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西山真司『信頼の政治理論』(名古屋大学出版会、2019年)

目次

  • はじめに
  • 凡例
  • 序章 予備的考察
    • 第1節 政治学における信頼論の現状と課題
      • 1 信頼論の学際性と政治学
      • 2 既存の枠組みを「補完」するもの?
      • 3 政治学の有意性と規範的な政策論
    • 第2節 1960年代の政治文化論
      • 1 アーモンドによる政治理論としての政治文化論
      • 2 政治文化論と信頼論の連続性と差異
    • 第3節 本書における政治理論の地位
      • 1 科学としての政治学をめぐる論争——フライヴァーグとレイテンの事例
      • 2 世界観としての政治理論
      • 3 政治理論における妥当性の問題
    • 第4節 本書における分析の進め方
  • 第I部 政治文化論の再検討
    • 第1章 学説史上の政治文化論とその問題構成
      • 第1節 政治文化論における問題構成の原基的な形態
        • 1 トクヴィルの習俗論
        • 2 バンフィールドのエートス論
      • 第2節 60年代型政治文化論の背景としての行動論政治学
      • 第3節 比較政治学の確立期における機能主義および文化論的アプローチ
    • 第2章 初期・中期パーソンズの社会理論と文化概念
      • 第1節 パーソンズ理論の基本的モティーフ——主意主義的行為の理論へ
      • 第2節 中期パーソンズの社会理論——構造‐機能主義的システム理論と文化概念
        • 1 主意主義的行為の理論からシステム理論へ
        • 2 構造‐機能主義
        • 3 分析カテゴリーとしての文化概念と「中期」パーソンズ理論の性質
    • 第3章 政治文化論の成立と衰退
      • 第1節 60年代型政治文化論の成立過程
        • 1 政治文化概念の誕生——「比較政治システム」(1956年)論文
        • 2 機能主義的政治システム論——「比較政治に向けた機能主義アプローチ」(1960年)
        • 3 政治文化論研究の金字塔——アーモンドとヴァーバによる『市民文化』(1963年)
      • 第2節 60年代型政治文化論の衰退と理論的性格
    • 第4章 新たな理論構築に向けた内在的契機と展望
      • 第1節 「意味」としての政治文化
        • 1 政治文化論における分岐と接合——合理的選択理論と解釈主義
        • 2 『市民文化』以降のアーモンド学派
        • 3 パーソンズ理論における「意味」と文化
      • 第2節 権力としての政治文化
    • 小括 第I部の意義と第II部での課題
  • 第II部 信頼論の問題構成と理論的基礎
    • 第5章 信頼論における問題構成の形成とその背景
      • 第1節 パットナムの『民主主義を機能させる』
      • 第2節 学説史のなかのパットナム
        • 1 『民主主義を機能させる』の方法論上の性格
        • 2 政治文化論から信頼論へ—— トクヴィル的な伝統の再解釈
      • 第3節 パットナムへの批判と国家/市民社会論
        • 1 パットナムの信頼論における “国家の不在”
        • 2 国家/市民社会論という問題構成の性質
    • 第6章 信頼論の理論的基礎とその展開
      • 第1節 ソーシャル・キャピタル概念
        • 1 ソーシャル・キャピタル概念以前の『民主主義を機能させる』
        • 2 コールマンのソーシャル・キャピタル論
        • 3 ソーシャル・キャピタル論の構成要素
      • 第2節 1990年代以降の信頼論の諸形態
        • 1 対人間での信頼について
        • 2 信頼と信任の相互規定的な性質について
        • 3 ソーシャル・キャピタルが政治のあり方を左右する
        • 4 ソーシャル・キャピタルが経済成長を可能にする
        • 5 国家・制度に対する信任について
        • 6 政治制度への信任が経済成長を可能にする
        • 7 政治制度が対人間での信頼を可能にする
      • 第3節 ロスステインの信頼論と政治理論上の課題
        • 1 福祉国家と対人間での信頼
        • 2 パットナム批判と信頼を政治学的に説明すること
        • 3 「集合的記憶」——合理主義と文化主義のあいだ
        • 4 ロスステインにおける政治理論上の課題
    • 小括 第II部の結論と第III部に向けて
  • 第III部 信頼研究のためのあらたな政治理論
    • 第7章 理論的基礎に関するオルタナティヴ
      • 第1節 政治学内部でのあらたな潮流
        • 1 国家/市民社会論から日常性の政治へ
        • 2 制度論の変化と構成主義
      • 第2節 「意味」の系譜①——現象学的社会理論
        • 1 現象学的社会学とその特徴
        • 2 現象学的社会理論から信頼論への知見
      • 第3節 「意味」の系譜②——エスノメソドロジー
        • 1 現象学的社会理論からエスノメソドロジーへ
        • 2 エスノメソドロジーの方針
        • 3 エスノメソドロジーへの批判と応答
      • 第4節 日常言語学派と心の哲学
        • 1 ライルによる心身二元論への批判
        • 2 心の哲学と経験的な研究への指針
        • 3 社会科学研究における概念分析の地位――ウィンチを中心に
    • 第8章 問題構成の再定式化
      • 第1節 第I部および第II部からの検討課題の引き継ぎ
        • 1 第I部からの検討課題
        • 2 第II部からの検討課題
      • 第2節 政治学における信頼論の展望と応用例
        • 1 ルーマン理論の利用について
        • 2 エスノグラフィーと政治学
        • 3 『支配のあいまいさ』
  • 終章 本書のまとめと意義
  • あとがき
  • 参考文献
  • 図表一覧
  • 索引

越智敏夫『政治にとって文化とは何か――国家・民族・市民』(ミネルヴァ書房、2018年)

政治にとって文化とは何か:国家・民族・市民 (MINERVA人文・社会科学叢書)

  • MINERVA 人文・社会科学叢書 229
  • 2018年7月20日刊行
  • A5判, 272頁
  • 出版社ページ

目次

  • 序章 政治にとって文化とは
  • 第I部 政治の文化
    • 第1章 政治文化――政治を文化として語ること
      • 1 日常と政治
      • 2 人間性研究から政治文化論へ
      • 3 政治文化論の政治性
      • 4 政治文化論の目的
    • 第2章 なぜ市民社会は少数者を必要とするのか――出生と移動の再理論化
      • 1 「市民とは誰か」を決めてきたのは誰か
      • 2 非市民と国民国家
      • 3 少数者の自己認識という陥穽
      • 4 国境を越える人々、越えない人々
      • 5 少数者の必然性
    • 第3章 ナショナリズムと自己批判性
      • 1 リベラル・デモクラシーが利用するもの
      • 2 ナショナリズムを擁護する理由
      • 3 リベラル・ナショナリズムとその限界
      • 4 もう一つの集団的想像力
      • 5 多声法と自己批判性
  • 第II部 文化の政治
    • 第4章 「他者」理解の政治学――文化主義への政治理論的対応
      • 1 政治統合と「他者」
      • 2 多文化主義における国家観の問題
      • 3 集団的アイデンティティの承認
      • 4 マイノリティ再考
      • 5 他者理解の組織化へ向けて
    • 第5章 市民文化論の統合的機能――現代政治理論の「自己正当化」について
      • 1 市民文化とテロリズム
      • 2 ウォルツァーと市民宗教
      • 3 コミュニタリアンと政教分離
      • 4 〈10・7〉と市民社会
    • 第6章 「非常時デモクラシー」の可能性――9・11とアメリカ的なものについて
      • 1 国家による殺人の正当化
      • 2 同時多発テロ以降の暴力連鎖
      • 3 「アメリカ的なもの」の罠
      • 4 非常事態によるデモクラシー形成は可能か
    • 第7章 アメリカ国家思想の文化的側面――その政府不信と体制信仰について
      • 1 自己理解としての体制認識
      • 2 民主主義的な体制批判は可能なのか
      • 3 体制・文化・多元性
      • 4 政府不信とフィランソロピー
      • 5 政府不信と左翼
      • 6 政治実践としての自己理解
    • 第8章 政治理論における〈有効性〉――高畠通敏と戦後日本
      • 1 戦後日本の民主化と政治理論
      • 2 丸山眞男『政治の世界』と高畠政治学
      • 3 政治の主体と研究の主体――「全身政治学者」としての高畠
      • 4 戦後政治学の倫理性
      • 5 実践
      • 6 日常性と可能性の理論化
  • 終章 個人の経験と政治の状況――ロベール・ルパージュ〈八八七〉論
    • 1 “Speak White”
    • 2 「自由ケベック万歳!」
    • 3 個人の演技、集団の政治
    • 4 時間と空間
    • 5 ヒア、此処
  • 主要参考文献
  • あとがき
  • 事項索引
  • 人名索引

渡部純「構造論的日本政治研究の系譜――公私領域の制度的編制をめぐって」

  • 東北大学『法学』第72巻第6号、232-276頁
  • 2009年1月発行

目次

  • 序論 [232]
    • (1)構造改革の時代 [232]
    • (2)小沢一郎の主張 [233]
    • (3)リヴィジョニストの日本批判 [235]
    • (4)プロトタイプとしての丸山真男 [236]
    • (5)本稿の課題 [239]
  • 第一章 チャルマーズ・ジョンソンの「資本主義的発展指向型国家」論 [241]
    • 第一節 概観 [241]
      • (1)「リヴィジョニストのゴッドファーザー」 [241]
      • (2)国家-社会の制度 [242]
    • 第二節 公私領域の制度的編制 [243]
      • (1)通産省による制度的編制 [243]
      • (2)官僚優位の構造 [244]
    • 第三節 理論射程 [245]
      • (1)構造改革論への含意 [245]
      • (2)理論的な課題 [246]
  • 第二章 京極純一の「コスモス」論 [248]
    • 第一節 概観 [248]
      • (1)文化論的アプローチ [248]
      • (2)ノモスとコスモスの制度 [249]
    • 第二節 公私領域の制度編制 [250]
      • (1)政治腐敗の構造 [250]
      • (2)「堅気の人」と政治 [252]
    • 第三節 理論射程 [256]
      • (1)構造改革論への含意 [256]
      • (2)理論的な課題 [257]
  • 第三章 樋渡展洋の「組織された市場」論 [258]
    • 第一節 概観 [258]
      • (1)比較政治経済学の射程 [258]
      • (2)市場組織の制度 [258]
    • 第二節 公私領域の制度編制 [259]
      • (1)組織された市場 [259]
      • (2)社会党支持基盤の融解 [260]
    • 第三節 理論射程 [261]
      • (1)構造改革論への含意 [261]
      • (2)理論的な課題 [262]
  • 第四章 大嶽秀夫の「イデオロギー対立軸」論 [264]
    • 第一節 概観 [264]
      • (1)多元主義 [264]
      • (2)イデオロギー対立軸という制度 [264]
    • 第二節 公私領域の制度的編制 [264]
      • (1)経済領域の自律性 [264]
      • (2)社会党現実主義化の阻害要因 [265]
    • 第三節 理論射程 [266]
      • (1)構造改革論への含意 [267]
      • (2)理論的な課題 [267]
  • 結論 [268]
    • (1)公的領域と私的領域 [269]
    • (2)理論的刷新への要諦 [270]
    • (3)エートス論の再構成に向けて [272]