- 岩波講座 政治哲学 6
- 240頁
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目次
- 刊行にあたって(編者) [v]
- 序論 政治哲学と現代(川崎修) [vii]
- リベラル・デモクラシーをめぐって [vii]
- 差異の政治学 [ix]
- グローバル・イシューと政治の問い直し [xi]
- 目次
- I リベラル・デモクラシーの再定位
- 1 自由論の展開――リベラルな政治の構想のなかで(山岡龍一) [3]
- 一 言語分析と政治哲学 [3]
- 二 積極的自由 [4]
- 積極的自由の擁護 [4]
- 政治的自由としての積極的自由の批判 [6]
- 三 消極的自由 [8]
- 価値多元論と消極的自由の擁護 [8]
- 消極的自由論の修正 [9]
- 四 共和主義的自由 [12]
- 共和主義的自由論の再発見 [12]
- 支配の欠如としての自由 [14]
- 支配の構造と自由 [16]
- 五 純粋な消極的自由 [18]
- 純粋な消極的自由論による共和主義的自由論批判 [18]
- 自由・権利・正義 [20]
- おわりに [23]
- 2 平等論の展開――ロールズ以降の「運の平等主義」の基本問題(広瀬巌) [29]
- 一 ロールズ正義論の反響 [29]
- 二 道徳的に恣意的な要因の排除 [30]
- 三 選択運 [36]
- 四 運の平等主義への批判 [41]
- 結語 [46]
- 3 規範的民主主義理論としての多元主義――利益概念とエンパワメント概念の間(飯田文雄) [49]
- 一 現代民主主義理論の形成と多元主義 [49]
- 二 シュンペーターとエリート主義的多元主義 [51]
- 三 ロバート・ダールと集団多元主義の形成 [54]
- 四 多元主義の発展とエンパワメント(1)――民主化過程への関心 [61]
- 五 多元主義の発展とエンパワメント(2)――アメリカ憲法体制の再検討 [66]
- 結びにかえて [69]
- 4 熟議と参加――リベラル・デモクラシーを超えるのか(田村哲樹) [75]
- 序論 [75]
- 一 デモクラシー論の「熟議論的転回」 [76]
- 二 熟議民主主義と参加民主主義 [79]
- 両者の共通性 [79]
- 両者の相違 [80]
- 熟議と参加はどこまで異なるのか [81]
- 熟議と構造的条件 [82]
- 三 熟議と参加の困難性をめぐって [84]
- 政治関与の魅力のなさ [85]
- 「個人化」という時代状況 [85]
- 「負担軽減」をめぐって [86]
- デモクラシーのためのナッジ [89]
- 四 リベラル・デモクラシーを超えるのか [90]
- 参加民主主義とリベラル・デモクラシー [91]
- 熟議民主主義とリベラル・デモクラシー [93]
- 結論 [94]
- 1 自由論の展開――リベラルな政治の構想のなかで(山岡龍一) [3]
- II 差異の政治学
- 5 精神分析と政治――フロイト、ラカン、ジジェク(有賀誠) [103]
- はじめに [103]
- 一 フロイト――啓蒙のプロジェクトとしての精神分析 [104]
- 二 ラカン――フロイトの再解釈による主体の起源論 [109]
- 三 ジジェク――「政治的なもの」の奪還 [116]
- おわりに [124]
- 6 フェミニズムとケア――つながりから社会正義へ(岡野八代) [127]
- はじめに [127]
- 一 ケアの倫理の源流――合衆国のウーマン・リブと一九七〇年代のフェミニズム理論における再生産領域への関心 [128]
- 源流としてのウーマン・リブ [128]
- 反動の時代におけるマルクス主義との出会い [129]
- フェミニズムの核心的な問い [130]
- 二 ルービン「女たちによる交通」のインパクト [132]
- ルービンの影響力 [132]
- ルービンの主張 [132]
- ルービンの限界 [134]
- 三 ケアの倫理の発見とその意義 [135]
- 『もうひとつの声』再読 [135]
- 葛藤と関係性への応答責任 [136]
- ケアの倫理における社会的不正義 [138]
- ケアの倫理の定義 [140]
- ギリガンの意義 [141]
- 四 ケアの倫理からグローバルな政治的責任論へ――アイリス・マリオン・ヤングを手がかりに [142]
- 一九八〇年代以降のフェミニズム理論 [142]
- 公私二元論に対する批判 [143]
- 社会の拘束性のなかの生とその可能性 [144]
- 構造的不正義とグローバル社会 [146]
- おわりに――つながりへの注視と未来への変革 [148]
- 7 アイデンティティと差異――政治哲学の〈文化的転回〉をめぐって(向山恭一) [153]
- 一 「お金」と「汚名」――ローティの文化左翼批判 [153]
- 二 正義と民主主義――ヤング『正義と差異の政治学』再読 [155]
- 「もつこと」と「すること」 [155]
- 構造的不正義を可視化すること [157]
- 「見ること」から「聴くこと」へ [160]
- 三 批判と応答――フレイザー=ヤング論争再考 [162]
- あまりにも未分化な「差異の政治」 [162]
- あまりにも硬直した二元論 [165]
- 外聞を気にするということ [167]
- 四 ルサンチマンを超えて――コノリーの「笑う」政治哲学 [169]
- 8 多文化の共存――宗教的多元主義と世俗主義の相克(木部尚志) [173]
- はじめに [173]
- 一 政教関係の多様性と政治的リベラリズムの非確定性 [175]
- 政治的リベラリズム [175]
- 政教分離の制度的多様性 [176]
- リベラリズムの非確定性 [177]
- 二 非西洋と世俗主義 [180]
- 文脈的世俗主義論 [180]
- 理解可能性の問題 [182]
- 土着的世俗主義の模索 [184]
- 三 宗教的多元主義とデモクラシー的可能性 [187]
- 宗教とアソシエーションのデモクラシー [187]
- イスラムのデモクラシー的可能性 [189]
- むすびにかえて [192]
- 5 精神分析と政治――フロイト、ラカン、ジジェク(有賀誠) [103]
- III 政治の「境界」
- 9 環境と政治――環境主義の展開 (丸山正次) [197]
- はじめに――環境政治の包括的理解 [197]
- 一 環境主義の課題 [198]
- 環境主義の始まり [198]
- 環境政治固有の第一課題 [198]
- 環境政治固有の第二課題 [199]
- 環境政治固有の第三課題 [200]
- 環境政治固有の第四課題 [202]
- 二 環境主義の類型化 [202]
- 三 環境政治課題への応答 [204]
- 第三課題=N人囚人ジレンマへの回答 [204]
- 第一課題=人間と自然との関係 [209]
- 第二課題=限界問題から何を導き出すか [212]
- 第四課題=政治経済 [215]
- 四 環境主義のゆくえ [218]
- 10 グローバル・ジャスティス――公正な地球社会をめざす規範(伊藤恭彦) [223]
- はじめに――地球的問題と正義 [223]
- 一 グローバル・ジャスティスのフロンティア [226]
- 二つの知的資源 [226]
- ベイツとポッゲ [227]
- グローバル・ジャスティスをめぐる論戦 [229]
- 二 ポスト・ウェストファリア世界の正義へ [233]
- コスモポリタニズムの純化 [233]
- 現実に近づくコスモぴリタニズム [235]
- グローバルな不正義に立ち返る [238]
- むすび――グローバル・ジャスティスの実践へ [240]
- 9 環境と政治――環境主義の展開 (丸山正次) [197]