- 新潮選書
- 2020年5月27日刊行
- 四六判, 319頁
- 出版社ページ
目次
- はじめに
- 序章 政治改革への視点
- 1 政治改革への道のり
- 前史としてのバブル/現状肯定的雰囲気の強まり/転換点としての一九八九年
- 2 政治改革はどう語られてきたか
- 改革機運の高まり/定まらない評価/これまでの説明/なお残る疑問
- 3 本書のアプローチ
- 「アイディア」とその「土着化」/起こっていたと考えられること/なぜそうなったのか/注目するポイントと本書の構成
- 1 政治改革への道のり
- 第1章 政治改革の全体像
- 1 政治改革とは何か
- 実質的意味の憲法改正/領域の区分
- 2 中央政府の改革
- 選举制度改革/内閣機能強化/省庁再編
- 3 中央政府以外の改革
- 中央銀行と司法部門の改革/地方分権改革
- 4 近代主義右派のプロジェクト
- 統治の「客体」から「主体」へ/戦後日本の近代主義/自由主義・共産主義・保守主義/政党政治との関係/近代主義右派とは誰か/各領域の「自律」が生み出した改革の土着化
- 1 政治改革とは何か
- 第2章 選挙制度改革
- 1 改革の背景
- 選挙制度はなぜ重要か/選挙制度と政策/中選挙区制という問題/対応すべき課題
- 2 政治の近代化を目指して
- 複数の方向性/政治改革大綱による理念の選択/論理性の補完
- 3 小選挙区比例代表並立制という土着化
- 具体的な選択肢/多数派の形成/決定打としての金丸逮捕/有権者は同調していたのか
- 4 何が起こったのか
- 想定された帰結/予想通りの展開/いくつかの重要な想定外/連動性への関心の乏しさ
- 1 改革の背景
- 第3章 行政改革
- 1 改革の背景
- 行政国家の登場/課題としての行政改革
- 2 真に目指されたものは何か
- 新しい方向性の出現/政治改革の一部としての行政改革/「小さな政府」と「強力な政府」の間で
- 3 土着化の手段としての省庁再編
- 政党間競争の渦中で/内閣機能強化の実質的「温存」
- 4 何が起こったのか
- 内閣機能強化の決定的効果/見かけの「小さな政府」化
- 1 改革の背景
- 第4章 日本銀行・大蔵省改革
- 1 改革の背景
- 中央銀行の役割/戦時立法としての日本銀行法/大蔵省と金融業界の不祥事
- 2 二つの方向性
- 世界的な潮流/中央銀行研究会/大蔵省改革のアジェンダ化/改革案の形成
- 3 「本丸」はどちらなのか
- 行政改革としての土着化/生き残る「開かれた独立性」の理念
- 4 何が起こったのか
- 独立性を強める日本銀行/影響力を低下させる大蔵省・財務省/新しい協調体制?
- 1 改革の背景
- 第5章 司法制度改革
- 1 改革の背景
- 司法の独立性とは/社会からの遊離
- 2 明確な方向性
- 社会との接点拡大/行政部門や立法部門からの自律性の向上/最高裁による調査と模索
- 3 コンセンサスによる改革
- 審議会設置への道のり/司法制度改革審議会/制度変革の実際
- 4 制度変革後の土着化
- 実施段階での困難/専門性重視への回帰
- 1 改革の背景
- 第6章 地方分権改革
- 1 改革の背景
- 地方分権とは何か/何を求めていたのか/認識されていた課題
- 2 新しい理由づけ
- 応答能力への注目/異なった考え方
- 3 総論賛成・各論反対を超えて
- 政権中枢への浸透/三つの方向性/多数派形成の特徴
- 4 何をもたらしたのか
- 想定された帰結/地方自治体の能力問題/中央・地方間の調整問題
- 1 改革の背景
- 終章 改革は終わったのか
- 1 広範で大規模な改革
- アイディアにおける一貫性/平成デモクラシーの根底にあったもの
- 2 不整合と不着手という問題
- 土着化による多様な帰結/マルチレヴェルミックスにおける不整合/着手されなかった領域の影響
- 3 改革はもはや不要なのか
- 改革疲れと行き過ぎ批判/新しい時代に向けて
- 1 広範で大規模な改革
- あとがき
- 注釈
- 参考文献
- 関連政治史年表
- 索引