中井遼『欧州の排外主義とナショナリズム――調査から見る世論の本質』(新泉社、2021年)

目次

  • 序章
    • 第1節 本書は何を問題とするのか
    • 第2節 本書が論じることと論じないこと
    • 第3節 本書の構成
  • 第1章 ヨーロッパの排外的ナショナリズムをデータで見る
    • 第1節 ヨーロッパは排外主義化しているのか
    • 第2節 ヨーロッパの政治的対立軸の変化
    • 第3節 本書が主に使用するデータについて
    • 第4節 本書における計量分析の考え方
  • 第2章 誰が排外的な政党を支持するのか
    • 第1節 排外的な政党支持はどのように説明されてきたか
    • 第2節 分析に使用するデータと方法
    • 第3節 右翼政党支持の計量分析
    • 第4節 右翼政党支持は文化破壊懸念と欧州統合反発が原因
  • 第3章 誰が文化的観点から移民を忌避するのか
    • 第1節 反移民感情はどのように説明されてきたか
    • 第2節 移民影響認知の計量分析
    • 第3節 移民受け入れ拒否の計量分析
    • 第4節 文化的な反移民感情は欧州統合への不信感の表れである
  • 第4章 欧州各国の違いを分析する――3パターンの排外的ナショナリズム
    • 第1節 一国単位の回帰分析結果
    • 第2節 西と東の構造的差異
    • 第3節 右翼政党政治・移民文化破壊懸念・欧州懐疑のトライアングル
    • 第4節 トライアングルの意味の検討
    • 第5節 欧州各国の違い:小括
  • 第5章 右翼支持者が好む反移民という建物――フランス国民戦線支持者のサーベイ実験
    • 第1節 反移民感情と社会的望ましさバイアス
    • 第2節 分析対象と方法:フランスにおけるリスト実験調査
    • 第3節 分析結果:国民戦線支持者は必ずしも反移民ではないかもしれない
    • 第4節 学歴と職業による本音度の違い――従来型調査との比較
    • 第5節 反移民感情と極右政党支持:本音はどこに
  • 第6章 ナショナリストが煽る市民の排外感情――ラトビア選挙戦の効果検証
    • 第1節 選挙とナショナリズムの理論
    • 第2節 ラトビアの右翼政党と反移民・難民運動
    • 第3節 分析対象と方法:ラトビアにおける通時的世論調査
    • 第4節 選挙前後の比較分析結果
    • 第5節 政治意識の高い者たちが選挙に際して排外的になる
  • 第7章 主流政党による排外主義の取り込み――ポーランドの右傾化と反EU言説
    • 第1節 大きく変動したポーランドの世論
    • 第2節 分断された二つのポーランド:世論の東西分断
    • 第3節 欧州懐疑を取り込み成長してきた「法と正義」――中道から右翼へ
    • 第4節 法と正義が展開した反EU・反与党の言説
    • 第5節 多層的な意思決定環境下で移民問題が語られるとき
  • 第8章 非経済的信念と排外主義
    • 第1節 本書全体が明らかにしたこと
    • 第2節 なぜ経済はそこまで重要ではないのか
    • 第3節 本書の結論の限界
    • 第4節 本書の知見は(日本)社会にどのような含意を持つのか
  • 補遺
  • 参考文献
  • 索引