月別アーカイブ: 2019年9月

西山真司『信頼の政治理論』(名古屋大学出版会、2019年)

目次

  • はじめに
  • 凡例
  • 序章 予備的考察
    • 第1節 政治学における信頼論の現状と課題
      • 1 信頼論の学際性と政治学
      • 2 既存の枠組みを「補完」するもの?
      • 3 政治学の有意性と規範的な政策論
    • 第2節 1960年代の政治文化論
      • 1 アーモンドによる政治理論としての政治文化論
      • 2 政治文化論と信頼論の連続性と差異
    • 第3節 本書における政治理論の地位
      • 1 科学としての政治学をめぐる論争——フライヴァーグとレイテンの事例
      • 2 世界観としての政治理論
      • 3 政治理論における妥当性の問題
    • 第4節 本書における分析の進め方
  • 第I部 政治文化論の再検討
    • 第1章 学説史上の政治文化論とその問題構成
      • 第1節 政治文化論における問題構成の原基的な形態
        • 1 トクヴィルの習俗論
        • 2 バンフィールドのエートス論
      • 第2節 60年代型政治文化論の背景としての行動論政治学
      • 第3節 比較政治学の確立期における機能主義および文化論的アプローチ
    • 第2章 初期・中期パーソンズの社会理論と文化概念
      • 第1節 パーソンズ理論の基本的モティーフ——主意主義的行為の理論へ
      • 第2節 中期パーソンズの社会理論——構造‐機能主義的システム理論と文化概念
        • 1 主意主義的行為の理論からシステム理論へ
        • 2 構造‐機能主義
        • 3 分析カテゴリーとしての文化概念と「中期」パーソンズ理論の性質
    • 第3章 政治文化論の成立と衰退
      • 第1節 60年代型政治文化論の成立過程
        • 1 政治文化概念の誕生——「比較政治システム」(1956年)論文
        • 2 機能主義的政治システム論——「比較政治に向けた機能主義アプローチ」(1960年)
        • 3 政治文化論研究の金字塔——アーモンドとヴァーバによる『市民文化』(1963年)
      • 第2節 60年代型政治文化論の衰退と理論的性格
    • 第4章 新たな理論構築に向けた内在的契機と展望
      • 第1節 「意味」としての政治文化
        • 1 政治文化論における分岐と接合——合理的選択理論と解釈主義
        • 2 『市民文化』以降のアーモンド学派
        • 3 パーソンズ理論における「意味」と文化
      • 第2節 権力としての政治文化
    • 小括 第I部の意義と第II部での課題
  • 第II部 信頼論の問題構成と理論的基礎
    • 第5章 信頼論における問題構成の形成とその背景
      • 第1節 パットナムの『民主主義を機能させる』
      • 第2節 学説史のなかのパットナム
        • 1 『民主主義を機能させる』の方法論上の性格
        • 2 政治文化論から信頼論へ—— トクヴィル的な伝統の再解釈
      • 第3節 パットナムへの批判と国家/市民社会論
        • 1 パットナムの信頼論における “国家の不在”
        • 2 国家/市民社会論という問題構成の性質
    • 第6章 信頼論の理論的基礎とその展開
      • 第1節 ソーシャル・キャピタル概念
        • 1 ソーシャル・キャピタル概念以前の『民主主義を機能させる』
        • 2 コールマンのソーシャル・キャピタル論
        • 3 ソーシャル・キャピタル論の構成要素
      • 第2節 1990年代以降の信頼論の諸形態
        • 1 対人間での信頼について
        • 2 信頼と信任の相互規定的な性質について
        • 3 ソーシャル・キャピタルが政治のあり方を左右する
        • 4 ソーシャル・キャピタルが経済成長を可能にする
        • 5 国家・制度に対する信任について
        • 6 政治制度への信任が経済成長を可能にする
        • 7 政治制度が対人間での信頼を可能にする
      • 第3節 ロスステインの信頼論と政治理論上の課題
        • 1 福祉国家と対人間での信頼
        • 2 パットナム批判と信頼を政治学的に説明すること
        • 3 「集合的記憶」——合理主義と文化主義のあいだ
        • 4 ロスステインにおける政治理論上の課題
    • 小括 第II部の結論と第III部に向けて
  • 第III部 信頼研究のためのあらたな政治理論
    • 第7章 理論的基礎に関するオルタナティヴ
      • 第1節 政治学内部でのあらたな潮流
        • 1 国家/市民社会論から日常性の政治へ
        • 2 制度論の変化と構成主義
      • 第2節 「意味」の系譜①——現象学的社会理論
        • 1 現象学的社会学とその特徴
        • 2 現象学的社会理論から信頼論への知見
      • 第3節 「意味」の系譜②——エスノメソドロジー
        • 1 現象学的社会理論からエスノメソドロジーへ
        • 2 エスノメソドロジーの方針
        • 3 エスノメソドロジーへの批判と応答
      • 第4節 日常言語学派と心の哲学
        • 1 ライルによる心身二元論への批判
        • 2 心の哲学と経験的な研究への指針
        • 3 社会科学研究における概念分析の地位――ウィンチを中心に
    • 第8章 問題構成の再定式化
      • 第1節 第I部および第II部からの検討課題の引き継ぎ
        • 1 第I部からの検討課題
        • 2 第II部からの検討課題
      • 第2節 政治学における信頼論の展望と応用例
        • 1 ルーマン理論の利用について
        • 2 エスノグラフィーと政治学
        • 3 『支配のあいまいさ』
  • 終章 本書のまとめと意義
  • あとがき
  • 参考文献
  • 図表一覧
  • 索引

前田健太郎『女性のいない民主主義』(岩波書店、2019年)

  • 岩波新書 新赤版 1794
  • 2019年9月20日刊行
  • 新書判, 238頁
  • 出版社ページ
  • 書評
    • 渡邊十絲子・評(『週刊新潮』2019年10月24日号)
    • 苅部直・評(『読売新聞』2019年11月3日)
    • 本田由紀・評(『朝日新聞』2019年11月9日)
    • 栗原裕一郎・評(『東京新聞』『中日新聞』2019年11月17日)
    • 加藤陽子・評(『毎日新聞』2020年3月8日)
    • 申琪榮・評(『年報政治学』2020年1号、443-446頁、2020年6月)
    • 大木直子・評(『ジェンダー研究』23号、253-255頁、2020年7月)

目次

  • はじめに [i]
  • 第1章 「政治」とは何か [1]
    • 1 話し合いとしての政治 [2]
    • 2 政治における権力 [7]
    • 3 マンスプレイニングの罠 [23]
    • 4 政治の争点 [32]
    • 5 多数決と争点 [41]
  • 第2章 「民主主義」の定義を考え直す [53]
    • 1 女性のいない民主主義 [54]
    • 2 代表とは何か [66]
    • 3 民主化の歴史を振り返る [74]
    • 4 民主化の理論と女性 [88]
  • 第3章 「政策」は誰のためのものか [103]
    • 1 男性のための福祉国家 [104]
    • 2 政策は誰の利益を反映するのか [119]
    • 3 福祉国家が変わりにくいのはなぜか [131]
    • 4 政策の変化はどのようにして生じるか [140]
  • 第4章 誰が,どのように「政治家」になるのか [153]
    • 1 日本政治の二つの見方 [154]
    • 2 有権者は誰に票を投じるか [166]
    • 3 政党と政治家の行動原理 [178]
    • 4 選挙制度の影響 [188]
  • おわりに [205]
  • あとがき [213]
  • 主な参考文献・データベース