 4 第二次・第三次安倍内閣での電力システム改革の進展
    • 5 おわりに
  • 第3章 コーポレート・ガバナンス改革──会社法改正とコーポレート・ガバナンス・コードの導入(竹中治堅)
    • 1 はじめに
    • 2 コーポレート・ガバナンスの定義と注目を集めるようになった経緯
    • 3 一九九〇年代から第一次自民党・公明党政権まで
    • 4 民主党政権
    • 5 第二次自民党・公明党政権
    • 6 おわりに
  • 第4章 子育て支援政策(砂原庸介)
    • 1 はじめに
    • 2 第一次自公政権期における子育て支援の位置づけ
    • 3 民主党政権による改革
    • 4 第二次・第三次安倍政権
    • 5 おわりに
  • 第5章 消費税増税──社会保障との一体改革(木寺元)
    • 1 はじめに
    • 2 租税政策のアリーナ
    • 3 第一次自公政権
    • 4 民主党政権
    • 5 第二次自公政権
    • 6 おわりに──継続と変容
  • 第6章 対外政策──安全保障重視のアジア外交へ(佐橋亮)
    • 1 はじめに
    • 2 地域環境の悪化
    • 3 第一次自公政権末期──アジア外交の強化
    • 4 民主党政権における対外政策──「同盟の論理」の再浸透
    • 5 第二次・第三次安倍政権──日米同盟とアジア外交の融解
    • 6 おわりに
  • 第7章 防衛大綱改定(細谷雄一)
    • 1 はじめに
    • 2 防衛大綱とは何か
    • 3 民主党政権下の防衛大綱策定
    • 4 安倍政権下の防衛大綱策定
    • 5 おわりに
  • 第8章 憲法解釈の変更──法制執務の転換(牧原出)
    • 1 はじめに
    • 2 法制執務の守備範囲
    • 3 一九五五年体制下の法制執務と湾岸戦争
    • 4 民主党政権と法制執務
    • 5 第二次安倍晋三政権と安保法制
    • 6 おわりに
  • 結章 安倍政権と民主党政権の継続性(竹中治堅)
    • 1 はじめに
    • 2 政権交代が政策に及ぼした影響
    • 3 政策決定過程の「集権化」
    • 4 二〇〇九年の政権交代の意義
    • 5 結論