月別アーカイブ: 2017年4月

黒沢文貴/季武嘉也 (編) 『日記で読む近現代日本政治史』(ミネルヴァ書房、2017年)

日記で読む近現代日本政治史 (史料で読み解く日本史)

  • 史料で読み解く日本史 2
  • 2017年4月30日刊行
  • A5判, 378頁
  • 出版社ページ

目次

  • はしがき
  • 序章 近現代日本の日記(黒沢文貴)
    • 1 近代以降の日記と日記帳
    • 2 史料としての日記
  • 第Ⅰ部 明治・大正の日記――立憲国家の形成
    • 【解説】(季武嘉也)
    • 第1章 『木戸孝允日記』と『大久保利通日記』――明治新政府を支えた維新の志士(西川誠)
      • 1 対照的な二人の日記
      • 2 木戸の情熱,長旅の政策
      • 3 大久保の果断,薩派の意思
      • 4 鳥瞰する二つの視点
    • コラム1 谷干城――明治保守主義の実相(小林和幸)
    • 第2章 『植木枝盛日記』と『近衛篤麿日記』――「浮遊」する二つの特異な個性(村瀬信一)
      • 1 植木枝盛という青年
      • 2 『植木枝盛日記』の世界
      • 3 早過ぎた晩年
      • 4 近衛篤麿という貴公子
      • 5 『近衛篤麿日記』の世界
      • 6 「浮遊」の系譜
    • コラム2 『明治天皇紀』――明治天皇の動静を伝える実証的記録(小林和幸)
    • 第3章 『財部彪日記』と『宇都宮太郎日記』――交錯する陸海軍人の日記(櫻井良樹)
      • 1 陸軍軍人の日記の対照
      • 2 財部彪日記
      • 3 宇都宮太郎日記
      • 4 交錯する日記
    • 第4章 『原敬日記』と『田健治郎日記』――帝国議会の舞台裏(季武嘉也)
      • 1 二つの「是々非々主義」
      • 2 藩閥に対する闘争記録・「原敬日記」
      • 3 文人政治家の記録・「田健治郎日記」
      • 4 対立と融和
  • 第Ⅱ部 大正末・昭和初期の日記――政党政治の展開と崩壊
    • 【解説】(季武嘉也)
    • 第5章 『牧野伸顕日記』と『侍従次長河井弥八日記』――昭和天皇(摂政宮)をめぐる宮中と政治(黒沢文貴)
      • 1 牧野伸顕日記と河井弥八日記
      • 2 皇太子の君主としての涵養
      • 3 立憲政治と天皇大権の行使のあり方
    • コラム3 『倉富勇三郎日記』――天皇・皇族と宮中の一級資料(伊藤之雄)
    • コラム4 『四竈孝輔日記』と『奈良武次日記』――大正天皇に仕えた二人の侍従武官(梶田明宏)
    • コラム5 『畑俊六日記』――張作霖爆殺と関東軍の張学良擁立構想(小林道彦)
    • 第6章 『岡田啓介日記』と『加藤寛治日記』――ロンドン海軍条約締結をめぐる葛藤(相澤淳)
      • 1 日記の概要
      • 2 ロンドン会議までの経緯
      • 3 ロンドンからの請訓
      • 4 請訓への対応
      • 5 回訓の決定
    • コラム6 『浜口雄幸日記』――ライオン宰相の足跡(川田稔)
    • 第7章 『宇垣一成日記』と『真崎甚三郎日記』――事件の黒幕とされた二人(加藤陽子)
      • 1 対照的な二人
      • 2 宇垣一成の日記
      • 3 真崎甚三郎の日記
    • コラム7 『本庄繁日記』――満州事変と二・二六事件の渦中で(照沼康孝)
  • 第Ⅲ部 昭和戦中期の日記――内外新秩序の模索と分裂
    • 【解説】(黒沢文貴)
    • 第8章 『芦田均日記』,『重光葵手記』,『石射猪太郎日記』――昭和戦前期の外交官の栄光と挫折(武田知己)
      • 1 外交官の個性
      • 2 昭和の動乱と日本外交
      • 3 1930年代の日本外交の分裂をめぐって
      • 4 昭和の外交史を読み直す
    • 第9章 『矢部貞治日記 銀杏の巻』と『暗黒日記』(清沢冽)――戦中期知識人の国際秩序論(酒井哲哉)
      • 1 日記の紹介
      • 2 矢部貞治と東亜新秩序
      • 3 清沢冽と太平洋戦争
      • 4 大東亜共栄圏論をめぐる対立と交錯
      • 5 終戦に向けて
    • 第10章 『滞日十年』(グルー)と『西園寺公と政局』(原田熊雄)――駐日アメリカ大使から見た日本の「穏健派」(戸部良一)
      • 1 「振子」説
      • 2 日本政治の分析
      • 3 支那事変
      • 4 破局回避のために
    • コラム8 『大本営陸軍部戦争指導班 機密戦争日誌』――開戦決意をめぐる攻防(波多野澄雄)
    • 第11章 『木戸幸一日記』と『細川日記』(細川護貞)――昭和終戦期の政界上層部(古川隆久)
      • 1 日記と筆者の紹介
      • 2 東条英機内閣倒閣に向けて
      • 3 終戦に向けて
      • 4 二つの日記から浮かび上がる近代日本政治の病理
    • コラム9 『高松宮日記』と『高木惣吉日記』――協力しつつも対照的な二人(小磯隆広)
    • 第12章 『東久邇宮日記』(東久邇宮稔彦王)と『徳川義寛日記』――「武は文にゆずる」(波多野澄雄)
      • 1 二つの日記の来歴
      • 2 「東久邇宮日記」の面白さ
      • 3 「皇族首班論」の行方
      • 4 皇族内閣の功罪
      • 5 二人の敗戦観
    • コラム10 『近衛日記』(近衛文麿)――「日本で最も長い一ヵ月」(庄司潤一郎)
  • 第Ⅳ部 昭和戦後期の日記――戦後体制の形成
    • 【解説】(黒沢文貴)
    • 第13章 『側近日誌』(木下道雄)と『寺崎英成・御用掛日記』――危機に瀕した皇室をいかに救うべきか(茶谷誠一)
      • 1 木下道雄と寺崎英成の接点
      • 2 皇室の危機と天皇・側近の対応
      • 3 「独白録」作成とその後
      • 4 「寺崎日記」にみる天皇の政治関心
    • 第14章 『石橋湛山日記』と『鳩山一郎・薫日記』(鳩山一郎)――戦後の政党政治(福永文夫)
      • 1 日記の紹介
      • 2 戦後政治の再出発――自由党の結成と公職追放
      • 3 民主党結成から鳩山内閣へ
    • 第15章 『佐藤榮作日記』と『楠田實日記』――長期政権下の外交と内政(河野康子)
      • 1 日記の紹介
      • 2 官僚から政治家へ
      • 3 保守合同不参加から自民党総裁へ
      • 4 佐藤政権期の首相官邸と外務省
      • 5 沖縄返還交渉以後の佐藤内閣――中道政党との提携
      • 6 二つの日記にみる統治の軌跡――自民党の変容と戦後保守の再定義
    • コラム11 『入江相政日記』と『卜部亮吾侍従日記』――昭和天皇の歴史認識(堀口修)
  • 近現代日本政治史の主要日記
  • 史料名索引
  • 人名索引

『思想』1117号(2017年5月号)

思想 2017年 05 月号 [雑誌]

目次

  • 特集「政治思想史における近代」
    • 思想の言葉(ジョン・ポーコック) [2]
    • 〈プロローグ〉思想史という営みの感性的側面について(ダンカン・フォーブス) [10]
    • I
      • 「創造」の場に居合わせて――ピーター・ラズレットと共に「失われた世界」へ(ジョン・ポーコック) [31]
      • スコットランド啓蒙とケンブリッジ学派(ブライアン・ヤング) [56]
      • 政治理論の歴史(ジョン・ダン) [76]
    • II
      • 時間の政治学――ポーコックと政治言説史(鹿子生浩輝) [109]
      • 歴史の理論家としてのポーコック――その知的軌跡における政治・多元性・批判的知性の擁護(犬塚元) [129]
    • III
      • ジョン・ネヴィル・フィギスとケンブリッジ近代史学――歴史と政治思想(マーク・ゴルディー) [160]
      • クェンティン・スキナー――政治学の歴史と歴史の政治学(ジョン・ポーコック) [181]
    • 〈エピローグ〉回想の「ケンブリッジ学派」――一政治学徒の同時代思想史物語(半澤孝麿) [206]

『論究ジュリスト』21号(2017年春号)

論究ジュリスト(2017年春号)No.21「特集 テロと非常事態を考える」 (ジュリスト増刊)

目次

  • 【特集】テロと非常事態を考える
    • 非常事態とは何か──憲法学による捉え方(高田篤)
    • 非常事態の法理(小島慎司)
    • 戦争権限──予防国家における戦争,自衛,そして立憲主義(大林啓吾)
    • 「統治行為」諸論の批判的考察(愛敬浩二)
    • テロと戦う論理と倫理(松元雅和)
    • フランスにおけるテロ対策と緊急事態「法」の現況(奥村公輔)
    • ドイツのテロ対策・予防のための法制度──「憲法の枠内」か安全の優先か(井上典之)
    • イギリスにおけるテロ対策法制と人権──多層的人権保障システムへの新たな挑戦(江島晶子)
    • オバマ政権下のテロ対策(長谷部恭男)
    • 韓国におけるテロ対策立法(國分典子)
    • イラク戦争とは何だったのか──ヨーロッパから見て(遠藤乾)
    • イラク戦争とは何だったのか──アメリカから見て(中山俊宏)
    • 非常事態に備える憲法改正は必要か(高見勝利)
  • 【新連載】
    • 現代訴訟の論点と法理論の検討(道垣内弘人/朝倉佳秀/ほか)
  • 【連載】
    • 菅野和夫先生に聴く(菅野和夫/岩村正彦/荒木尚志)
    • 私の三冊(大石眞)

中北浩爾『自民党――「一強」の実像』(中央公論新社、2017年)

自民党―「一強」の実像 (中公新書)

目次

  • 第1章 派閥――弱体化する「党中党」
  • 第2章 総裁選挙とポスト配分――総裁権力の増大
  • 第3章 政策決定プロセス――事前審査制と官邸主導
  • 第4章 国政選挙――伏在する二重構造
  • 第5章 友好団体――減少する票とカネ
  • 第6章 地方組織と個人後援会――強さの源泉の行方
  • 終章 自民党の現在――変化する組織と理念

林裕『紛争下における地方の自己統治と平和構築――アフガニスタンの農村社会メカニズム』(ミネルヴァ書房、2017年)

紛争下における地方の自己統治と平和構築:アフガニスタンの農村社会メカニズム (MINERVA人文・社会科学叢書)

  • MINERVA 人文・社会科学叢書 219
  • 2017年4月20日刊行
  • A5判, 256頁
  • 出版社ページ

目次

  • はしがき
  • 図表一覧
  • 序章 アフガニスタンの農村社会と国家
    • 1 紛争影響下の農村社会と国家建設
    • 2 国家の再建と農村部におけるインフォーマルな「自己統治」
    • 3 キーワード
    • 4 自己統治メカニズム解明の意義
    • 5 なぜアフガニスタンか
    • 6 インタビューの方法と効果
    • 7 本書の構成
  • 第1章 平和構築をめぐる議論――リベラル・ピース論とガバナンス論
    • 1 国家の在り様と平和構築
    • 2 リベラル・ピース
    • 3 ガバナンスをめぐる議論
    • 4 アフガニスタンにおける平和構築と農村
    • 5 平和構築をめぐる議論の再検討に向けて
  • 第2章 「実体のない平和」構築――紛争影響下でも営まれる生活
    • 1 紛争影響下カブール州の農村概要
    • 2 紛争影響下における農村社会の生活
    • 3 実体のない平和構築とアフガニスタン農村生活の現実
  • 第3章 紛争影響下の農村社会――シューラによる「地方の自己統治」
    • 1 自己統治機構「シューラ」
    • 2 「自己統治」のメカニズム
    • 3 「弱い国家」と「強い地域社会」
  • 第4章 弱い国家における「自己統治」――だれのガバナンスなのか
    • 1 国際社会、首都、そして農村
    • 2 ガバナンス認識をめぐる差異
    • 3 フォーマルな政府とインフォーマルな農村社会
  • 終章 紛争影響下の自己統治のメカニズム
    • 1 「紛争国」という概念と地方の自己統治
    • 2 脆弱なガバナンス下での自己統治
    • 3 新たな平和構築に向けて
  • 補論 事例研究へのアプローチ
  • 引用文献
  • 参考資料Ⅰ アフガニスタン関連略年表
  • 参考資料Ⅱ 半構造化インタビュー質問票
  • 参考資料Ⅲ 調査対象者一覧
  • 参考資料Ⅳ 主要個別面談対象者一覧
  • あとがき
  • 索引

ヤン=ヴェルナー・ミュラー『ポピュリズムとは何か』(岩波書店、2017年)

ポピュリズムとは何か

目次

  • 日本語版への序文(二〇一七年一月)
  • 序章 誰もがポピュリスト?
  • 第一章 ポピュリストが語ること
    • ポピュリズムを理解すること──袋小路
    • ポピュリズムのロジック
    • そもそもポピュリストは何を代表すると主張しているのか?
    • ポピュリスト・リーダーシップ
    • 再論──では、誰もがポピュリストではないのか?
  • 第二章  ポピュリストがすること、あるいは政権を握ったポピュリズム
    • ポピュリストによる三つの統治テクニックとその道徳的正当化
    • 政権を握ったポピュリズムは「非リベラルな民主主義」と同義なのか?
    • ポピュリストの憲法──語義矛盾?
    • 人民は「われら人民」と言えないのか?
  • 第三章 ポピュリズムへの対処法
    • ポピュリズムと破られた民主主義の約束
    • ポピュリズムに対する自由民主主義的な批判──三つの問題
    • 代表の危機? アメリカの情況
    • ポピュリズムとテクノクラシーの狭間のヨーロッパ
  • 結論 ポピュリズムについての七つのテーゼ
  • 謝辞
  • 訳者あとがき
  • 原注
  • 人名索引

森田朗『現代の行政』新版(第一法規、2017年)

新版 現代の行政

  • 2017年4月17日刊行
  • A5判, 240頁
  • 出版社ページ
  • 旧版
    • 森田朗『現代の行政』改訂版(放送大学教育振興会、2000年)
    • 森田朗『現代の行政』(放送大学教育振興会、1996年)

目次

  • 第1章「行政」とは何か? ――現代国家における行政活動
    • 第1節 現代の行政
    • 第2節 行政活動の例
    • 第3節 行政分析の枠組み
  • 第2章 行政国家の成立
    • 第1節 社会構造の変化と行政の発展
    • 第2節 近代国家の成立
    • 第3節 行政国家の成立
    • 第4節 福祉国家の実現
  • 第3章 行政学の発展
    • 第1節 行政学の誕生
    • 第2節 行政学の発展――政治行政分断論
    • 第3節 行政学の展開――政治行政融合論
    • 第4節 行政改革の理論
  • 第4章 現代の政府体系
    • 第1節 政府体系の構造
    • 第2節 中央と地方
    • 第3節 議会と行政府
    • 第4節 行政統制と参加
  • 第5章 内閣制度と国地方関係
    • 第1節 日本の内閣制度
    • 第2節 戦後の社会の変化と政治体制の評価
    • 第3節 行政改革と内閣機能の強化
    • 第4節 地方制度と分権改革
  • 第6章 官僚制
    • 第1節 官僚制の理論――マックス・ウェーバーの官僚制論
    • 第2節 ウェーバーの官僚制論の理解
    • 第3節 組織論の展開
  • 第7章 現代組織論
    • 第1節 決定と情報
    • 第2節 組織における管理
    • 第3節 組織の病理
    • 第4節 官僚の心理と行動
  • 第8章 日本の行政組織
    • 第1節 日本の行政組織の特徴
    • 第2節 決定の方式――府省間調整
    • 第3節 行政組織の改革
    • 第4節 独立行政法人
  • 第9章 人事管理と財務管理
    • 第1節 日本の公務員制度
    • 第2節 官僚の人事システム
    • 第3節 予算と財務管理
    • 第4節 財政の現状と課題
  • 第10章 行政と情報技術(IT)
    • 第1節 行政における業務
    • 第2節 情報技術(IT)の活用
    • 第3節 国民番号制度
    • 第4節 情報技術(IT)活用の可能性とリスク
  • 第11章 行政活動と政策
    • 第1節 行政活動のプログラムとしての政策
    • 第2節 政策の構造
    • 第3節 政策過程
  • 第12章 政策の決定
    • 第1節 合理的政策決定
    • 第2節 合理性の限界と現実の政策決定
    • 第3節 合意形成
    • 第4節 調整と計画
  • 第13章 政策の執行
    • 第1節 政策執行の枠組み
    • 第2節 基準の適用
    • 第3節 法治行政と行政裁量
  • 第14章 政策評価
    • 第1節 政策評価の考え方
    • 第2節 政策評価の方法
    • 第3節 日本の政策評価制度
  • 第15章 行政の課題と行政学の役割
    • 第1節 わが国が直面する課題――少子高齢化・人口減少・財政危機
    • 第2節 政治行政関係の変化と政治主導
    • 第3節 これからの行政学――ダウンサイジングによる効率化
  • 参考文献
  • あとがき
  • 事項索引

田村哲樹/松元雅和/乙部延剛/山崎望『ここから始める政治理論』(有斐閣、2017年)

ここから始める政治理論 (有斐閣ストゥディア)

目次

  • 第1章 政治理論の始め方
  • 第2章 政治とは何か?
  • 第3章 「私の勝手」で済むか? ──リベラリズム
  • 第4章 どうして助け合わなければいけないのか? ──分配的正義論
  • 第5章 あなたも「不正義」に加担している? ──グローバル正義論
  • 第6章 みんなで決めたほうがよい? ──民主主義/自由民主主義
  • 第7章 多数決で決めればよい? ──熟議民主主義とラディカル・デモクラシー
  • 第8章 民主主義は国境を越えるか? ──グローバル民主主義
  • 第9章 「私」とは誰か? ──政治理論における個人
  • 第10章 私は何をどこまでできるのか?/できないのか? ──権力論
  • 第11章 「私のこと」も政治か? ──政治理論としてのフェミニズム
  • 第12章 「国民である」とはどういうことか? ──ナショナリズム
  • 第13章 異文化体験でわかりあえるか? ──多文化主義
  • 第14章 公共性はどこにある? ──市民社会論・コミュニティ論
  • 第15章 「市民である」とはどういうことか? ──シティズンシップ

日本国際政治学会 (編) 『国際政治 188 国際政治研究の先端14』(有斐閣、2017年)

国際政治研究の先端14 (『国際政治』)

目次

  • 冷戦の変容と日米関係 一九七三-一九七五年――米国による対日関係の再定義(長史隆)
  • 一九三〇年ハーグ国際法典編纂会議における『妻の国籍』問題と日本――『国際法の進歩』と『帝国の利益』(高橋力也)
  • ベトナム戦争をめぐる米比関係――非対称同盟と『力のパラドックス』(玉置敦彦)
  • 総合安全保障の受容――安全保障概念の拡散と『総合安全保障会議』設置構想(山口航)
  • 中華民国の『アジア反共同盟』構想――アジア冷戦変容下の集団安全保障政策(米多)
  • 『日米防衛協力のための指針』策定以前における日米防衛協力の実態(板山真弓)
  • 防衛計画の大綱における基盤的防衛力構想の採用 一九七四-一九七六年――防衛課の『常備すべき防衛力』構想を巡る攻防(真田尚剛)
  • 書評論文3本
  • 書評2本

仙石学 (編) 『脱新自由主義の時代? ――新しい政治経済秩序の模索』(京都大学学術出版会、2017年)

脱新自由主義の時代?: 新しい政治経済秩序の模索 (地域研究のフロンティア)

目次

  • はしがき
  • 序章 「ネオリベラリズム」の後にくるもの(仙石学)
    • Ⅰ なぜいま再び「ネオリベラリズム」なのか——経済の選択と政治の選択
    • Ⅱ 新興民主主義諸国における「ネオリベラリズム」後の「ネオリベラリズム」?
    • Ⅲ 本書の構成
  • 第1章 「ポストネオリベラル」期の年金制度? ——東欧諸国における多柱型年金制度の再改革(仙石学)
    • Ⅰ 東欧諸国における年金制度の再改編——「ポスト」ネオリベラル型の年金制度?
    • Ⅱ 第2次年金制度改編の背景と方向性
    • Ⅲ 基金型年金制度とリベラル系政党の対応
    • Ⅳ 「ポストネオリベラリズム期」における混迷?
  • 第2章 危機意識に支えられるエストニアの「ネオリベラリズム」(小森宏美)
    • Ⅰ 依然として「ネオリベラリズム」なのか?
    • Ⅱ 改革党の躍進とその全盛期
    • Ⅲ エストニア政治の不安的な側面
    • Ⅳ 限られた選択肢の中での安定
  • 第3章 ネオリベラリズムと社会的投資——チェコ共和国における家族政策,教育政策改革への影響とその限界(中田瑞穂)
    • Ⅰ ネオリベラリズム,社会的投資戦略に基づく社会改革の試みと限界
    • Ⅱ チェコの家族政策・教育政策
    • Ⅲ EUのリスボン戦略とOECD
    • Ⅳ EU加盟以降の改革の試みと政党間対立
    • Ⅴ ハイブリッドレジームにおける歴史の呪縛
  • 第4章 スペイン・ポルトガルにおける新自由主義の「奇妙な不死」——民主化と欧州化の政策遺産とその変容(横田正顕)
    • Ⅰ 新自由主義の強靭性
    • Ⅱ 政党間競争のダイナミクス
    • Ⅲ 新自由主義的欧州の中のスペイン・ポルトガル
    • Ⅳ 危機の政治的帰結
    • Ⅴ 新自由主義の「再埋め込み」?
  • 第5章 ラテンアメリカ穏健左派支持における経済投票——ウルグアイの拡大戦線の事例(出岡直也)
    • Ⅰ 「ポストネオリベラル」期ラテンアメリカにおけるネオリベラル的政策の連続・逆転を決めるものとしての経済投票?
    • Ⅱ ウルグアイの事例の意味
    • Ⅲ ウルグアイにおける左派政権成立・維持の経緯,および,説明されるべき選挙結果
    • Ⅳ 拡大戦線票に関連する先行研究からの考察
    • Ⅴ 2001年と2008年のサーベイ・データによる拡大戦線票の分析
    • Ⅵ 結論と含意
  • 第6章 ポスト新自由主義期ラテンアメリカの「右旋回」——ペルーとホンジュラスの事例から(村上勇介)
    • Ⅰ ポスト新自由主義段階にあるラテンアメリカ
    • Ⅱ ペルーの「急進左派」勢力の台頭と政権の軌跡
    • Ⅲ 「右旋回」の構造的背景
    • Ⅳ ホンジュラスの事例
    • Ⅴ ポスト新自由主義期の「右旋回」の構造的な背景
  • 索引