- 2021年1月20日刊行
- A5判, 352頁
- 出版社ページ
目次
- はしがき
- 序章 現代グローバル・ガバナンスの特徴――多主体性,多争点性,多層性,多中心性(西谷真規子)
- 1 グローバル・ガバナンス論の系譜
- 2 ウェストファリア体制の変容と現代グローバル・ガバナンスの課題
- 3 本書の構成
- 第I部 行為主体
- 第1章 国際機構――グローバル・ガバナンスの担い手?(山田哲也)
- 1 国際社会と国際機構
- 2 国際機構の特徴
- 3 国際機構の正統性問題
- 4 国際機構を通じた規範形成
- 5 国際機構を問う意義
- 第2章 地域機構――グローバル・ガバナンスとの関係性をめぐる3つのイメージ(渡邉智明)
- 1 地域機構とグローバル・ガバナンス
- 2 加盟国の利益集合体としての地域機構
- 3 グローバル・ガバナンスの担い手としての地域機構
- 4 規範に関わるエージェントとしての地域機構
- 5 グローバル・ガバナンスの「深化」と地域機構の可能性
- 第3章 専門家――知識と政治の相克(山田高敬)
- 1 国際政治と知識
- 2 グローバル・ガバナンスの基盤としての知識
- 3 知識共同体の役割
- 4 気候変動問題における知識共同体の役割
- 5 知識共同体論の今後の展開に向けて
- 第4章 NGO・社会運動――「下から」のグローバル・ガバナンスを目指して(上村雄彦)
- 1 NGOの定義,起源,種類とその台頭
- 2 分析枠組
- 3 パートナーシップ型アプローチ――気候変動の事例
- 4 パートナーシップ型アプローチ――対人地雷の例
- 5 社会運動型アプローチ
- 6 NGOがグローバル・ガバナンスに与える影響と今後
- 第5章 企業――グローバル化の中の企業行動の光と影(梅田徹)
- 1 企業とは何か
- 2 多国籍企業の論点
- 3 多国籍企業の行動規制の動き
- 4 多国籍企業とガバナンス・ギャップ
- 第1章 国際機構――グローバル・ガバナンスの担い手?(山田哲也)
- 第II部 制度と過程
- 第6章 国際レジーム論の系譜――統合から分散へ(山田高敬)
- 1 国際政治学と国際レジーム論
- 2 国際レジームと国際秩序
- 3 多国間主義の危機とプライベート・レジームの台頭
- 4 グローバル・イシューの多面性とレジーム・コンプレックスの台頭
- 5 国際レジームの今後の展開
- 第7章 国際関係の法化,ソフト・ロー,プライベート・スタンダード――ガバナンス手段の多様化(内記香子)
- 1 国際関係の法化
- 2 国際関係とソフト・ロー研究
- 3 国際関係におけるプライベート・スタンダードの拡散
- 4 ガバナンス手段の多様化の時代
- 第8章 ガバナンス・モード――グローバル・ガバナンスの変容(西谷真規子)
- 1 国家性,包摂性,委譲性による分類
- 2 直接性/間接性とハード/ソフトな手法による分類
- 3 間接的ガバナンスにおける能力と統制の緊張関係
- 4 多中心的ガバナンス
- 5 「機構」から「機能」へ,フォーマルからインフォーマルへ
- 第9章 ネットワーク――ネットワーク化したガバナンスの特徴と課題(西谷真規子)
- 1 ネットワークの定義と類型
- 2 ネットワークの対外関係とネットワーク内政治過程
- 3 グローバル・ガバナンスにおけるネットワークの課題
- 第10章 ガバナンスの正統性――正統化の政治と動態(西谷真規子)
- 1 グローバル・ガバナンスの正統性問題
- 2 正統性の動態
- 3 グローバル・ガバナーの正統性
- 第6章 国際レジーム論の系譜――統合から分散へ(山田高敬)
- 第III部 グローバル・ガバナンスの現状
- 第11章 国際開発――新興国の台頭とガバナンス構造の変動(小川裕子)
- 1 「ポスト貧困削減ガバナンス」の胎動
- 2 ガバナンス境界の消滅――DAC
- 3 新ガバナンスの誕生? ――AIIB
- 4 ガバナンスの複合化――SDGs
- 5 国際開発ガバナンスの構造変動
- 第12章 人権(労働者,女性,子ども)――人権規範の浸透と多中心化・多争点化するガバナンス(赤星聖)
- 1 グローバル・ガバナンスと人権
- 2 人権ガバナンスの近年の展開――労働者,女性,子ども
- 3 人身取引をめぐるガバナンス――労働者・女性・子どもを横断するイシュー
- 4 実効性のある人権ガバナンスのために
- 第13章 移民・難民――複雑化する移動とガバナンスの変化(中山裕美)
- 1 人の移動を扱うガバナンスの起源
- 2 複合的な難民ガバナンスへの発展
- 3 重層化する移民ガバナンス
- 4 曖昧化する「難民」と「移民」の境界と岐路を迎えたガバナンスの行方
- 第14章 腐敗防止――多中心化と大衆化(西谷真規子)
- 1 腐敗防止グローバル・ガバナンスの特徴
- 2 多層的レジーム複合体
- 3 ネットワーク化したガバナンスによる調和化と複合化
- 4 大衆化と周縁化
- 5 腐敗防止ガバナンスの課題
- 第15章 保健医療――保健ガバナンスの構造と課題(詫摩佳代)
- 1 保健ガバナンスとは何か
- 2 保健ガバナンスの牽引役としてのWHO
- 3 多様な保健課題とアクターの協調・競合
- 4 国際保健からグローバル・ヘルスへ
- 5 保健ガバナンスの課題
- 第16章 知的財産権の保護――模倣防止と利用促進の狭間で揺れる国際社会(西村もも子)
- 1 プロ・パテント,アンチ・パテント,そしてその後
- 2 アンチ・パテントの台頭とその影響
- 3 知的財産権をめぐるガバナンスの現状
- 第17章 企業の社会的責任――ステークホルダーの拡大と協働が進めるサステナビリティ対応(藤井敏彦)
- 1 企業の社会的責任(CSR)論をめぐる構造変化
- 2 環境
- 3 人権サプライチェーンとマルチステークホルダー苦情処理
- 4 金融の役割の増大
- 5 グローバル・ガバナンスの変化とCSR
- 第18章 グローバル・タックスーー地球規模課題解決のための革新的構想(上村雄彦)
- 1 グローバル・タックスとは何か
- 2 第1の柱――世界の税務当局による課税に関する情報の共有
- 3 第2の柱――国境を越えた革新的な課税の実施
- 4 業界と所管省庁の抵抗
- 5 グローバル・タックス実現に向けての最大の課題
- 第19章 貿易――問題の多様化と利害の交錯(鈴木一敏)
- 1 貿易分野におけるガバナンスの変化
- 2 問題領域の拡大と複合性
- 3 貿易ガバナンスの現在と今後
- 第20章 気候変動――経済・安全保障を巻き込むグローバルな課題(石垣友明)
- 1 国連気候変動枠組条約と京都議定書の概要
- 2 パリ協定の概要
- 3 気候変動問題と他の規範との関係
- 4 ルール形成に関与する幅広いアクターとその特徴
- 第21章 天然資源(森林,水産資源)――複合的ガバナンスの取り組み(阪口功)
- 1 森林と水産資源の現状
- 2 財の性質から見た森林と水産資源の管理
- 3 森林と水産資源のレジーム・コンプレックスの形成
- 4 プライベート・レジームによる資源管理の推進
- 5 途上国時代の複合的ガバナンスの課題
- 第22章 海洋――変貌する公海自由原則と領域的アプローチ(都留康子)
- 1 生命の源としての海
- 2 国連海洋法条約と領域的アプローチ
- 3 海洋環境の保護と海洋法
- 4 新たな実施協定BBNJ交渉の動向と課題
- 5 海洋ガバナンスの今後の課題
- 第23章 軍縮・不拡散および戦略物資規制――理念とパワーバランスが交錯するルール(石垣友明)
- 1 国連の下での軍縮・不拡散の基本的な枠組み
- 2 核軍縮・WMDの不拡散に関する主な枠組み
- 3 通常兵器の規制をめぐる国際的な議論
- 4 様々なアクターの関与した複層的なルール形成の特徴
- 第24章 サイバースペース――深刻化するセキュリティと決定力を欠くガバナンス(土屋大洋)
- 1 拡大するサイバースペース
- 2 1990年代以前の牧歌的な時代
- 3 2000年代の政治的な論争の時代
- 4 2010年代以降の安全保障上の懸念が高まる時代
- 5 決定力を欠くガバナンス
- 第11章 国際開発――新興国の台頭とガバナンス構造の変動(小川裕子)
- 人名索引
- 事項索引