月別アーカイブ: 2020年5月

梅澤佑介『市民の義務としての〈反乱〉――イギリス政治思想史におけるシティズンシップ論の系譜』(慶應義塾大学出版会、2020年)

目次

  • 序章 「歴史の終わり」? ――市民に投与された催眠剤 [1]
  • 第一章 忠実な臣民と知的愛国者――T・H・グリーンの「抵抗の義務」論 [25]
    • 第一節 ヴィクトリア時代の思想状況 [25]
    • 第二節 T・H・グリーンと新たな問題 [36]
  • 第二章 自己統治のパラドックスを超えて――バーナード・ボザンケの「実在意志」論 [73]
    • 第一節 自己統治のパラドックス [78]
    • 第二節 実在意志論 [91]
    • 第三節 シティズンシップと政治参加 [103]
  • 第三章 調和へと進歩する歴史――L・T・ホブハウスの形而上学的国家論批判 [121]
    • 第一節 自由主義的社会主義 [126]
    • 第二節 形而上学的国家論批判 [135]
    • 第三節 客観主義的権利論と進歩の形而上学 [147]
  • 第四章 思慮なき服従と反乱の義務――ハロルド・ラスキの多元的国家論 [167]
    • 第一節 国家主権論批判 [172]
    • 第二節 自由論の哲学的前提とペシミスティックな権力観 [185]
    • 第三節 調整権威としての国家 [211]
  • 第五章 階級なき社会を目指して――ハロルド・ラスキの唯物史観批判 [231]
    • 第一節 多元的国家論の自己批判 [235]
    • 第二節 三〇年代における多元的国家論の位置づけ [243]
    • 第三節 マルクス主義受容と「思慮なき服従」論の展開 [247]
    • 第四節 唯物史観批判とユートピア批判 [260]
  • 第六章 自発性を計画する――ハロルド・ラスキの「計画民主主義」論 [271]
    • 第一節 同意による革命 [275]
    • 第二節 計画民主主義 [283]
  • 終章 シティズンシップの終わるとき [303]
  • あとがき [315]
  • 参考文献一覧 [7]
  • 事項索引
  • 人名索引

待鳥聡史『政治改革再考――変貌を遂げた国家の軌跡』(新潮社、2020年)

目次

  • はじめに
  • 序章 政治改革への視点
    • 1 政治改革への道のり
      • 前史としてのバブル/現状肯定的雰囲気の強まり/転換点としての一九八九年
    • 2 政治改革はどう語られてきたか
      • 改革機運の高まり/定まらない評価/これまでの説明/なお残る疑問
    • 3 本書のアプローチ
      • 「アイディア」とその「土着化」/起こっていたと考えられること/なぜそうなったのか/注目するポイントと本書の構成
  • 第1章 政治改革の全体像
    • 1 政治改革とは何か
      • 実質的意味の憲法改正/領域の区分
    • 2 中央政府の改革
      • 選举制度改革/内閣機能強化/省庁再編
    • 3 中央政府以外の改革
      • 中央銀行と司法部門の改革/地方分権改革
    • 4 近代主義右派のプロジェクト
      • 統治の「客体」から「主体」へ/戦後日本の近代主義/自由主義・共産主義・保守主義/政党政治との関係/近代主義右派とは誰か/各領域の「自律」が生み出した改革の土着化
  • 第2章 選挙制度改革
    • 1 改革の背景
      • 選挙制度はなぜ重要か/選挙制度と政策/中選挙区制という問題/対応すべき課題
    • 2 政治の近代化を目指して
      • 複数の方向性/政治改革大綱による理念の選択/論理性の補完
    • 3 小選挙区比例代表並立制という土着化
      • 具体的な選択肢/多数派の形成/決定打としての金丸逮捕/有権者は同調していたのか
    • 4 何が起こったのか
      • 想定された帰結/予想通りの展開/いくつかの重要な想定外/連動性への関心の乏しさ
  • 第3章 行政改革
    • 1 改革の背景
      • 行政国家の登場/課題としての行政改革
    • 2 真に目指されたものは何か
      • 新しい方向性の出現/政治改革の一部としての行政改革/「小さな政府」と「強力な政府」の間で
    • 3 土着化の手段としての省庁再編
      • 政党間競争の渦中で/内閣機能強化の実質的「温存」
    • 4 何が起こったのか
      • 内閣機能強化の決定的効果/見かけの「小さな政府」化
  • 第4章 日本銀行・大蔵省改革
    • 1 改革の背景
      • 中央銀行の役割/戦時立法としての日本銀行法/大蔵省と金融業界の不祥事
    • 2 二つの方向性
      • 世界的な潮流/中央銀行研究会/大蔵省改革のアジェンダ化/改革案の形成
    • 3 「本丸」はどちらなのか
      • 行政改革としての土着化/生き残る「開かれた独立性」の理念
    • 4 何が起こったのか
      • 独立性を強める日本銀行/影響力を低下させる大蔵省・財務省/新しい協調体制?
  • 第5章 司法制度改革
    • 1 改革の背景
      • 司法の独立性とは/社会からの遊離
    • 2 明確な方向性
      • 社会との接点拡大/行政部門や立法部門からの自律性の向上/最高裁による調査と模索
    • 3 コンセンサスによる改革
      • 審議会設置への道のり/司法制度改革審議会/制度変革の実際
    • 4 制度変革後の土着化
      • 実施段階での困難/専門性重視への回帰
  • 第6章 地方分権改革
    • 1 改革の背景
      • 地方分権とは何か/何を求めていたのか/認識されていた課題
    • 2 新しい理由づけ
      • 応答能力への注目/異なった考え方
    • 3 総論賛成・各論反対を超えて
      • 政権中枢への浸透/三つの方向性/多数派形成の特徴
    • 4 何をもたらしたのか
      • 想定された帰結/地方自治体の能力問題/中央・地方間の調整問題
  • 終章 改革は終わったのか
    • 1 広範で大規模な改革
      • アイディアにおける一貫性/平成デモクラシーの根底にあったもの
    • 2 不整合と不着手という問題
      • 土着化による多様な帰結/マルチレヴェルミックスにおける不整合/着手されなかった領域の影響
    • 3 改革はもはや不要なのか
      • 改革疲れと行き過ぎ批判/新しい時代に向けて
  • あとがき
  • 注釈
  • 参考文献
  • 関連政治史年表
  • 索引

渡辺靖『白人ナショナリズム――アメリカを揺るがす「文化的反動」』(中央公論新社、2020年)

目次

  • 第1章 白人ナショナリストの論理と心理 [3]
  • 第2章 デヴィッド・デュークとオルトライト [37]
  • 第3章 白人ナショナリズムの位相 [75]
  • 第4章 白人ナショナリズムをめぐる論争 [115]
  • 第5章 白人ナショナリズムとグローバル・セキュリティ [155]
  • あとがき [193]
  • 主要参考文献 [204]
  • 索引 [212]

野口雅弘『マックス・ウェーバー――近代と格闘した思想家』(中央公論新社、2020年)

目次

  • 第1章 政治家の父とユグノーの家系の母――ファミリーヒストリー
  • 第2章 修学時代――法学とパラサイト
  • 第3章 自己分析としてのプロテスタンティズム研究――病気と方法論と資本主義
  • 第4章 戦争と革命――暴力装置とプロパガンダと「官僚の独裁」
  • 第5章 世界宗教を比較する――音楽社会学とオリエンタリズム
  • 第6章 反動の予言――ウェーバーとナチズム
  • 終章 マックス・ウェーバーの日本――「ヨーロッパ近代」のロスト・イン・トランスレーション

今野元『マックス・ヴェーバー――主体的人間の悲喜劇』(岩波書店、2020年)

目次

  • はじめに――「闘争」の政治学
  • 第一章 主体的人間への成長 一八六四‐一八九二年
    • 1 絶頂の西洋・勃興するドイツでの誕生
    • 2 自由主義政治家の家庭での生活
    • 3 プロテスタント世界での知的冒険
    • 4 学校での精神的・身体的成長
    • 5 プロイセン軍での鍛錬
  • 第二章 社会ダーウィニズムへの傾倒 一八九二-一九〇四年
    • 1 法学博士号・教授資格の取得
    • 2 ドイツ東部農業論からポーランド人労働者排除論へ
    • 3 法学から経済学への重心移動
    • 4 フライブルク講演『国民国家と経済政策』
    • 5 ハイデルベルクでの変調と教職からの早期引退
  • 第三章 ドイツ社会への苛立ち 一九〇四-一九一四年
    • 1 アメリカ旅行でのドイツ人意識の強化
    • 2 禁欲的プロテスタンティズムの分析
    • 3 人種論への更なる興味
    • 4 「市民層の封建化」批判
    • 5 「官僚制」批判
    • 6 学問のあり方をめぐる論争
    • 7 ロシア自由主義派への愛憎
    • 8 西洋近代から見た普遍史の展望
    • 9 「ハイデルベルクのミュトス」と相次ぐ紛争
  • 第四章 ドイツの名誉のための闘い 一九一四-一九二〇年
    • 1 世界大戦とドイツ文化の自己保存
    • 2 戦争遂行のための内政改革構想
    • 3 ドイツの道義的糾弾への抗議
    • 4 国民国家再建のための共和国制構想
    • 5 ミュンヒェンでの一瞬の輝き
  • 終章 マックス・ヴェーバーとアドルフ・ヒトラー
  • おわりに ヴェーバー研究の伝記論的転回
  • 主要文献一覧
  • 図版出典一覧
  • マックス・ヴェーバー略年譜

コンスタン『近代人の自由と古代人の自由 征服の精神と簒奪 他一篇』(堤林剣/堤林恵訳、岩波書店、2020年)

目次

  • 凡例 [3]
  • 近代人の自由と古代人の自由 [13]
  • 征服の精神と簒奪 [53]
  • 第一部 征服の精神について [63]
  • 第二部 簒奪について [129]
  • 人類の改善可能性について [301]
  • 訳註 [331]
  • 訳者解説 [355]

大嶽秀夫『平成政治史――政界再編とポスト冷戦型社会運動』(筑摩書房、2020年)

目次

  • はじめに [15]
  • 序章 一九九〇年代における日本政治の転換 [19]
  • 第一章 平成の自民党I――竹下登内閣から小泉純一郎内閣まで [43]
  • 第二章 日米構造協議と日本異質論 [69]
  • 第三章 平成の自民党II――第一次安倍晋三内閣から麻生太郎内閣まで [91]
  • 第四章 平成の社会運動 [109]
  • 第五章 原発推進と脱原発 [147]
  • 第六章 民主党政権 [175]
  • 第七章 創価学会と公明党 [199]
  • 第八章 日本共産党 [225]
  • 第九章 平成の自民党III――第二次安倍内閣以後 [247]
  • 第十章 平成の日本外交 [269]
  • 終章 民進党から立憲民主党へ [305]
  • あとがき [323]
  • 参考文献 [327]