月別アーカイブ: 2021年1月

西谷真規子/山田高敬 (編) 『新時代のグローバル・ガバナンス論――制度・過程・行為主体』(ミネルヴァ書房、2021年)

目次

  • はしがき
  • 序章 現代グローバル・ガバナンスの特徴――多主体性,多争点性,多層性,多中心性(西谷真規子)
    • 1 グローバル・ガバナンス論の系譜
    • 2 ウェストファリア体制の変容と現代グローバル・ガバナンスの課題
    • 3 本書の構成
  • 第I部 行為主体
    • 第1章 国際機構――グローバル・ガバナンスの担い手?(山田哲也)
      • 1 国際社会と国際機構
      • 2 国際機構の特徴
      • 3 国際機構の正統性問題
      • 4 国際機構を通じた規範形成
      • 5 国際機構を問う意義
    • 第2章 地域機構――グローバル・ガバナンスとの関係性をめぐる3つのイメージ(渡邉智明)
      • 1 地域機構とグローバル・ガバナンス
      • 2 加盟国の利益集合体としての地域機構
      • 3 グローバル・ガバナンスの担い手としての地域機構
      • 4 規範に関わるエージェントとしての地域機構
      • 5 グローバル・ガバナンスの「深化」と地域機構の可能性
    • 第3章 専門家――知識と政治の相克(山田高敬)
      • 1 国際政治と知識
      • 2 グローバル・ガバナンスの基盤としての知識
      • 3 知識共同体の役割
      • 4 気候変動問題における知識共同体の役割
      • 5 知識共同体論の今後の展開に向けて
    • 第4章 NGO・社会運動――「下から」のグローバル・ガバナンスを目指して(上村雄彦)
      • 1 NGOの定義,起源,種類とその台頭
      • 2 分析枠組
      • 3 パートナーシップ型アプローチ――気候変動の事例
      • 4 パートナーシップ型アプローチ――対人地雷の例
      • 5 社会運動型アプローチ
      • 6 NGOがグローバル・ガバナンスに与える影響と今後
    • 第5章 企業――グローバル化の中の企業行動の光と影(梅田徹)
      • 1 企業とは何か
      • 2 多国籍企業の論点
      • 3 多国籍企業の行動規制の動き
      • 4 多国籍企業とガバナンス・ギャップ
  • 第II部 制度と過程
    • 第6章 国際レジーム論の系譜――統合から分散へ(山田高敬)
      • 1 国際政治学と国際レジーム論
      • 2 国際レジームと国際秩序
      • 3 多国間主義の危機とプライベート・レジームの台頭
      • 4 グローバル・イシューの多面性とレジーム・コンプレックスの台頭
      • 5 国際レジームの今後の展開
    • 第7章 国際関係の法化,ソフト・ロー,プライベート・スタンダード――ガバナンス手段の多様化(内記香子)
      • 1 国際関係の法化
      • 2 国際関係とソフト・ロー研究
      • 3 国際関係におけるプライベート・スタンダードの拡散
      • 4 ガバナンス手段の多様化の時代
    • 第8章 ガバナンス・モード――グローバル・ガバナンスの変容(西谷真規子)
      • 1 国家性,包摂性,委譲性による分類
      • 2 直接性/間接性とハード/ソフトな手法による分類
      • 3 間接的ガバナンスにおける能力と統制の緊張関係
      • 4 多中心的ガバナンス
      • 5 「機構」から「機能」へ,フォーマルからインフォーマルへ
    • 第9章 ネットワーク――ネットワーク化したガバナンスの特徴と課題(西谷真規子)
      • 1 ネットワークの定義と類型
      • 2 ネットワークの対外関係とネットワーク内政治過程
      • 3 グローバル・ガバナンスにおけるネットワークの課題
    • 第10章 ガバナンスの正統性――正統化の政治と動態(西谷真規子)
      • 1 グローバル・ガバナンスの正統性問題
      • 2 正統性の動態
      • 3 グローバル・ガバナーの正統性
  • 第III部 グローバル・ガバナンスの現状
    • 第11章 国際開発――新興国の台頭とガバナンス構造の変動(小川裕子)
      • 1 「ポスト貧困削減ガバナンス」の胎動
      • 2 ガバナンス境界の消滅――DAC
      • 3 新ガバナンスの誕生? ――AIIB
      • 4 ガバナンスの複合化――SDGs
      • 5 国際開発ガバナンスの構造変動
    • 第12章 人権(労働者,女性,子ども)――人権規範の浸透と多中心化・多争点化するガバナンス(赤星聖)
      • 1 グローバル・ガバナンスと人権
      • 2 人権ガバナンスの近年の展開――労働者,女性,子ども
      • 3 人身取引をめぐるガバナンス――労働者・女性・子どもを横断するイシュー
      • 4 実効性のある人権ガバナンスのために
    • 第13章 移民・難民――複雑化する移動とガバナンスの変化(中山裕美)
      • 1 人の移動を扱うガバナンスの起源
      • 2 複合的な難民ガバナンスへの発展
      • 3 重層化する移民ガバナンス
      • 4 曖昧化する「難民」と「移民」の境界と岐路を迎えたガバナンスの行方
    • 第14章 腐敗防止――多中心化と大衆化(西谷真規子)
      • 1 腐敗防止グローバル・ガバナンスの特徴
      • 2 多層的レジーム複合体
      • 3 ネットワーク化したガバナンスによる調和化と複合化
      • 4 大衆化と周縁化
      • 5 腐敗防止ガバナンスの課題
    • 第15章 保健医療――保健ガバナンスの構造と課題(詫摩佳代)
      • 1 保健ガバナンスとは何か
      • 2 保健ガバナンスの牽引役としてのWHO
      • 3 多様な保健課題とアクターの協調・競合
      • 4 国際保健からグローバル・ヘルスへ
      • 5 保健ガバナンスの課題
    • 第16章 知的財産権の保護――模倣防止と利用促進の狭間で揺れる国際社会(西村もも子)
      • 1 プロ・パテント,アンチ・パテント,そしてその後
      • 2 アンチ・パテントの台頭とその影響
      • 3 知的財産権をめぐるガバナンスの現状
    • 第17章 企業の社会的責任――ステークホルダーの拡大と協働が進めるサステナビリティ対応(藤井敏彦)
      • 1 企業の社会的責任(CSR)論をめぐる構造変化
      • 2 環境
      • 3 人権サプライチェーンとマルチステークホルダー苦情処理
      • 4 金融の役割の増大
      • 5 グローバル・ガバナンスの変化とCSR
    • 第18章 グローバル・タックスーー地球規模課題解決のための革新的構想(上村雄彦)
      • 1 グローバル・タックスとは何か
      • 2 第1の柱――世界の税務当局による課税に関する情報の共有
      • 3 第2の柱――国境を越えた革新的な課税の実施
      • 4 業界と所管省庁の抵抗
      • 5 グローバル・タックス実現に向けての最大の課題
    • 第19章 貿易――問題の多様化と利害の交錯(鈴木一敏)
      • 1 貿易分野におけるガバナンスの変化
      • 2 問題領域の拡大と複合性
      • 3 貿易ガバナンスの現在と今後
    • 第20章 気候変動――経済・安全保障を巻き込むグローバルな課題(石垣友明)
      • 1 国連気候変動枠組条約と京都議定書の概要
      • 2 パリ協定の概要
      • 3 気候変動問題と他の規範との関係
      • 4 ルール形成に関与する幅広いアクターとその特徴
    • 第21章 天然資源(森林,水産資源)――複合的ガバナンスの取り組み(阪口功)
      • 1 森林と水産資源の現状
      • 2 財の性質から見た森林と水産資源の管理
      • 3 森林と水産資源のレジーム・コンプレックスの形成
      • 4 プライベート・レジームによる資源管理の推進
      • 5 途上国時代の複合的ガバナンスの課題
    • 第22章 海洋――変貌する公海自由原則と領域的アプローチ(都留康子)
      • 1 生命の源としての海
      • 2 国連海洋法条約と領域的アプローチ
      • 3 海洋環境の保護と海洋法
      • 4 新たな実施協定BBNJ交渉の動向と課題
      • 5 海洋ガバナンスの今後の課題
    • 第23章 軍縮・不拡散および戦略物資規制――理念とパワーバランスが交錯するルール(石垣友明)
      • 1 国連の下での軍縮・不拡散の基本的な枠組み
      • 2 核軍縮・WMDの不拡散に関する主な枠組み
      • 3 通常兵器の規制をめぐる国際的な議論
      • 4 様々なアクターの関与した複層的なルール形成の特徴
    • 第24章 サイバースペース――深刻化するセキュリティと決定力を欠くガバナンス(土屋大洋)
      • 1 拡大するサイバースペース
      • 2 1990年代以前の牧歌的な時代
      • 3 2000年代の政治的な論争の時代
      • 4 2010年代以降の安全保障上の懸念が高まる時代
      • 5 決定力を欠くガバナンス
  • 人名索引
  • 事項索引

坂口安紀『ベネズエラ――溶解する民主主義、破綻する経済』(中央公論新社、2021年)

目次

  • プロローグ
  • 第1章 チャベスと「ボリバル革命」
  • 第2章 チャベスなきチャビスモ、マドゥロ政権
  • 第3章 革命の主人公たち
  • 第4章 ボリバル革命と民主主義
  • 第5章 国家経済の衰亡
  • 第6章 石油大国の凋落
  • 第7章 社会開発の幻想
  • 第8章 国際社会のなかのチャビスモ
  • エピローグ

都築勉『おのがデモンに聞け――小野塚・吉野・南原・丸山・京極の政治学』(吉田書店、2021年)

目次

  • 序章 一九世紀から二〇世紀への転換
    • 1 大学アカデミズムの誕生
      • 唯一の大学
      • 帝国大学令
      • 帝国大学のドイツ化
      • 人材確保の困難
      • 『法学の誕生』
      • 大学アカデミズムの成立――国語学の場合
      • 比較対照軸としての夏目漱石
      • 「新聞屋」漱石の出発
      • 大学アカデミズムの成立――京都学派の哲学
      • 大学アカデミズムの成立――経済学の場合
      • 明治日本と帝国日本
    • 2 東京帝国大学の政治学
      • 前史
      • 小野塚喜平次
      • 小野塚以後の政治学
  • 第1章 小野塚喜平次または研究者精神の形成
    • 先行研究
    • 「政治学ノ系統」
    • 「政治教育ト政治学」
    • 小野塚が見たヨーロッパ
    • 「七博士事件」と「戸水事件」
    • 『政治学大綱』
    • 矢部貞治の『政治学』
    • 堀豊彦の『政治学原論』
    • 蠟山政道
    • 丸山眞男、岡義達、佐々木毅
    • 小野塚のヨーロッパ各国史研究――時代的背景
    • 英仏独の比較研究
    • ブライスの『近世衆民政』書評
    • 昭和初年の総長時代
  • 第2章 吉野作造または行為者精神の形成
    • 本書のアプローチ
    • 『支那革命小史』
    • 留学生の支援
    • 吉野の言論活動
    • 吉野の政治原論
    • 吉野の民本主義論
    • 歴代内閣論(一)――大隈・寺内・原
    • 浪人会との対決
    • 歴代内閣論(二)――高橋内閣から加藤高明内閣まで
    • 朝日新聞退社の経緯
    • 無産政党論
    • 歴代内閣論(三)――「憲政の常道」期
    • 明治文化研究
    • 吉野作造の戦い
  • 第3章 南原繁または教育者精神の形成
    • 政治思想史と政治哲学
    • 政治的価値の固有性――「価値並行」論
    • 自由主義批判
    • 「理想国家」と「神の国」
    • 『フィヒテの政治哲学』
    • 『政治理論史』
    • 『政治哲学序説』
    • 南原の日本国憲法論
    • 全面講和論
    • 人間南原
    • 教育者南原
  • 第4章 丸山眞男または創設者精神の形成
    • 南原と丸山
    • 徂徠学の位置づけ
    • 『矢部貞治日記』
    • 丸山の召集
    • 国民主義の思想
    • 「超国家主義の論理と心理」
    • 日本ファシズム論
    • 学問論
    • 平和論
    • 一九五〇年代後半の転換
  • 第5章 京極純一または観察者精神の形成
    • 丸山と京極
    • 神島二郎『近代日本の精神構造』
    • 『現代日本の政治過程』
    • 植村正久研究
    • 理論模型
    • 「世相の解説」
    • 『日本の政治』
  • 終章 政治学の一〇〇年
    • 東大の政治学
    • 二〇世紀の百年
    • 日本国憲法の政治学
    • 総長職と大学の管理運営
    • 二一世紀の政治学