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待鳥聡史『政治改革再考――変貌を遂げた国家の軌跡』(新潮社、2020年)

目次

  • はじめに
  • 序章 政治改革への視点
    • 1 政治改革への道のり
      • 前史としてのバブル/現状肯定的雰囲気の強まり/転換点としての一九八九年
    • 2 政治改革はどう語られてきたか
      • 改革機運の高まり/定まらない評価/これまでの説明/なお残る疑問
    • 3 本書のアプローチ
      • 「アイディア」とその「土着化」/起こっていたと考えられること/なぜそうなったのか/注目するポイントと本書の構成
  • 第1章 政治改革の全体像
    • 1 政治改革とは何か
      • 実質的意味の憲法改正/領域の区分
    • 2 中央政府の改革
      • 選举制度改革/内閣機能強化/省庁再編
    • 3 中央政府以外の改革
      • 中央銀行と司法部門の改革/地方分権改革
    • 4 近代主義右派のプロジェクト
      • 統治の「客体」から「主体」へ/戦後日本の近代主義/自由主義・共産主義・保守主義/政党政治との関係/近代主義右派とは誰か/各領域の「自律」が生み出した改革の土着化
  • 第2章 選挙制度改革
    • 1 改革の背景
      • 選挙制度はなぜ重要か/選挙制度と政策/中選挙区制という問題/対応すべき課題
    • 2 政治の近代化を目指して
      • 複数の方向性/政治改革大綱による理念の選択/論理性の補完
    • 3 小選挙区比例代表並立制という土着化
      • 具体的な選択肢/多数派の形成/決定打としての金丸逮捕/有権者は同調していたのか
    • 4 何が起こったのか
      • 想定された帰結/予想通りの展開/いくつかの重要な想定外/連動性への関心の乏しさ
  • 第3章 行政改革
    • 1 改革の背景
      • 行政国家の登場/課題としての行政改革
    • 2 真に目指されたものは何か
      • 新しい方向性の出現/政治改革の一部としての行政改革/「小さな政府」と「強力な政府」の間で
    • 3 土着化の手段としての省庁再編
      • 政党間競争の渦中で/内閣機能強化の実質的「温存」
    • 4 何が起こったのか
      • 内閣機能強化の決定的効果/見かけの「小さな政府」化
  • 第4章 日本銀行・大蔵省改革
    • 1 改革の背景
      • 中央銀行の役割/戦時立法としての日本銀行法/大蔵省と金融業界の不祥事
    • 2 二つの方向性
      • 世界的な潮流/中央銀行研究会/大蔵省改革のアジェンダ化/改革案の形成
    • 3 「本丸」はどちらなのか
      • 行政改革としての土着化/生き残る「開かれた独立性」の理念
    • 4 何が起こったのか
      • 独立性を強める日本銀行/影響力を低下させる大蔵省・財務省/新しい協調体制?
  • 第5章 司法制度改革
    • 1 改革の背景
      • 司法の独立性とは/社会からの遊離
    • 2 明確な方向性
      • 社会との接点拡大/行政部門や立法部門からの自律性の向上/最高裁による調査と模索
    • 3 コンセンサスによる改革
      • 審議会設置への道のり/司法制度改革審議会/制度変革の実際
    • 4 制度変革後の土着化
      • 実施段階での困難/専門性重視への回帰
  • 第6章 地方分権改革
    • 1 改革の背景
      • 地方分権とは何か/何を求めていたのか/認識されていた課題
    • 2 新しい理由づけ
      • 応答能力への注目/異なった考え方
    • 3 総論賛成・各論反対を超えて
      • 政権中枢への浸透/三つの方向性/多数派形成の特徴
    • 4 何をもたらしたのか
      • 想定された帰結/地方自治体の能力問題/中央・地方間の調整問題
  • 終章 改革は終わったのか
    • 1 広範で大規模な改革
      • アイディアにおける一貫性/平成デモクラシーの根底にあったもの
    • 2 不整合と不着手という問題
      • 土着化による多様な帰結/マルチレヴェルミックスにおける不整合/着手されなかった領域の影響
    • 3 改革はもはや不要なのか
      • 改革疲れと行き過ぎ批判/新しい時代に向けて
  • あとがき
  • 注釈
  • 参考文献
  • 関連政治史年表
  • 索引

大山礼子『政治を再建する、いくつかの方法――政治制度から考える』(日本経済新聞社、2018年)

政治を再建する、いくつかの方法 政治制度から考える

目次

  • 第1章 首相は大統領より強い?
  • 第2章 国会審議は無意味?
  • 第3章 無能な議員が多すぎる?
  • 第4章 選挙が政治をダメにする?
  • 第5章 権力をチェックするのは誰?

加茂具樹/林載桓 (編) 『現代中国の政治制度――時間の政治と共産党支配』(慶應義塾大学出版会、2018年)

現代中国の政治制度:時間の政治と共産党支配 (慶應義塾大学東アジア研究所叢書)

目次

  • 序章 現代中国政治研究と歴史的制度論(林載桓)
  • 第1部 国家――包容と強制
    • 第1章 民主的制度の包容機能――人代改革の起源と持続(加茂具樹)
    • 第2章 現代中国の刑事司法制度と「厳打」――起源、経路依存、制度進化(金野純)
  • 第2部 エリート政治
    • 第3章 「集団領導制」の制度分析――権威主義体制、制度、時間(林載桓)
    • 第4章 領導小組の制度変化――中国の政策決定における半公式制度の機能の重層化(山口信治)
    • 第5章 中国の幹部選抜任用制度をめぐる政治(高原明生)
  • 第3部 中央・地方関係と経済
    • 第6章 香港の民主化問題の「時間の政治学(ポリティクス・イン・タイム)」――選挙制度形成の歴史と今後の見通し(倉田徹)
    • 第7章 中国経済の制度的背景――分散的権威主義体制下の自生的秩序(梶谷懐)
  • おわりに
  • 索引
  • 執筆者紹介

木寺元『地方分権改革の政治学――制度・アイディア・官僚制』有斐閣

 

渡部純「構造論的日本政治研究の系譜――公私領域の制度的編制をめぐって」

  • 東北大学『法学』第72巻第6号、232-276頁
  • 2009年1月発行

目次

  • 序論 [232]
    • (1)構造改革の時代 [232]
    • (2)小沢一郎の主張 [233]
    • (3)リヴィジョニストの日本批判 [235]
    • (4)プロトタイプとしての丸山真男 [236]
    • (5)本稿の課題 [239]
  • 第一章 チャルマーズ・ジョンソンの「資本主義的発展指向型国家」論 [241]
    • 第一節 概観 [241]
      • (1)「リヴィジョニストのゴッドファーザー」 [241]
      • (2)国家-社会の制度 [242]
    • 第二節 公私領域の制度的編制 [243]
      • (1)通産省による制度的編制 [243]
      • (2)官僚優位の構造 [244]
    • 第三節 理論射程 [245]
      • (1)構造改革論への含意 [245]
      • (2)理論的な課題 [246]
  • 第二章 京極純一の「コスモス」論 [248]
    • 第一節 概観 [248]
      • (1)文化論的アプローチ [248]
      • (2)ノモスとコスモスの制度 [249]
    • 第二節 公私領域の制度編制 [250]
      • (1)政治腐敗の構造 [250]
      • (2)「堅気の人」と政治 [252]
    • 第三節 理論射程 [256]
      • (1)構造改革論への含意 [256]
      • (2)理論的な課題 [257]
  • 第三章 樋渡展洋の「組織された市場」論 [258]
    • 第一節 概観 [258]
      • (1)比較政治経済学の射程 [258]
      • (2)市場組織の制度 [258]
    • 第二節 公私領域の制度編制 [259]
      • (1)組織された市場 [259]
      • (2)社会党支持基盤の融解 [260]
    • 第三節 理論射程 [261]
      • (1)構造改革論への含意 [261]
      • (2)理論的な課題 [262]
  • 第四章 大嶽秀夫の「イデオロギー対立軸」論 [264]
    • 第一節 概観 [264]
      • (1)多元主義 [264]
      • (2)イデオロギー対立軸という制度 [264]
    • 第二節 公私領域の制度的編制 [264]
      • (1)経済領域の自律性 [264]
      • (2)社会党現実主義化の阻害要因 [265]
    • 第三節 理論射程 [266]
      • (1)構造改革論への含意 [267]
      • (2)理論的な課題 [267]
  • 結論 [268]
    • (1)公的領域と私的領域 [269]
    • (2)理論的刷新への要諦 [270]
    • (3)エートス論の再構成に向けて [272]